【キットレビュー】ドイツ 中戦車 パンター A 初期型【金山大輔】
2021.11.09ドイツ中戦車 Sd.Kfz.171 パンターA 初期型【モンモデル 1/35】 月刊ホビージャパン2021年12月号(10月25日発売)
野獣の真価を発揮した初期型パンター
第二次大戦のドイツ軍が主力戦車の期待をかけて1943年1月から生産を開始したパンター戦車。最初の量産型D型は故障の多さで苦杯をなめたが、1943年8月より砲塔を新型とし車体にも数々の改良を加えたA型が登場、ついに真価を発揮し始めることになる。人気の高いドイツ戦車だけに数多くのプラキットが発売されているパンターだが、D型、A後期型を発売済みのモンモデルから新たにA初期型もラインナップされた。砲塔や車体の装甲板が別パーツとなった独特の構成を生かした組み立てと、冬期の泥濘をイメージした小ディオラマとして製作!
■はじめに
モンモデル「パンターA初期型」をヴィネットで製作しました。キットは4種類の塗装を選べますが、作例はボックスアートをイメージし1943年冬の東部戦線、3色迷彩の上から冬季迷彩を施したパンターを選択。A初期型にしかないディテールも魅力です。
■組み立て
4種類の仕様が選択可能なため、細かいパーツ分割で部品点数が多いキットですが、ストレスなく組み立てが行えます。
車体下部や上面、砲塔などが分割になっていますが、これを利用しバラバラの状態でポリパテでツィンメリット・コーティングを施しました。実車両も手作業なので不均一なほうがリアリティーがあると思います。コーティングの際に詰まった穴や、はみ出した部分はピンバイスやカッターで削り整形。その後、仮組みを行ってゆがみがないようしっかりと接着していきました。
追加工作は牽引ケーブルを水糸に交換、アルパイン社フィギュアなどです。
■塗装
ガイアカラー ブラックで全体を塗装し、ダークイエロー・ダークグリーン・レッドブラウンを使用し塗装を行います。
チッピングはAKインタラクティブのウェザリングペンシルを使用し描き込んでいきます。同社のエナメル系塗料でスミ入れ・オイル汚れを塗装し、一度ツヤ消しでコート。タミヤアクリルで冬季迷彩をエアブラシで吹き付け、剥げ落ちた様子を再現するためコシの強い筆にアクリル溶剤を含ませて軽く落とします。OVMなども塗装しておきます。
最後に、色調変化を持たせるためMr.ウェザリングカラー フィルタ・リキッド(黄・紫)で軽くフィルタリングを行いました。
■ウェザリング
AKインタラクティブのピグメントでドライな汚れを付着させ、雪・泥系のウエットな汚れはMr.ウェザリングペーストやタミヤ情景ペーストで表現しました。またグリーンスタッフワールドのパンチングで打ちぬいた枯葉などをところどころに付けています。
■ヴィネットの製作
スタイロフォームをベースとし、地面はヒケの少ないタミヤエポパテを使用。車両接地面は少し削り、地面の沈みで重量感を表現します。乾燥後はタミヤ情景ペースト、Mr.ウェザリングペーストを使用し地面を再現。枯草・倒木などをところどころに植え込み、履帯に合わせた溝に車両を多目的ボンドで接着。同工程の作業で足周りの地面を再現します。雪溶け表現はモデリング・ウォーターを使用し、半乾き時にエナメル塗料を染み込ませます。
■最後に
ドイツ戦車の中でも人気のある車両です。4種類を好みに合わせて作ってコレクションするのも楽しみです。
モンモデル 1/35スケール プラスチックキット
ドイツ 中戦車 Sd.Kfz.171 パンター A 初期型
製作・文/金山大輔
ドイツ 中戦車 Sd.Kfz.171 パンター A 初期型
●発売元/モンモデル、販売元/GSIクレオス●7150円、発売中●1/35、約25.3cm●プラキット
金山大輔(カナヤマダイスケ)
パンターはバック姿もカッコイイのですが、今回は正面〜横が映えるヴィネットにしてみました。