プロ作例の裏側! プロモデラーが『EGストライクガンダム』製作に使用した工具を全部紹介!!
2022.04.03
作例で使った工具「全部」 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)
さて、一体プロモデラーの作例にはどれくらい工具が使われているのでしょうか…モデラーさんにその「全部」を見せていただきました。今回はJUNIIIによるEGストライクガンダム(EGストライクガンダム ライトパッケージVer.を隙なくきっちり仕上げる! 月刊ホビージャパン2022年2月号掲載)から。多岐にわたる工具を使っていることが窺えますが、説明を見ればやはりひとつひとつ使う理由あってのことだということがわかりますね。なお、この作例はかなりキッチリと作り込んだ作例なので、使用した工具数は多いほうです。なのでもちろんこれくらいの工具は全部揃えるべし! ということではありません! 参考としてご活用ください。
(解説/JUNIII)
薄刃ニッパー(ゲートカット用)(タミヤ)
▲EGはタッチゲート式ですが、ニッパーを使っています。頭部アンテナの安全用フラッグを切り取るのにも使用。パーツをえぐってしまわないよう、フラッグを少し残して残りはヤスリで整形しています
モデラーズナイフ(タミヤ)
▲プラ板の切り出しや、カンナがけしてパーツのパーティングライン消しにも使用
ピンセット
▲小さく切り出したプラ板をつまんでパーツに合わせたりするのに使用。プラにキズが付かないよう、丸みがあるものを使っています
フィニッシングペーパー
P320番、P600番、P800番、
P1000番(タミヤ)
▲320番は主にエポパテの整形、600番はヒケ処理や320番のキズ消しなど、800番は表面処理やエッジの整形など、1000番は600番のキズ消しや表面処理の仕上げなどで使用しています
金属精密加工用ヤスリ 平、半丸、角
(バローべ)#0、#2、#4、#6
▲#2、#4はアンテナやアーマーシュナイダーの刃の整形で使用。半丸タイプは#6の面が平らなほうのエッジ部分を使い、スジ彫りでめくれ上がった箇所の整形などに使用しています
スポンジ研磨剤 極々細目
(#800~#1000相当)
1枚入り(3M)
▲曲面の整形や仕上げに使用。使い始めは800番で使っていくと段々1000番くらいへと目が変わるのですが、それはそれで仕上げ用として使っています
BMCタガネ(スジボリ堂)
▲幅が狭いタガネは主にパネルライン等の彫り直しに使用。幅が広いタガネは溝を彫る他に段差の底面を整えるのにも使っています。ここでは背中のバーニアノズルの底を幅が広いタガネを使い分けて整形しました
HGマイクロチゼル
(ウェーブ)
▲主にスミ入れ作業をしやすくするために、予めパネルライン等をスジ彫りするのに使用
NTカッター DS-800P
(エヌティー)
▲文房具店で購入した美術用ナイフと付属の針を使用。主に小径のドリルの位置決めや瞬間接着剤の点付け、タガネではスジ彫りしにくい小さな丸などの曲線を彫るのにも使用しています
タミヤセメント
(流し込みタイプ)速乾(タミヤ)
▲プラ板で製作したパーツを固定する際に使用しています。瞬間接着剤だと境目などに接着剤がはみ出したまま硬化することがあるのですが、流し込みタイプなら境目もキレイに見せることができます。多少の跡は乾いた後に1000番の紙ヤスリで仕上げます
HGマルチハンドル ミニ
(ウェーブ)
▲0.3~3.2mmまでの径の違うタイプのドリルの軸やリューター用のビットなどの軸にも対応しているので使い勝手が良いです
ドリルビット 5本組 A、B 8本組 C、D(ゴッドハンド)
▲プラ板で自作した肩アーマー内側のパーツに穴を開口してディテールアップに使用。0.1mmの間隔で調整ができるのでプラ丸棒や真鍮線を通すときにわざと径を大きくして接着剤を流し込みやすくしたり、逆に小さくして可動部を渋めにしたりしています
ルーター用ビット 釣鐘状のリーマー
▲直径6mmのルーター用のビット。首やハンドパーツの接続部などの目隠しパーツの開口に使っています。プラ板の厚みや形状によってはドリルで開口するとプラ板が破損するので、少しずつ削って開口するリーマーを選択しました
HGマイクロリベットパンチ(23本セット)(ウェーブ)
▲押し付けるだけで簡単にリベット状の丸モールドができるので、エポパテで埋めた面にディテールを追加する際に使用しています。ストライクガンダムの製作ではスカート裏側の面などで使用
プラバン各種 0.3mm厚、
0.5mm厚、1mm厚(タミヤ)
▲首やハンドパーツの目隠し、腰可動部の隙間を目立たなくするための工作に使用しています。加工しやすい厚さを使っています
モデリング ソー セット(模型用ノコギリ)(ハセガワ)
▲主にパーツの切断に使用。ストライクガンダムの製作では左右でつながっている腰フロントスカートの中央部をエッチングソーを使って分割させ左右独立可動ができるように加工しています
Mr.造形用エポキシパテ エポパPRO-H(高密度タイプ)
(GSIクレオス)
▲ヒザ関節、アンクルアーマー内側、靴の裏側などの肉抜きの開口部を埋めるのに使用。主に見えたり触れることが多そうな箇所の造形に使用しています。エポパテは硬化後の収縮が少なくパテ自体の臭気も気にならないので使用頻度が高いマテリアルです
HGステンレスT定規(ウェーブ)
▲1辺に対して直角にプラ板を切り出すことができるので、プラ板工作には重宝しています
ウェーブ・エポキシパテ[軽量グレータイプ](ウェーブ)
▲上腕肩パーツや足首フレームの肉抜きを埋めるのに使用。高密度タイプとは逆で、あまり手で触れない箇所やパーツ自体の重さを軽く済ませたい時に使用することが多いマテリアルです
Mr.瞬間接着パテ(SSP)(GSIクレオス)
▲首パーツや背中のバーニアノズル下部などの小さな開口部埋めに使用。エポパテでもできることですが、硬化時間が速いので先行して作業を進めたい時などに使っています
彫刻刀(平丸刃6mm幅)
▲パテ系やプラ材を切削するのに使用。開口部に充填して余分に飛び出したエポパテの切除に使うことが多いです
職人堅気 こじあけツール コジラ
(シモムラアレック)
▲スネブロックのグレーのパーツに白い外装パーツを組んだら意外と外しづらかったので、こじ開けて各パーツをばらしました
精密ノギス(タミヤ)
▲外径、内径、深さを測れる道具ですが、外径を測るところをプラ板などの角に当てながらケガいてラインを引くのにも使用しています。ノギスは金属製なので、柔らかいプラ製ならある程度ケガくことができるのです
▲ブラシ・歯ブラシ(削りカスなどを落とす)、目玉クリップ(接着したパーツなどを直置きしないために)、カッターナイフ(エポパテや紙ヤスリの切り分けなど)、爪楊枝(少量のパテなどを盛り付ける)、ガムテープ(パテ系の一時的な置き場や瞬間接着パテなどのパレット替わりに)、直定規(プラ板の切り出し)、製図用シャープペン(スジ彫りなどの下書きに)、カッティングマット
ホビーグラス 1.6倍 デミブラウン
(ホビージャパン)
▲細かな作業をする際には拡大鏡が活躍している今日このごろ(老いですなぁ)。跳ね上げ式なのでメガネを外さずかけたまま別の作業ができます
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “エントリーグレード”
ストライクガンダム(ライトパッケージVer.)
製作/JUNIII
ⓒ創通・サンライズ
関連書籍
週末でつくる ガンプラ凄技テクニック ~ガンプラ簡単フィニッシュのススメ~ ミキシング編
ご購入はこちら