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ピットロード「日本海軍 駆逐艦 雪風 1945」を作例製作&キットレビュー

2022.04.24

日本海軍 駆逐艦 雪風 1945【ピットロード 1/700】 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)

太平洋戦争から戦後を生き抜いた幸運艦

 アメリカ海軍との艦隊決戦に備え、水雷戦隊の主戦力として整備された陽炎型駆逐艦19隻だったが、太平洋戦争では護衛、輸送、対潜などの任務に忙殺され、ほとんどが真価を発揮せずに戦没。しかし「雪風」のみは、戦艦「大和」の沖縄特攻などの幾多の激戦をくぐりぬけ、戦後も台湾海軍の「丹陽」として1971年まで生き抜いた。2020年に1/700スケールで「陽炎」を完全新金型でリニューアルしたピットロードから、バリエーションとして「雪風」が新たにリリース。「幸運艦」と呼ばれた「雪風」の最終時の姿を、今までよりもハイグレードな仕上がりで製作できる。

日本海軍 駆逐艦 雪風 1945 メイン画像

 日本海軍 駆逐艦 雪風 1945

日本海軍 駆逐艦 雪風 1945 左側画像
▲キットは作例の洋上モデルと、艦底の付いたフルハルモデルの選択が可能。25mm三連装機銃や単装機銃、二二号電探などの改装後の対空装備は新規パーツで再現されている
日本海軍 駆逐艦 雪風 1945 右側画像
▲陽炎型駆逐艦8番艦「雪風」は、対空兵装などを強化した状態で昭和20(1945)年4月の沖縄海上特攻作戦に参加、戦艦「大和」や軽巡「矢矧」など多くの艦艇が戦没する中、「雪風」は駆逐艦3隻とともに生還した
▲今回発売された「雪風」は旧キットのパーツを一切引き継がない完全新金型によるもの。パーツ精度が高く作りやすさが向上し、モールドも舷側の鋼板継ぎ目や舷外電路などが精細に再現されている

▲艦橋の周囲には25mm単装機銃などが増備されている。艦橋前面は装甲板を貼った状態で再現。窓部分はエッチングの窓枠に置き換えた
▲艦尾は12.7cm砲塔1基を撤去し、25mm三連装機銃2基を増設した状態。単装機銃はナノ・ドレッドに、爆雷装填台もエッチングパーツに交換
▲煙突や魚雷発射管などはすばらしいモールド表現。前部煙突に三角、後部煙突に白線2本を入れ沖縄特攻作戦時のマーキングを再現した
▲艦中央部。ボートダビットなどはキットパーツ、7mカッターはナノ・ドレッドを使用。グランプバンドは極細マスキングテープで作成
▲前後のマストはキットパーツで充分だが、作例では0.3mmおよび0.2mmの真鍮線で作り変え。一三号電探もナノ・ドレッドに置き換えた

甲型の幸運艦が待望のリリース
「雪風 1945」は、先に発売されている「陽炎 就役時」(品番W213)のバリエーションキットとなります。傑作キットといえる「陽炎」と同様の水準での甲型駆逐艦(陽炎型・夕雲型)の最後の生き残り、「幸運艦」と称された「雪風」の、沖縄特攻作戦時のキット化を待ち望んでいられたモデラーの方は多かったのではないのでしょうか。
 陽炎 就役時と雪風 1945のキットを比較すると、日本海軍の戦略構想の中で魚雷発射のためのプラットホームとして整備されてきた駆逐艦が、計画当初には想定されていなかった苛烈な対空戦闘・対潜戦闘に対応するため変貌していった姿を感じることができます。

船体
 テストショットのためか、船体は一部舷側部分のモールドがつぶれている部分がありましたが、瞬間接着剤を利用して復元しました。バスタブ式の船体で舷外電路、舷側のモールド、閉鎖された舷窓の表現など申し分ありません。
 今回は洋上モデルとして製作したため使用しませんでしたが、フルハルモデル用の艦底の表現はディテールがすばらしく、ため息が出ました。甲板部分は共用部品のため船尾部分を切断し、1945年時の部品P24を継ぎ足す形となっていますが、リノリウム押さえの表現をつぶしてしまわないよう注意深く処理することが必要です。開口表現の舷窓はピンバイスでさらい、錨はファインモールドのナノ・ドレッドのものに変えています。

艦橋、煙突、上部構造物など
 艦橋は大戦末期に駆逐艦「磯風」の写真で確認されている装甲板の表示もあり、よい雰囲気です。艦橋の窓部分はエッチングの窓枠に置き換えています。艦橋に装備されていた逆探はナノ・ドレッドのものを正面、左右に配置しています。マストはキットのもので充分細かく仕上げられており申し分ありませんが、さらなる細密化を図るためマストの上部分は0.3mmおよび0.2mmの真鍮線で作り変え、一三号電探もナノ・ドレッドのものに置き換えています。
 ところで本キットのパーツは非常に繊細にモールドされているため、破損、紛失などには充分な注意が必要です。私の場合、不注意から何点か部品を紛失し、手元にストックしていた「陽炎」就役時が部品提供艦になってしまいました。また各部品の取り付けがタイトな部分は、穴をピンバイスで広げてから調整して処理しています。
 煙突は頂部の開口、エッチングパーツの使用なども考えたのですが、キットの美しいラインを崩しかねないので断念。探照灯はナノ・ドレッドのクリアーパーツに置き換え、方位測定儀、空中線網などもエッチングに置き換えます。
 後部マストも前部マストと同様に真鍮線で作り変え、エッチングの船尾信号灯を付加。ボートダビットなどはキットのパーツを使用しますが、7mカッターはナノ・ドレッドに、キットの内火艇はボートダビットに対し少し窮屈な感じだったのでピットロードの装備品セットから調達。また極細のマスキングテープを白色で塗装し、グランプバンドとしています。

武装について
 主砲、魚雷発射管はモールドなどの表現も素晴らしく、キットのままとしています。機銃類もキットのもので充分だと思いますが、好みでナノ・ドレッドのものに置き換え。爆雷装填台もエッチングパーツとしています。

塗装
 船体などは、Mr.カラーC601呉海軍工廠標準色、艦底部はC29艦底色、甲板のリノリウム部分はC606リノリウム色としています。沖縄特攻作戦での「雪風」は第2水雷戦隊2番隊3番艦と判断しているので、後部煙突に白線2本とし、前部煙突に付属のデカールにて三角形の記号表示を表現しています。

ピットロード 1/700スケール プラスチックキット

日本海軍 駆逐艦 雪風 1945

製作・文/田中伸治

日本海軍 駆逐艦 雪風 1945
●発売元/ピットロード●3190円、発売中●1/700、約17.0cm●プラキット

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田中伸治(タナカシンジ)

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