HOME記事キャラクターモデルIMS 1/100「シュペルター・K.O.G.」の造形美を引き立てるポイントをおさえて製作【ファイブスター物語】

IMS 1/100「シュペルター・K.O.G.」の造形美を引き立てるポイントをおさえて製作【ファイブスター物語】

2022.08.07

IMS 1/100 シュペルター・K.O.G.【ボークス 1/100】 月刊ホビージャパン2022年7月号(5月25日発売)

シュペルターのメイン画像

丁寧な補強工作が初期IMSキット屈指の造形美を引き立てる

 「ミラージュX」を正式名称とするシュペルターは、剣聖ディモス・ハイアラキ所有のMH「ウォータードラゴン」を、その弟子ダグラス・カイエンが譲り受け改装・改名したものである。ナイト・オブ・ゴールドシリーズのプロトタイプとして製作された古参の騎体ながら、その性能は星団暦2989年当時の3大MHと比較しても全く遜色ない。本キットは2011年発売のIMSシリーズ第5弾。色分けやディテール再現のために徹底されたパーツ分割が特徴で、その数は約500(!)。そのため組み立てにはコツが要る部分もあるが、その妥協を許さない造形クオリティは見事なものとなっている。作例は、組み立て時・完成後に強度が不足しがちな部分を中心に真鍮線の軸打ちで補強しつつ製作。そのポイントも合わせてご覧いただきたい。

シュペルターのパッケージ画像

IMS 1/100 シュペルター・K.O.G.

●発売元/ボークス●10450円、2011年8月発売●1/100、約29.3cm●プラキット●原型/平井興治(造形村)、モデルキット原型/大石凡(造形村F.S.S.プロジェクトチーム)


シュペルターの正面全体画像
▲ キットはシュペルター≒ウォータードラゴンとして知られる永野氏のイラストの特徴を忠実に再現しており、地面に突き立てた鞘を左手で支えるイラストの再現用ハンドも付属する。非常に人気の高い騎体であるだけに、バスター砲を装備したミシャル・ハ・ルン搭乗時仕様の発売も待たれる
シュペルターの背面アップ画像
▲ 頭頂部や両肩、鞘側面などには幾何学的なモールドが精密に彫刻されている。スミ入れをするだけでも映えてくれるポイントだ
シュペルターの右からのバストアップ画像
▲ 上半身のボリュームが特徴的なシュペルター。キットでは巨大な頭部や肩アーマーの流麗な曲面が美しく再現されている
エネルギーチューブの画像
▲ 後頭部のエネルギーチューブは、見映え優先のプラ製と可動のための軟質素材製の2種が用意されているのが嬉しい。作例はプラ製チューブを組み込んでいる
シュペルターの左側面全体画像
シュペルターの左上からの全体画像
▲ 腰部周辺の装甲や前腕の形状など、よく見ればK.O.G.の意匠に近い形状があちこちに配置されていることがわかる。兄弟機と作り比べてみるのも一興だろう
スパイドの画像
▲ 鞘は腰に佩いた際の状態と、地面に突き立てた状態の2種類が付属。帯刀時の鞘は実際に剣を収納することができる。キットのスパイド(実剣)は刀身と柄の接続強度に不安があったため、もともとあるジョイントの隣にドリルで穴開け後、0.5mm真鍮線で軸打ちしている

塗装前のシュペルターの全体画像
▲ 塗装前の状態。キットのディテールや形状には手を加えていないことがわかるだろう
前腕フレームの画像
▲ むき出しの前腕フレームもじつに細やかな造形で成型されており、見どころのひとつとなっている。また、手首を保護する装甲の端部は、極小のヒンジで動かすことができる
製作過程のスパイドの画像
▲ スパイドの柄部分と刀身は0.5mm真鍮線で軸打ち。地面に突き立てる鞘にも同じ径の穴を開け、柄部分を差し込めるようにしている
製作過程の左肩の画像
シュペルターの左肩の画像

▲ 左肩の無数に刻まれたキルマークは、付属デカール貼りを失敗したため塗装後にも関わらずぶっつけ本番の一刀彫り! とのこと。凄い胆力だ(笑)。頭部左右のサイドホーンは磁石接続に変更。ここは強度が必要ないため、分解しての輸送時の便を考えると、磁石接続でも必要充分

製作過程の肩アーマーの画像
製作過程の肩フレームの画像

▲ 肩アーマーと肩フレームは外れやすい部分なので1mm真鍮線で軸打ち。胸部の接続もダボの高さが浅く、すっぽ抜ける危険があったのでここも1mm真鍮線で軸打ちをすると安心できる

腰アーマー内側の画像
▲ 腰のフロント、サイド、リアアーマーはすべて接続ダボに真鍮線で軸打ちし、差し込み接続の強度を高めた。また腰アーマー裏のディテールは意外と見えてしまう部分でもあり、モールドも精確に彫られているため、塗り分けてやると非常に映えてくれる
製作過程のかかとの画像
シュペルターのかかとの画像

▲ かかとのアイゼンは挟み込み式なので、アイゼン側の軸を切り飛ばして後ハメ出来るように改造

シュペルターがスパイドをかまえている全体画像
シュペルターの背面全身画像

 最近はGTMの立体化が絶好調のF.S.S.ですが、連載開始から30年たった今もなお、MHのスタイリングは根強い人気を誇ります。普段からガレージキットばかり作ってる自分ですが、このIMSシュペルターはF.S.S.にハマるきっかけとなった思い出深いキットなので、特別な思いを込めて製作させていただきました。

■工作
 近年のIMSはかなり改善されて作りやすくなっていますが、シリーズ初期に展開されたシュペルターとなると、さすがに11年前の製品とあって組む際には若干のコツを必要としますね(汗)。キットはパーツ分割が細かいので、仮組みの段階で各所に1mmの真鍮線を軸打ちしたり、接着したりしながら組んでいます。これはいわゆるガレージキットの作り方に近い手順です。このやり方はせっかくのパーツ分割を塗装前に接着してしまうため、塗装時のマスキングの手間は増えてしまうのですが、しっかりと自立できてカッコイイポーズを決めるとなると、回りくどいですが強度重視で真鍮線での補強をオススメします。

■塗装
装甲:白=オーラパールホワイト
装甲:金=Ex-ゴールド→乾燥後にパールゴールド
装甲:銀=Ex-シルバー
関節色=コバルトブルー40%+パープルヴァイオレット30%+Ex-シルバー20%+ニュートラルグレーⅤ 10%
サイドホーン、剣の柄など=関節色に対してパールマーズダークブルーを2:1で追加→乾燥後にMr.XCアメジストパープル
脚部正面=プリズムブルーブラック→乾燥後にMr.XCアメジストパープル
肩マーキング=Ex-ゴールド→乾燥後にクリアーレッド
 Mr.XCアメジストパープル以外はすべてガイアカラーを使用しています。

シュペルターの正面全体画像

ボークス 1/100スケール プラスチックキット “INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”

シュペルター・K.O.G.

製作・文/marion

ⓒEDIT ,All rights reserved. 創作造形ⓒ造形村/ボークス

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marion(マリオン)

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