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【Ma.K. in SF3D】
40周年開幕記念! 人気メカ・ファルケをクローズUP!!

2022.02.08

Ma.K. in SF3D 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)

Ma.K.ロゴ

 ホビージャパン1982年5月号で連載スタートした『SF3D』は2022年に記念すべき40周年を迎える。今回は40th Year開幕を記念して、『SF3D』~『Ma.K.』屈指の人気メカ・ファルケをクローズUP!!
 ファルケフリークのMAX渡辺は19、20作目となる2機を激作。20機目となる機体はこれまでにない紅のカラーでチェッカーフラッグやエンブレムなどF1グランプリを想起させる意欲作に仕上がった。原作者・横山宏は新規設定となる内部構造を緻密に再現した製作中のモデルを発表する。
 2010年3月号から連載スタートした「Ma.K. in SF3D」は今回より13年目に突入! 見ごたえたっぷりの内容でお届けしよう。

紅のファルケ飛翔 特写

傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ 製作/MAX渡辺

レッドバロン・ファルケ
▲オレンジ寄りの赤で塗られたMAX渡辺の20機目となるファルケ。一見アクの強い赤の機体色とチェッカーフラッグの識別帯が絶妙に調和する
レッドバロン・ファルケ 正面
▲流麗なフォルムのコクピット周り。9のデカールはレインボウエッグの「Ma.K.コードレターデカール(黄)」から
レッドバロン・ファルケ 全体
▲迷彩ではない単色塗装だが、下地の効果や筆塗りのタッチによって味わい深い仕上がりに
レッドバロン・ファルケ 底面
▲底面の反重力装置と緊急用エンジンのグレーのトーンの違いにも注目
レッドバロン・ファルケ チェッカーフラッグ
▲チェッカーフラッグはプリンターで出力したデカールを貼ってからリタッチしている
レッドバロン・ファルケ パネルラインやリベットのモールド
▲キットのパネルラインやリベットのモールドが全体を引き締めるアクセントに
ダイブブレーキ兼スタビライザー
▲ダイブブレーキ兼スタビライザーにはビニールコードを追加した
レッドバロン・ファルケ 横
▲「MAXさんの赤いファルケは横から見ると赤富士に見えて縁起がいいなあ」(横山宏)
レッドバロン・ファルケ 作り起こしたエンブレムのデカール
▲レッドバロン・ファルケのイメージに合うよう作り起こしたエンブレムのデカール
レッドバロン・ファルケ 上面からのショット
▲デカール貼り付け位置のわかる上面からのショット
タンク状パーツ
▲タンク状パーツはエクサイマーレーザー装備のキット付属のものに換装
緊急用エンジン
▲緊急用エンジンにもレインボウ塗りの下地を活かしたウエザリング効果が
レッドバロン・ファルケ 旋回するようなイメージで撮影
▲反重力戦闘機であるファルケがフワッと旋回するようなイメージで撮影
MAX渡辺通算19機目のファルケ
▲MAX渡辺通算19機目のファルケ。“ボマーキャット”キットの塗装カードに収録されたグリーン×ブラウン系の渋い迷彩塗装で仕上げた
MAX渡辺通算19機目のファルケ 2
▲第500特殊戦闘爆撃航空団第1中隊機は白地のボマーキャットとなる
標準武装はバルカン砲
▲標準武装はバルカン砲だが、実験的にエクサイマーレーザーを搭載した機体もあった

■2022年「Ma.K. in SF3D」開幕戦!!
『Ma.K.』、そして全ての模型好きのフレンドへ♪ A Happy New Year ♪♪ あけましておめでとうございます!! 新年快乐。祝你新年快乐。Frohes neues Jahr. Felice anno nuovo.
 2022年は『Ma.K.』40周年♥ Ma.K. in SF3D連載は13年目に突入♥ 新たな商品ラインナップがスタートしますのでご期待ください♪♪

■MAX渡辺20機目のファルケは赤!!
 これまで「Ma.K. in SF3D」12年間の連載で、ファルケ登場回は4度ありました(※グリフォン回を含む)。機数は18機!! 今回の作例は19、そして区切りの20機目です。
 まずは肩慣らしにカラースキームカードに掲載されているボマーキャットの茶緑迷彩を♪♪ 地味めですが仕上がるとなかなか通好みの渋いカラー♪♪ 左翼のバルジは出っぱってるほうをチョイスしちゃいましたが無問題♪♪
 さぁいよいよ節目の20機目!! ネタ的に重複するのもナニだし、放っておくとすぐ「冬だしぃ、白楽しいしぃ」と冬季迷彩塗り出す模型芸人なので調べてみました自作のカラーリング。と、赤い機体が無いではありませんか!! はい、即決即断です。赤ケッテー!! 赤となったら、いの一番にやるべきはそう! シャア・アズナブル専用MS!! ではなくてぇwww 『Ma.K.』的にはレッドバロンでしょう!! WWIの撃墜王リヒトフォーヘン男爵、そしてスーパーロボットレッドバロンですよね諸君!!
 となったらオレンジ味に振った彩度まあまあ、明度高めの赤をソッコーで調色♥ 当初下面色をミディアムグレーツートーンで試し塗りしていたのですがコレはいかん!! 無難に過ぎる!! と判断、全面真っ赤に♪ さぁ、ココからがショータ〜イム♥ 白いラインは間違いなく合うけれどインパクトに欠けるなぁと。そこで模型の神様降臨。「チェッカーフラッグ」でしょうと。超面倒臭いけどこれ以上映えそうなアイデアは出て来ない。いやむしろコレがやりたい!! となってしまう模型芸人のサガ爆裂。そしてこうなるとレッドバロンからF1グランプリ→フェラーリのイメージもオーバーラップしてきました。エース機、レッドバロン→男爵→名門→フェラーリなかなか良い塩梅で繋がってきましたね♪ もうひとネタ足りない……そう、名門、名家なら紋章、エンブレムだろうと!! ストックのデカールに一通り目を通すもなかなかコレ!! というのが目に入りません。そこでMAX創設メンバー楡木クンにお願いを。ネット検索でチェッカーのあしらわれたエンブレムを発見!! しかしROUTE66の文字。コレだとアメリカンテイストでレッドバロン、フェラーリといったヨーロピアンイメージと沿わないんですね。そこでデータをスキャンしイラレで描き起こし、センターには他のサイトで見つけたワシ、そして交わる剣を配置してもらいました。文字の意味は一匹狼、というものらしいです。どうです♪♪ なかなかの出来映えではありませんか♪♪ ぜひいずれかのファルケ製品化のアカツキに制式採用をお願いいたしますKATOOOさん♪♪ そうそう、まさにこの機体の仕上げ最中、黄色いナンバーレターの良いのが無くて途方に暮れていたんです。そうしたらレインボウエッグ様から荷物が♥ なんと申し合わせたかのようにドンピシャで欲しい大きさの、しかも最高品質のデカールが届いたのです♥ KATOOOさん、アナタが神さま!? いや時節から見てもサンタクロース様ですね♪ アァそう思ったらもうサンタさんにしか見えない!! ありがとうございました♪(MAX渡辺)

レッドバロン・ファルケ

ハセガワ 1/20スケール プラスチックキット

傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、楡木一之、堤啓介

反重力装甲戦闘機 Pkf.85 ファルケ“ボマーキャット”
●発売元/ハセガワ●7480円、発売中●1/20、約28cm●プラキット●部隊マーク“ボマーキャット”のワッペン付属


傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ 内部構造再現モデル 製作/横山宏

ファルケ 内部構造再現モデル
▲左側の発電ユニットの装甲をパネルラインに沿ってPカッターや薄刃ノコなどで切り離し内部構造をスクラッチした
ファルケ 内部構造再現モデル 前方
▲前方から見ると、思いのほか内部構造が見える面積が大きいことがわかる
発電ユニットの右側
▲発電ユニットの右側は、別パーツの装甲板を外したところから見える部分のみ内部をそれらしく再現
ピンポン球をプラ板で作ったプレート状のフレームで固定
▲下方をカットしたピンポン球をプラ板で作ったプレート状のフレームで固定。ハセガワ製1/8クレルジェエンジンなどの流用パーツを使って空間をみごとに構成している
左側前方のレドームカウルの内側も製作
▲左側前方のレドームカウルの内側も製作。テンプレートで下描きして電動ドリルと超音波カッターで穴を開けた
円柱状の重力波レーダーなど2種類のユニット
▲レドームのカウルを外すと円柱状の重力波レーダーなど2種類のユニットが。「お約束のロッグマックの丸パーツね」(横山)
ビニールコードは鉛板を細く切って留め
▲ビニールコードは鉛板を細く切って留めている。市販のリベットパーツも使用
フレームはプラ板をピンポン球のカーブに合わせてカット
▲フレームはプラ板をピンポン球のカーブに合わせてカット。黄色いパーツは海外メーカーの車のエンジンとのこと
ファルケ 内部構造再現モデル シュトラール軍 AI技官のヘッドを麻里梨夏に
▲「ブリックワークス製1/20シュトラール軍 AI技官をマックスファクトリー製1/20麻里梨夏ちゃんのヘッドにチェンジね」
女性整備士が反重力装置の内部を見ている
▲女性整備士が反重力装置の内部を見ている状況を演出した
切り離した装甲板を置く
▲切り離した装甲板を置くと姿勢が安定
ランナーや流用パーツで新たなフレームやディテールをどんどん追加
▲編集部での撮影後、ランナーや流用パーツで新たなフレームやディテールをどんどん追加中
連載メンバー3人
▲40周年開幕! 連載メンバー3人が2022年最初の記念撮影

 2022年最初の連載は40周年開幕を自ら祝福しようと思ってファルケの内部構造をフルスクラッチしましたよ。40年前にファルケを作った時は外装パネルを外した時に見える部分だけしか作ってなかったけど、今回は反重力装置の構造もあれこれ考えて作ってみた。みんなが部品解析しやすいようにまだ未塗装です。しかし銀の成型色がカッチョいいので40年前のファルケの記事と同じ水色のバック紙で撮影してもらいました。
『SF3D』時代から反重力装置といえばピンポン球ですね。当時はセルロイド製のピンポン球でこれを切るのは超大変だったんだよね。今では超音波カッターっていう日輪刀にも負けない鬼便利な工具があるからメチャメチャ楽ちんなんですよ。ピンポン球の真ん中より少し小さめのところを超音波カッターで切って、内部に反重力装置が入ってるのを再現します。ピンポン球をマウントするフレームはプラ板をピンポン球に合わせたカーブ(テンプレートで合った直径)に沿って超音波カッターで切り出します。40年前になかったツールと技術を使って進めていくと怪我もしないし秒速工作。こりゃ無敵だわ。
 あとはアメ車のエンジンやお約束のクレルジェエンジンのパーツを流用してビニールコードでパイピングしたら鉛の板を細く切って配管留めします。自分で言うのもなんだけど、こういう配管をSFっぽく仕上げるのはメチャ上手いぞ(笑)。SFのビジュアルをそれらしく仕上げる作業が超楽しいんです。
 ブリックワークスの平田君原型のお姉さんを座らせてメカ部を見てるようにしました。せっかくなのでネイキッドエンジェルの顔に差し替えてます。ファルケの装甲板に足を置くとちょうどいいね。
 なぜかモデラーは内部構造を再現すると萌える。内部を簡単に再現できるものがキット化されるといいですね。でも割と簡単にそれらしくできるのでみんなもテキトーに内部を作ってみるといいでしょう。

ファルケ 内部構造再現モデル

ハセガワ 1/20スケール プラスチックキット ファルケ改造

傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ 内部構造再現モデル

製作・文/横山宏

反重力装甲戦闘機 Pkf.85 ファルケ“ボマーキャット”
●発売元/ハセガワ●7480円、発売中●1/20、約28cm●プラキット●部隊マーク“ボマーキャット”のワッペン付属ー


[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.106

傭兵軍 反重力装甲戦闘機 ファルケ

文/KATOOO(レインボウエッグ)

 ファルケは反重力装置と間接視認システムを搭載した装甲戦闘機です。初出はHJ1983年3月号。反重力戦闘機というSF的な設定や一度見たら忘れられない特異なフォルムで屈指の人気を誇るメカです。
 オリジナルモデルはレベル1/32 P-38ライトニングや日東1/24トヨタスポーツ800、ヤクルト容器などを流用して作られました。なぜこのカタチになったのか横山先生に聞いてみたところ、「ファルケをスクラッチしたのは1983年で、前年の1982年に観た映画『ブレードランナー』に出てきたスピナーに影響を受けてます。自分なりのスピナーを作ろうとしてファルケができたんですね。ピンポン球の丸い反重力装置が3つ付いてるのはアダムスキー型円盤から。当時買った『ブレードランナー』の設定書にスピナーは反重力エンジンで飛ぶと書いてあったんで、ファルケも反重力で飛ばすことにしたんです」と教えてくれました。
 ファルケの双胴の発電ユニットになった1/32ライトニングは横山先生が中学生当時難しくて作れなかったものを大学生になって北九州の実家から持ってきたそうです。『SF3D』のファルケの回では銀色に塗られた作りかけのライトニングを流用した製作途中のファルケが掲載されました。今回の内部構造再現モデルは成型色が銀のハセガワ製ファルケのキットを使用しバック紙も同じような水色を指定して撮影されたので当時の記憶が甦りますね。
 オリジナルモデルの内部構造は別パーツの装甲板(ハセガワ製1/20ファルケのキットだとC7のパーツ)を外した部分のみ再現されていて、タミヤ1/20 F1シリーズのフォードエンジンのミッションパーツなどが使われています。今回の横山先生による内部構造モデルは完全新規設定のもので、メッサーシュミットBf109のエンジンマウントを参考にしたとのこと。当時も頻繁に使われたピンポン球やクレルジェエンジン、ロッグマックのパーツを流用した精度の高い工作が施されています。日東製プラキットに付属する塗装カードにはA.F.S.やS.A.F.S.などの内部構造イラストが掲載されていて実に魅力的ですが、ファルケの内部構造はこれまで“未知の世界”でした。未塗装状態の立体物での発表はパーツ捜索者にとっては非常にありがたく、新年早々ドキドキ・ワクワクしてしまうのでした。

横山先生オリジナルモデル ファルケ
▲横山先生がご自宅で撮影されたオリジナルモデル

Ma.K.ロゴ

ケーニヒスクレーテ 2年ぶりに再販

 レインボウエッグからケーニヒスクレーテ2種(冬季仕様、月面用)が約2年ぶりに再販!! 2021年12月生産分が完売となり、追加生産分が2月末に発売される予定だ。塗装カード、デカールが付属するほか、プラパイプやスプリングも同梱される。詳細は(http://blog.rainbow-egg.net/)まで。

月面用ケーニヒスクレーテ
▲月面用はパンツァーシュレックが2基増え、合計10基に
後部にドロップタンクとバーニアノズルを装備
▲月面用は後部にドロップタンクとバーニアノズルを装備
ケーニヒスクレーテ[冬季仕様]

ケーニヒスクレーテ[冬季仕様]、月面用ケーニヒスクレーテ

●発売元/レインボウエッグ●41800円(冬季)、47300円(月面)、2月下旬予定●1/20、約24cm●レジンキット

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© Kow Yokoyama 2022

MAX渡辺、横山宏、KATOOO(レインボウエッグ)

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