エンプレスの相棒「ブラックトライク」をフルスクラッチ!【ブラック★★ロックシューター DAWN FALL】
2022.05.07エンプレスが駆る超大型三輪バイクを史上最速でフルスクラッチ
主人公・エンプレスの相棒「ブラックトライク」をフルスクラッチで再現。本作は『DAWN FALL』の資料であるグッドスマイルカンパニー提供の出力品をベースに製作。劇中でのブラックトライクは会話も可能な高性能AIを搭載しているが、実際に立体物になると、人類の守護者エンプレスの専用マシンである凄味を感じさせる。この洗練されたフォルムを仕上げるにあたり、プロモデラー・吉村晃範が手を入れていった点を順を追って解説していく。
3Dデータで見るブラックトライク
■ホビージャパン12年ぶりの降臨
『ブラック★ロックシューター』がリブートされて帰ってきました。月刊ホビージャパンでは2010年8月号以来12年振りの特集ということで、今回エンプレスが駆る3輪バイク「ブラックトライク」を担当させていただきました。特製の3D出力品ということで、完成までの工程をどうぞご覧ください。
■仮組み
最初に拝見した際、驚いたのはパーツの大きさでした。全23パーツ、まずは全体把握のためダボ穴のハメ込み具合を調整しながら組んでみました。全長約40cm、A3カッティングマット上いっぱい、この大きさの物を組むのは久しぶりです。多少調整しましたが、ハメ込み具合、すり合わせなど良好でした。
■表面処理
3D出力パーツの特徴としてプリント時に付属するサポート材を切り離した際にできる跡があります。もうひとつは表面に見える素材の積層跡です。離型剤を使っていないため洗浄不要、成型色が白かったため、いったんプライマーサーフェイサーを吹き付けてキズと積層跡を浮き立たせます。表面状態が見やすくなったらペーパーヤスリやスポンジヤスリ、ナイフなどで処理に入ります。
作業自体はレジンキットの表面処理とほぼ同じ、深い段差やキズには瞬着パテを盛りつけ埋めていきます。劇中の車体はきれいな状態ですので、タイヤ以外のボディで目立つ部分は念入りに磨きました。素材は切削がしやすく、積層跡は最近お気に入りの雲母堂本舗 カッターノミでサクサク削りました。あとリベット部分のモールドはピンバイスにて軽く彫り直しています。表面のキズや積層跡が消えて一通り処理が完了したら埃やゴミを落とし、剥離剤オフにて拭き取り。大型モデルですので、塗膜剥がれ防止のためマルチプライマーを吹き付けました。
■塗装
アニメ公式サイトに掲載されている設定画をベースにしております。一番悩んだのは車体の色。黒のようで真っ黒ではない色味はティザーや本PV、いただいた資料も参考にセミグロスブラックを下地とし、ハイライトにダークアイアンを採用、光と影のコントラストを出しました。造形のなかった金色部分はプラ板を切り出して再現、色味が控えめなシャンパンゴールドを使用しています。
白=ニュートラルグレーII
赤=レッドFS11136
青=ライトブルー
銀=スーパーアイアン
■人工知能搭載、喋るバイク完成
特殊な出力品の製作機会をいただき、バイク好きとしても大変作り応えのある貴重な経験となりました。ブラックトライクの製品化はあるのでしょうか、格好いいです! 製作に際して少しでもイメージを掴めればと先行上映会にて第1話を一足先に拝見しました。どのような結末になるのか、毎週楽しみにしております。
作例を動画でチェック!
ノンスケール スクラッチビルド
ブラックトライク
製作・文/吉村晃範(JUNE ART PLANNING)
Ⓒ B★RS/ブラック★★ロックシューター DAWN FALL製作委員会
吉村晃範(ヨシムラアキノリ)
メカものから女の子プラキットまで仕上げの美しさに定評のあるマルチモデラー。バイク模型やディスプレイなども得意分野。