欧米のモデラーに愛され続ける塗料「モデルマスター」でこだわりの色表現を!【工具&マテリアルガイド】
2022.05.13
「モデルマスター」 模型作りが楽しくなる工具&マテリアルガイド(2月21日発売)
欧米のモデラーに愛され続ける塗料「モデルマスター」
AFVや航空機等の専用カラーを多数ラインナップ。細かな色調も用意されており、スケールキットで色にこだわりたい人には特におすすめの塗料です。
モデルマスター
1930年代後半に接着剤で模型分野に進出したアメリカの老舗メーカー、テスター社が展開する塗料シリーズ。水性アクリル、エナメル、ラッカーと模型用の塗料が総合的にラインナップされており、北米では認知度とシェアがもっとも高いシリーズのひとつです。
▲ 米軍が使用するFSカラー、ドイツ空軍のRLMカラーなど、航空機用の塗料が充実していることで知られていますが、赤や青だけでも細かい色調の違いが多数あり、140色ものラインナップを誇ります。専用の溶剤(1320円、118ml)も発売されていますが、他メーカーの模型用アクリル溶剤でも希釈は可能。それぞれのラベルに記載された(F)はツヤ消し、(G)は光沢、(SG)は半光沢を表しています
水性アクリル塗料
●発売元/テスター、販売元/プラッツ●各429円、14.7ml
▲ 金属色や肌色、カーモデル用の青色などに加え、スミ入れやウォッシング用に濃度が調整された色もラインナップ。塗料の粘度が低いスミ入れ・ウォッシング用のビンの蓋はチャイルドロック付き
エナメル塗料
●発売元/テスター、販売元/プラッツ●各528円、14.7ml
▲ 金属色のラッカー系塗料。エアブラシ専用で、塗装後に布などで磨くことで金属感を再現するバフィングシリーズと、筆塗りにも対応し、磨く必要がないノン・バフィングシリーズをラインナップ。希釈には専用の溶剤(638円、52ml)を使用します
メタライザー
●発売元/テスター、販売元/プラッツ●各528円、14.7ml
▲ クリア(つや消し)、セミグロスクリア(半光沢)、グロスクリア(光沢)の3種。アクリル溶剤で希釈してエアブラシで吹きつけます
Impression
How to use
▲ プラッツの「昭和レトロな世界 -山本高樹- 人生横丁」(2750円)を塗装してみます。成型色が濃いグレーなので、まずは全体に白のサーフェイサーを吹いています
▲ アーチ状の看板のみ、塗料と溶剤を1:1で希釈したシルバーをパーツに直接塗装。一度吹きでしっかりと発色しました。ほかにも、アルミやスチール、ブラス(黄銅)など、使用頻度の高い金属色がラインナップされています
▲ ベース部分はダークグレー、建物はフラットガルグレーをエアブラシで塗装。エアブラシは水で洗浄できますが、カップの塗料が乾きはじめている場合はツールクリーナーを使用しましょう(ダークグレー)(フラットガルグレー)
▲ 続いてベースの縁石を筆で塗り分けし、エナメル塗料の黒(スミ入れ&ウォッシング用)を全体に塗布。乾くのを待ち、エナメル溶剤を染み込ませたキッチンペーパーなどで表面の塗料を軽く拭い落とします (黒(スミ入れ&ウォッシング用))
▲ モールドにはエナメル塗料の黒色が残り、縁石はフィルタリング効果で彩度が落ちたため、リアルな地面の表現となりました
▲ 人物のフィギュアは持ち手を付けて筆塗り。モデルマスターの水性アクリル塗料は非常に伸びがよく、乾燥も早いためサクサクと塗り進められます
▲ 建物の細部も筆で塗っていきます。1回の塗りでは筆ムラが出ますが、3回程度塗り重ねると平滑で発色のよい塗膜が出現!数滴のアクリル溶剤を加え、少し薄いくらいに粘度を調整するのがコツです
▲ 基本塗装はエアブラシで済ませ、細部を筆で塗装した状態。アクリル塗料の上にアクリル塗料を塗り重ねているので、下地が溶け出してくることがなく、気軽に作業を進めることができました
▲ 仕上げとして、スミ入れ&ウォッシング用のエナメル塗料で雨だれの跡を付けていきます。均一にならないよう、屋根から下へ向けて撫でるように塗ります
▲ 瓦は半光沢、壁面はつや消しを使用することで、質感の違いがはっきりと表れました
▲ 「モデルマスター」各塗料と溶剤、筆やエアブラシなどの塗装用具一式だけで6時間で完成しました。乾燥の早さと塗膜の強さは、昨今のトレンドであるスピードモデリングの強い味方になります
まとめ
水性アクリルを軸に、エナメルとラッカーが隙なく脇を固める「モデルマスター」シリーズ。水性アクリル塗料の色数が最大の魅力と思いきや、その発色と伸びのよさに驚かされます。豊富なミリタリー色だけでなく、明るい色も試してほしい塗料です。
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