消防救難機「ベリエフ Be-200ES」をフライングモデルで製作
2022.03.21緊急事態に出動するロシア救難水陸両用機
第二次大戦前の1930年代からの水上機メーカーであるロシアのベリエフが開発したBe-200は、森林火災の消火を行うことを目的に開発された水陸両用の消防救難機である。外観は旅客機のテイストを持ちつつ、高翼式の主翼とT字形尾翼の飛行艇様式を採り入れ、さらに胴体後部にジェットエンジン2基を搭載しているのが大きな特徴。2003年から量産を開始、今回ズベズダが1/144スケールでモデル化したBe-200ESは、現在ロシア非常事態省で運用されているタイプである。現代においてもユニークな魅力を放つ機体を、スタンドに立てたフライングモデルとして製作!
■「ベリエフ」と聞くと
やはりロシア(旧ソビエト連邦)において飛行艇を長く手掛けてきた航空機メーカーというイメージが強いですね。今回のBe-200は1990年代末ごろに開発された「現代」の飛行艇です。コンパクトな機体ではありますが、背中?にジェットエンジンを積み、豪快に離水する姿は迫力があります。
火災などの消火に水を撒く「ウォーターボマー」、また水難救助など、人々を救う大事な役目を負っています。
■キットについて
キットはズベズダから1/144スケールにて発売されています。マーキングは今回の作例、ロシア非常事態省のカラーリングと、ロシア海軍仕様のカラーリングのいずれかを選択できます。地上姿勢と飛行(水上)姿勢での選択式で、今回は飛行姿勢とし、キット付属のスタンドを使うことにしました。
■製作
パーツはそれぞれの合いもよく、強度も保たれ、よく考えられたアイデアが盛り込まれていると思います。擦り合わせも最低限ほどで済んでしまいます。翼の厚みも薄く抑えられており、シャープさが際立ちます。
今回もコクピットにはパイロットフィギュアを乗せてみました。意外に大きな窓のコクピットにフィギュアが見えると、少しリアルな飛行姿勢の作品になるかと思います。
機首部分のセンサーは金属線や金属板の加工品。ワイパーは鉄道模型のパーツ流用です。詳細がよくわからなかったので細かいセンサーやアンテナ類は割愛しました。
■塗装と仕上げ
ロシア非常事態省カラーリングであれば白がベースです。最近は隠蔽力の高い白が各社から発売されていて、塗装も楽になりました。
機体の船底?はロシアンブルーのような鮮やかな青のようでしたので、イメージ重視で調色した青を塗装。機体側面の帯から下はグレーのようですので、デカールの帯を型紙にして、マスキングテープを切り出して塗り分けています。
帯はキット付属のデカールを使いました。デカールも現代のズベズダの標準グレードで貼りやすく印刷もシャープ。クリアーコートにも充分耐えます。クリアーはガイアノーツのものを数回に分けて吹き付けてコーティングとしました。
スタンドはキット付属のものを使い、機体保持部分を金属線で追加、機体底部分のベント?に差し込む形にしています。せっかくなので、できるなら(私は苦手(T-T)(笑))水面のディオラマなどを作るのもよいかもしれませんね!
■おわりに
飛行艇はなかなか乗れる機会も少ないですが、救難機として、また火災などの災害対応機材として人々を救う役目を負い、活躍している機体が世界でさまざまに活躍しています。今回の作例も、そんな人々を助ける夢と希望の翼を再現できていたら幸甚です。
ズベズダ 1/144スケール プラスチックキット
ベリエフ Be-200ES “アルタイル”多目的水陸両用機
製作・文/飛楽
ベリエフ Be-200ES “アルタイル” 多目的水陸両用機
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス●3300円、発売中●1/144、約23.0cm●プラキット
飛楽(ヒラク)
1971年生まれの齢五十オッサン。笑顔を探して今日もウロチョロしています。