プロ作例の裏側! プロモデラーがカーモデル「トヨタ MR2(AW11)後期型」製作に使用した工具を全部紹介!!
2022.04.24
作例で使った工具「全部」 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)
薄刃ニッパー(タミヤ) N-21(ホーザン)
▲プラモ作りには欠かせないニッパーはこのふたつを愛用。プラ材のカットにはタミヤ、力が必要な場面や1mmまでの金属線のカットにはホーザンを使用しています
ミニチュアリードペンチ P-34、P-35(ホーザン)
▲プラ板や金属線を曲げる時はこれらを使います。黒いグリップは使いすぎてボロボロになったので革を巻き付けているのと、先端は好みの形に加工しています
A-300GR(エヌティー) デザインナイフ(タミヤ)
▲切る、削るの加工は主にこのふたつ。NTのカッターは重いので持った時の安定感、デザインナイフは机から転がり落ちて太モモに刺さらない安心感で愛用しています。どちらも刃の角度は30度です
ピンセット(デュモン、ホーザン、IDEAL-TEK)
▲指の代わりとなる道具なのでさまざまな形状のものを20本以上持っていますが、特にスイス製は横ズレも少なく精度も高いので長く愛用しています。上の太い2本はパーツの保持に使用していて、下の先端が広いものは主にデカールを掴む時に使っています
自作スジ彫り道具
▲スジ彫りに使う道具はこの3種。上はハンダ付けの道具セットのものだった記憶が…。太く、V字に彫る時に使います。下の2本は使い古しのリューター用超硬ビットから削り出した自作の工具。自分用に作ってあるので使い心地はバッチリです
▲ピンバイスのほうは普通のスジ彫りに使用。木の持ち手のほうは刃を非常に薄くしてあり、極細のスジ彫りに使っています
エッチングノコ
(ハセガワ、コトブキヤ)
▲ハセガワトライツールやM.S.G モデリングサポートグッズを中心に各メーカー、使いやすいものを選んでいます。切るだけではなくスジ彫りの底をキレイに仕上げる時にも便利です
▲作例ではTバールーフ部のカットやルーフのガラスパーツの切り離しなどに使いました
ノギス
▲寸法の計測の他に、プラ板の切り出しの際に平行な線をケガいたりします。そういう用途のため、メーカーは問わず金額の高くない使いやすそうなものを選んでいます
定規とスコヤ
▲外プラ板のカットやマスキングテープのカットなどいろいろな場面で使いますが、溶剤で溶かしてしまわないよう金属製のものを選んでいます。スコヤは机の角に当てて垂直なカットや墨付けをする時に使っています
マスキングテープ 243J Plus(3M)
▲塗装の塗り分け以外にパーツの仮固定などにも使う大事な道具のひとつ。入手のしやすさと経時劣化も少ないということで3M製一択です
クリアーラインテープ(曲線用)(ニチバン)
曲線用マスキングテープ(タミヤ)
▲曲線をキレイに貼れるマスキングテープですが素材の都合で厚みがあるため、スジ彫りのガイドテープとしても使っています。粘着力が低いのでゆっくりと彫り進める必要がありますが便利です
▲ガイドを当てにくいこういう場所に使いました。ニチバンのほうがやや硬いです。場面によってテープの厚みが欲しい時は2枚重ねにしたり、臨機応変に使っています
ドリル 精密ピンバイスD(タミヤ)
▲ドリルはメーカー問わずサイズを大量に揃えています。ピンバイス本体はタミヤ。同じものが5本ありますが交換式のチャックを各寸法専用にしているためです。締め切り直前はチャックを替えていられないので(笑)
▲ピンバイスはパーツの保持にも使います。クリップなどより確実に保持できるので、登場回数は意外に多いです
彫刻刀
▲一番左はパワーグリップ彫刻刀。真ん中は中学生の時に買った割とお高めのもの(笑)。その他は使い終わったルータービットを必要な形に加工した彫刻刀で、ピンバイスに取り付けて使います
▲彫刻刀は押して削るのが本来の使用法ですが、刃を立ててカンナのように削る使い方もしています。写真は窓枠の段差を作っているところ。ただし刃を痛めることになるのであまりお勧め出来ません…
スポンジ研磨剤 スーパーファイン、ウルトラファイン(3M) タミヤ研磨スポンジシート 2000、3000(タミヤ)
▲曲面を削る際は3Mのスポンジヤスリを使います。タミヤのはルーフのガラスパーツの表面仕上げで、撫でる程度に使いました
金属ヤスリ(ホーザン、ハセガワ、ニコルソン)
▲上2本はホーザンの10本セット、真ん中はハセガワトライツールのスタンダードセット、下はニコルソンの単目、目立てヤスリ。目立てヤスリは慣れが必要ですが単目同様、切削面がキレイなので使用頻度が一番高いです
アロンアルフア プロ用 速効多用途、耐衝撃(東亞合成)瞬間接着剤×3S 低粘速硬、黒い瞬間接着剤(高粘度タイプ)(ウェーブ)
▲接着のほか、パテ代わりにも使えるのでいろいろと揃えています。MR2ではネオジム磁石を使いましたが、その時はヤスリで足付けをしつつアロンアルフアの耐衝撃で接着しました。黒瞬着は完全にパテ代わり。先端のノズルはアイコム製を愛用
ハイスーパー5、ハイスーパークリア3(セメダイン) ハイスピードエポ(コニシ)
▲クリアーパーツなど、パーツを溶かさず接着したい場所用として必須の接着剤です。右から5分硬化、3分硬化、1分硬化。この中では左の1分硬化型の出番が多いですね
混合用の道具
▲エポキシ系接着剤やポリパテの混合は、アクリルブロックにクラフトテープを貼った台で混ぜています。混ぜる棒は爪楊枝を使っていましたが、大量に消費するため青いチタン製爪楊枝にしました
▲MR2のルーフパーツの左右にエポパテを盛って整形したところ。プラ材を貼って削ってもいいですが、エポパテを使えば現物合わせで正確な寸法に作ることが出来ます
ブルーミックス
(アグサジャパン)
▲ちょっとした複製に便利なのがこの型取り剤。ウォッシャーノズルやドアノブ、キーホールなど、研ぎ出しの邪魔になるパーツをこれとレジンなどを使って複製しています
プラ板、プラ棒(タミヤ、プラストラクト)
▲Tバールーフの再現など、さまざまな場所に使用。プラ材は主にタミヤのものを使っていますが、窓枠のゴム部分の再現に使った細いプラ棒などは海外メーカー製
ビルドマスター EVO(ボークス)
▲15年以上、自分でメンテナンスしながら使っているボークスから出ていたルーターです。ルーフの開口に使いました
リネンテスター(エッシェンバッハ)
▲細かいところを確認する時に使っている8倍ルーペです。他もいろいろと試したのですが結局これに戻ってしまいます。強いて言えばもう一回り大きなコレを追加しようかなというところです
▲多数の工具を適宜使い分け、必要あらば自作もしてしまう…さすがベテランモデラーといえる工具遣いですね。何種類もあるピンセットや金属ヤスリもその場その場に合ったものをチョイスしているとのことで、長年使用している経験が手に染み付いているからこそできることでしょう
ハセガワ 1/24スケール プラスチックキット
トヨタ MR2(AW11) 後期型
製作/畠中浩(ももふく模形舎)