新規タチコマキットとスクラッチフィギュアのディオラマ上での邂逅 タチコマ[2045Ver.]【むーすけ】
2022.01.04タチコマ[2045Ver.]【ウェーブ 1/24】 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)
2021年12月に発売のタチコマ[2045Ver.]の作例が早速到着した。本キットは『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』のTV放送後、2006年以来となるウェーブのタチコマ。同スケールながら配信中の最新アニメに合わせて全体的にスマートで小さめになり、ディテールもより細かく作られている。今回は『攻殻機動隊』の作例を多く手掛けたモデラーのむーすけが、キットレビューを兼ねてディオラマを製作。主役のタチコマはもちろんのこと、バトーをはじめ警備犬などフィギュアもスクラッチして配置している。タチコマ本体とスクラッチの完成度の高さに注目しつつ、ついにキット化となったタチコマの仕様も合わせてご覧いただこう。
■新型タチコマ
スクラッチでは何体も作っていますが、ついにプラモデルに! というわけで今回の作例を担当しました。簡単なベースなんかも含めてキットレビューです。
■組み立て
ざっとキット組んだ感じ、胴体はパズル的な作りで組みごたえがあります。組み立て説明書では3つの目玉を先に組んでから外装を付けるので、合わせ目を消そうとすると難易度が上がります。目の周りにも外装の合わせ目が出るので、ここはパネルラインと考えて無理に消さず、パーツごとに塗装して最後に組み合わせるのも良いと思います。
アンテナが付くトップのパーツは合わせ目もそのままで接着せずに外せるようにしておきました。こうしておくと目の位置調整が楽なのです。また、目とフチとの隙間がタイトなので塗装の際には厚くならないように注意が必要です。作例では目のフチと目にペーパーを掛けて調整しました。
■いじるところがないのです
良く出来たキットで特にいじる箇所もないので、レビューとしては簡素になってしまいますが、両腕の銃口とポッドのワイヤー発射口を開口し、頭部の右側にあるライトを削り取ってクリアーパーツに置き換えました。改造できる人ならポッドのハッチ開閉とか、胴体のパーツ分割を利用してタチコマの中身なんかも作り込めそうです。お前がやれ? ごもっとも(笑)。
■犬
何かベースをということで『SAC_2045』内でいろいろと思い浮かべたのですが、もうこれしかないかなと警備犬ロボを作ることに。メタセコイアで製作し、Zbrush上でポーズつけたものを出力します。撃たれて宙を舞う警備犬ロボはお腹部分を削り、銅線を火花に見立てて、煙は綿で製作しました。よく考えると警備犬ロボはヒトへは脅威ですが、タチコマからすると痛くも痒くもないのかなと。仕方ないので数で勝負(笑)。それだけでは寂しかったので、タチコマの横にバトーさんを製作しました。
場面的には四方から警備犬ロボに囲まれていて、最初に飛び掛かった犬ロボをタチコマが倒して「やるじゃねぇか」なんて言われているシーンを想定しています。
■続編
首を長ーくして待ってます。また新しいメカとか出るのかなとワクワク。その時はまたお会いしましょう〜。
ウェーブ 1/24 スケール プラスチックキット
タチコマ[2045Ver.]
製作・文/むーすけ
タチコマ[2045 Ver.]
●発売元/ウェーブ●4620円、発売中●1/24、約11cm●プラキット
©士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊2045製作委員会
むーすけ
3Dプリンターやパテを用いたスクラッチを得意とするモデラー。『攻殻機動隊』をメインに活躍する。