IMS 1/100「シュペルター・K.O.G.」の造形美を引き立てるポイントをおさえて製作【ファイブスター物語】
2022.08.07丁寧な補強工作が初期IMSキット屈指の造形美を引き立てる
「ミラージュX」を正式名称とするシュペルターは、剣聖ディモス・ハイアラキ所有のMH「ウォータードラゴン」を、その弟子ダグラス・カイエンが譲り受け改装・改名したものである。ナイト・オブ・ゴールドシリーズのプロトタイプとして製作された古参の騎体ながら、その性能は星団暦2989年当時の3大MHと比較しても全く遜色ない。本キットは2011年発売のIMSシリーズ第5弾。色分けやディテール再現のために徹底されたパーツ分割が特徴で、その数は約500(!)。そのため組み立てにはコツが要る部分もあるが、その妥協を許さない造形クオリティは見事なものとなっている。作例は、組み立て時・完成後に強度が不足しがちな部分を中心に真鍮線の軸打ちで補強しつつ製作。そのポイントも合わせてご覧いただきたい。
IMS 1/100 シュペルター・K.O.G.
●発売元/ボークス●10450円、2011年8月発売●1/100、約29.3cm●プラキット●原型/平井興治(造形村)、モデルキット原型/大石凡(造形村F.S.S.プロジェクトチーム)
最近はGTMの立体化が絶好調のF.S.S.ですが、連載開始から30年たった今もなお、MHのスタイリングは根強い人気を誇ります。普段からガレージキットばかり作ってる自分ですが、このIMSシュペルターはF.S.S.にハマるきっかけとなった思い出深いキットなので、特別な思いを込めて製作させていただきました。
■工作
近年のIMSはかなり改善されて作りやすくなっていますが、シリーズ初期に展開されたシュペルターとなると、さすがに11年前の製品とあって組む際には若干のコツを必要としますね(汗)。キットはパーツ分割が細かいので、仮組みの段階で各所に1mmの真鍮線を軸打ちしたり、接着したりしながら組んでいます。これはいわゆるガレージキットの作り方に近い手順です。このやり方はせっかくのパーツ分割を塗装前に接着してしまうため、塗装時のマスキングの手間は増えてしまうのですが、しっかりと自立できてカッコイイポーズを決めるとなると、回りくどいですが強度重視で真鍮線での補強をオススメします。
■塗装
装甲:白=オーラパールホワイト
装甲:金=Ex-ゴールド→乾燥後にパールゴールド
装甲:銀=Ex-シルバー
関節色=コバルトブルー40%+パープルヴァイオレット30%+Ex-シルバー20%+ニュートラルグレーⅤ 10%
サイドホーン、剣の柄など=関節色に対してパールマーズダークブルーを2:1で追加→乾燥後にMr.XCアメジストパープル
脚部正面=プリズムブルーブラック→乾燥後にMr.XCアメジストパープル
肩マーキング=Ex-ゴールド→乾燥後にクリアーレッド
Mr.XCアメジストパープル以外はすべてガイアカラーを使用しています。
ボークス 1/100スケール プラスチックキット “INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”
シュペルター・K.O.G.
製作・文/marion
ⓒEDIT ,All rights reserved. 創作造形ⓒ造形村/ボークス
marion(マリオン)
キャラクターメカを中心に、プラ板等を用いた精密な工作を得意とする新鋭モデラー。