HOME記事その他【H.M.S.】破壊と殺戮の女神「カーリー」を恐ろしくも美しく立体化【彫刻家・雨ノ宮一紀】

【H.M.S.】破壊と殺戮の女神「カーリー」を恐ろしくも美しく立体化【彫刻家・雨ノ宮一紀】

2022.08.22

H.M.S. カーリー●雨ノ宮一紀 月刊ホビージャパン2022年9月号(7月25日発売)

ヒンドゥー教 カーリー トップ画

 今月のH.M.S.はCGアーティストであり彫刻家、さらにフィギュア原型師としての顔も持つ、雨ノ宮一紀氏によるヒンドゥー教の神、カーリー。破壊や殺戮をつかさどる神だけあり、その姿は極めて恐ろしいが、同時にかわいらしさも感じさせる不思議な魅力に満ちた作品である。

カーリー 顔アップ
カーリー 横アップ
カーリー 上半身
ヒンドゥー教 カーリー

 カーリーはヒンドゥー教に出てくる、時間、殺戮、破壊の女神です。
 その様相は青黒い肌、額に開いたチャクラ、4本の腕、人の手を腰蓑にし、生首を持っている。さまざまな神様がいる中で、この女神に初めて出会った時の衝撃は、僕の創作意欲を掻き立て虜にしました。殺戮と破壊の象徴であるが女神としての女性らしい一面を持ち、恐怖の存在でありながら愛嬌があると言うのが僕の第一印象でした。
 髪の毛や台座以外は3Dプリントで出力しています。髪の毛などはスケール感から毛糸を選択、独特なクセ毛感を演出しています。台座は型取りしたドクロとドールクレーで形づくり、モデリングペーストで表面の質感を表現しています。もっともこだわったポイントは全体のプロポーション、四本の腕が生えていることで全身のバランスが崩れないように気をつけました。
「真具象道」-「Road of true figurative sculpture」イメージと想いを盛り込んでつくり上げました。楽しんで見ていただけたら嬉しいです。

スクラッチビルド

काली (Kālī)「カーリー」

製作・文/雨ノ宮一紀

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雨ノ宮一紀(アメノミヤ カズキ)

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