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版権カラーから新世代ラッカーまで独創的な製品開発を続ける「ガイアノーツ」に塗料開発の裏側とラッカー塗料の未来についてインタビュー!

2026.08.06

ユーザーが求める塗料を――挑戦者であり続けるガイアノーツ 月刊ホビージャパン2026年9月号(7月24日発売)

ユーザーが求める塗料を—— 挑戦者であり続けるガイアノーツ

 「こんな塗料が欲しかった」を実現するべく、版権カラーから特殊顔料、新世代ラッカーまで、独創的な製品開発を続けるガイアノーツ。市場環境の変化をどう乗り越え、新たな表現へ挑戦しているのか。塗料開発の裏側とラッカー塗料の未来について語っていただいた。(聞き手/HJ編集部)

ガイアノーツ 代表取締
鈴木 憲(Ken SUZUKI)

営業部部長
矢澤乃慶(Noriyoshi YAZAWA)

ガイアノーツ 代表取締役 鈴木 憲さんの画像
ガイアノーツ 営業部部長 矢澤乃慶さんの画像

■原料高騰で見えた「メーカーの責任」

――春先はうすめ液を中心にユーザーから供給懸念の声が上がりましたが、ガイアノーツさんではどのような影響がありましたか。
鈴木 正直に言うと、原料調達への影響そのものはそこまで深刻ではありません。もちろん価格は上がってしまいましたが、「原料がないから作れない」という状況ではなかったんです。むしろ影響が大きかったのは容器やキャップなどの副資材ですね。中身ではなく外側の供給が不安定な時期があったのですが、すでに安定供給に入っています。供給不安の話がSNSを飛び交っていた頃に私も店頭を見に行きましたが、本当に棚が空になっていました。実際には将来への不安から買い溜めされた方が多かった印象です。メーカーとしては、そういう時だからこそ供給を止めてはいけないという思いがありました。

――5月に価格改定を行いましたね。
鈴木 5月1日から価格改定を実施しましたが、実際には4月中旬には原料価格が上がっていました。そのため4月下旬に出荷した製品は、ほぼ赤字だったんです。社内では、出荷を止めるかどうかという話もありました。でも、すでにご注文をいただいている以上、お客様との信頼関係を考えると止めるわけにはいきませんでした。

――もし原価が落ち着けば、販売価格を戻す可能性も……?
鈴木 もちろんあります! 今回の状況は異常でした。本来の価格に戻せるなら戻したい。それができるなら、模型業界では珍しいことかもしれませんが、値下げも選択肢として考えています。

■「作品の色」をそのまま届けるために

――近年はサンライズ作品をはじめ、版権塗料のラインナップが一気に増えました。作品ごとのカラーはどのように決めているのでしょうか。
矢澤 作品ごとに「色指定表」があるんです。この部位は何色、という設定が細かく決められていて、それをもとに色を拾っていきます。古い作品になるとセル画や当時の色見本が残っていることもありますので、それらも参考にしています。過去ラインナップにほぼ同じ色味のものがあって、そっちを使えるケースもありますが、しっかりシリーズごとに必要な色を揃えて発売しています。その作品の「公式」カラーとして迷わず選んでいただけることが大切なんです。キットの説明書に指定色として載せていただく機会も増えていますから、「この色を買えば大丈夫」という安心感を提供したいと思っています。

――最近は本誌作例でも、ガイアカラーをそのまま使うケースがかなり増えています。
矢澤 以前は「この色を○%、こちらを○%」という塗装指定があたりまえでしたが、実際には再現が難しいんですよね。希釈率や塗料の状態でも結果は変わりますし、完全に同じ色にはなりません。メーカーとしては、その色に最短距離でたどり着ける製品を用意したいんです。

■「冒険できるメーカー」でありたい

――ラインナップを見ていると、「こんな色まで製品化するのか」と驚かされることがよくあります。
鈴木 そこは、ある意味ウチらしさなのかもしれませんね。もちろん定番色も大切ですが、GSIクレオスさんやタミヤさんのように業界全体を支えているメーカーさんがあるからこそ、少し尖った製品や特殊な表現に挑戦できます。そういう意味では「冒険できるメーカー」でありたいと思っています。

――特殊顔料を使った製品も多いですね。
鈴木 原料メーカーさんには普段から「何か面白い素材があったら教えてください」と話しています。逆にこちらから「こんなことはできませんか」と相談することもあります。新しい顔料を見つけて製品化することもありますし、以前からある素材でも「模型でこんな使い方はできないか」と考えて商品にすることもあります。そこは常にアンテナを張っています。

――メタリックやパール系の進化も印象的です。
矢澤 以前は粒子感を強く打ち出したものが人気でしたが、最近はより繊細な粒子へと流れが戻ってきています。パール顔料の沈み方や塗膜の見え方まで含めて設計していますので、見た目以上に中身は進化しているんです。

――近年はモデラーやYouTuberとのコラボカラーも増えています。
鈴木 模型誌や動画で紹介されている色を、そのまま製品として届けられるのは面白い試みですよね。発信する側も毎回調色する必要がありませんし、見る側も再現しやすい。双方にメリットがあります。
矢澤 塗料という商品は、買って終わりではありません。実際に模型を塗って楽しんでいただくところまで含めて商品です。そういう意味でも、モデラーさんとのコラボは今後も続けていきたいですね。

――イベント限定カラーも毎回話題になります。
鈴木 イベント限定品は、新しい技術を試す「実験場」という意味合いもあります。一般流通に乗せるにはコストが高すぎる顔料でも、イベント販売なら挑戦できます。直販だからこそ実現できる価格設定がありますし、市場の反応も直接見ることができます。そこで好評だったものが一般商品になることもあるんですよ。ブリオンゴールドやプリズムブルーブラックは、そうした流れのなかから育ってきた製品なんです。

■ラッカー塗料は、まだ進化できる

――これからのラッカー塗料について教えてください。
鈴木 現在、従来より安全性を高めた新しいラッカー塗料を開発しています。性能を落とさず、より扱いやすくすることを目標に進めていますので、順調にいけば年内にはお披露目できると思います。

――海外市場も意識されているのでしょうか。
鈴木 はい。台湾をはじめ、海外では溶剤規制が年々厳しくなっています。現行のラッカー塗料では輸出が難しい地域もありますので、そうした市場にも対応できる製品が必要になっています。もちろん、安全性だけでは意味がありません。ガイアノーツらしく、性能もいままで以上と言えるものを目指しています。模型の表現はまだまだ広げられると思っていますし、「こんなことまでできるのか」と驚いていただける製品を、これからも提案していきたいです。

――ありがとうございました。(2026年6月中旬に取材)


ガイアノーツのプレミアムでオンリーワンな塗料たち

 ガイアカラーのなかでも、貴重な特殊顔料を使用することで唯一無二の輝きを発するユニークな塗料を編集部独自にピックアップ。

プレミアムブリオンゴールド

プリズムブルーブラック

ガイアノーツ プレミアムブリオンゴールドの画像
▲金塊をイメージしたオレンジ系のゴールド。輝度の強い黄金が塗れるということで人気色に
ガイアノーツ プリズムブルーブラックの画像
▲偏光塗料の一種で、見る角度で色が変化。深みのある黒を表現できる

アルカナディアカラー ピンクゴールド

蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-カラー
ルミナスブルー

ガイアノーツ アルカナディアカラー ピンクゴールドの画像
▲ガルプラ『アルカナディア』シリーズの公式メタリック(!)塗料だが、個性的な色味がポイント
ガイアノーツ 蒼き鋼のアルペジオ-アルス・ノヴァ-カラー ルミナスブルーの画像
▲こちらは蓄光塗料で、ブラックライト照射で色が変化。昨年末限定復刻された

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ⓒKOTOBUKIYA ⓒArk Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ

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