HOME記事ガンダム往年の改造テクニックと最新の発光ギミックでメカニック・モデルを楽しむ【当時ものプラモのつくり方 機動戦士ガンダム編】

往年の改造テクニックと最新の発光ギミックでメカニック・モデルを楽しむ【当時ものプラモのつくり方 機動戦士ガンダム編】

2022.05.17

MS-06J 量産型ザク(メカニックモデル)【BANDAI SPIRITS 1/72】 月刊ホビージャパン2022年6月号(4月25日発売)

往年の改造テクニックと最新の発光ギミックでメカニック・モデルを楽しむ【当時ものプラモのつくり方 機動戦士ガンダム編】

ジオン脅威のメカニズム

 今回はメカニック・モデルの作例をお届けしよう。RX-78-2 ガンダムとシャア専用ザクの2種が発売され、ムギ球(別売り)による発光ギミック、内部メカニックが楽しめるカットモデル仕様など、当時のガンプララインナップでは異色の存在といえるキットだった。作例は“キットの素性を最大限に活かす”特集コンセプトはそのままに、内部メカ部のディテールアップに加え、ムギ球をLEDに置き換え、最新の発光ギミックに変更。また、ブレードアンテナをオミットし、カラーリングを変更することで、当時発売されなかった量産型ザクを再現している。昔ながらの可動指と動力パイプのディテールアップ法と合わせて、お楽しみいただきたい。

 異色の半固定・発光ギミック搭載
 内部メカ再現モデル

 主に右半身の内部メカが再現され、外装の一部を外すことでカットモデルのようにザクの内部メカニックが楽しめる半固定ディスプレイモデル。1/72というガンプラでは稀有なスケールに加え、別売りのムギ球3個、単3電池2本を組み込むことで、モノアイやコクピット、脚部を発光させることができる点も当時としては画期的だった。専用台座に紙製の背面プレートが付属し、モノアイ、首、両腕が可動する。

MS-06S シャア専用ザク(メカニック・モデル)

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2750円、1981年11月発売●1/72、約24cm●プラキット

▲武装はザク・マシンガンのほかに、ザク・バズーカとヒート・ホークが付属し、それぞれ持ち替えることができる

▲背面の紙製プレートはネオジム磁石をプレート、台座の両方に仕込み、簡単に取り外しができるようにした。なおプレートの機体名も作例に合わせて量産型ザク仕様に変更している

▲スイッチは発光ギミックの増設に合わせて左右6ヵ所に用意。電池ボックスはキットと同じく台座裏に配置、電池からバッテリーに変更している

▲ムギ球では3ヵ所しか光らせることができなかったが、LEDに変更することで6ヵ所発光にパワーアップ。光色もピンク、緑、青、黄色の多彩な4色を仕込んでいる

▲頭部はダクト左右で3分割し、2mmずつほど幅詰め。パテを盛り削りを繰り返して形状を整えている。ひさし部分も前方に少し伸ばして全体のバランスを整えた

▲指や動力パイプはウェーブのプラパイプを切り出してハンダ線で繋いだもの。中に通すのは各種リード線、ハンダ、針金、グラスチューブ等。それぞれ5mm、6mm、6.5mm等を使い分けている

▲右肩のシールド裏はプラ板でディテールを追加した
▲胴体の肩ブロックをハの字にカット。内部フレームも外装に合わせて肩フレームをいったん切り取って、少し後ろに振って再接着。内部にエポパテを詰め込んで補強している
▲股間ブロックはエポパテでボリュームアップするついでに、装甲のフチに丸穴ディテールを追加した
▲製作途中の全身写真。作例がキットを極力活かして製作されていることがよく分かる

 当時ものキットの中でも異色の存在であるこのキット。現在の目で見ると少々見劣りしますが、少し手を加えると見違えます。最新キットに疲れたときに作ってみるのも良い気分転換になるかも。今回は大幅な大改修はせず、キットの素性を生かす方向でアレンジしています。
 股関節は一度カットしてからプラ棒で再接続。内部や後部にエポパテを詰め込んで補強します。関節・足首の角度や向きを調整し自力で立ってるように見せてやるとすごく格好よく見えます。これは当時ものキットの造形がかなり優秀であることの証明で、関節をフリーにしてポーズをつけただけでかなり化けます。
 ポーズが決まったら、合わせ目の処理や発光ギミックを考えながら、ひたすら表面処理です。改造している箇所、当時ものキットゆえのパーツの合わせ目などを整えていき、スジ彫りのデザインも考えます。スジ彫りは私のオリジナルです。タガネは0.5mmを使用しています。
 ハンドですが、キットは手のサイズがまちまちなので拳の甲のみを使い、パテで手のひらを造形。指はウェーブのプラパイプを切り出してハンダ線で繋いだものです。一応自在に動きますが、気を付けないと金属疲労で指が折れます…。動力パイプもこれに換えています。中に通すのは各種リード線、ハンダ、針金、グラスチューブ等です。武器類は手のサイズに合っていないため、グリップを切り離して大型化しています。
 LEDはチップを5灯使用。モノアイとコクピットは3mm白色です。モノアイは手持ちのピンクの色がパープル寄りでイマイチだったので、白色に蛍光ピンクを塗って色をつけました。内部メカはそれっぽく見えるようジャンクパーツやプラパイプを各所に増量。なるべく動きそうに見え、中身が詰まって見えるよう考えながら足していきます。
 塗装です。手足は日本海軍舷外色22号 605番に白を15%ほど加えたもの。胴は三菱コクピット色126、つま先・ヒザは40番です。内部メカは301番、所々ニュートラルグレーでアクセントをつけています。バズーカはニュートラルグレー、マシンガンは40番と301番のブレンドです。デカールはガンダムデカールとGMデカールの組み合わせ。1/100用ですがなんとか使えているかな?

BANDAI SPIRITS 1/72スケール プラスチックキット MS-06S シャア専用ザク(メカニック・モデル) 使用

MS-06 量産型ザク(メカニック・モデル)

製作・文/澤武慎一郎

©創通・サンライズ

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澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)

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