HOME記事キャラクターモデルMa.K. in SF3D 「“怪物”装甲スーツに新たなバージョン誕生!」

Ma.K. in SF3D
「“怪物”装甲スーツに新たなバージョン誕生!」

2021.09.06

Ma.K. in SF3D 月刊ホビージャパン2021年10月号(8月25日発売)

シリーズロゴ
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 MK44の約3倍の大きさで“怪物”を想起させる『ロボットバトルV』の重装甲戦闘スーツMK52。サイトウヒール氏のLOVE LOVE GARDENからはMK52G、MK52bのレジンキットが発売され、2021年5月に発売された最新作MK52C“コカトリス”はヒール氏独自のアレンジが施されたバリエーション機となった。
 今回はそのC型“コカトリス”をフィーチャー。MAX渡辺はフィギュアを絡めたヴィネットを製作、横山宏氏はC型に改造を加えた新型クルセイダーを完成させた。MK52に並々ならぬ思い入れを持つヒール氏の作例もあわせて紹介。三者三様のアプローチを堪能してほしい。

Ma.K.034 MK52C“コカトリス”

Ma.K.034 MK52C“コカトリス”

●発売元/LOVE LOVE GARDEN●28600円、発売中●1/35、全高約16cm●レジンキット


重装甲戦闘スーツ

MK52C“コカトリス”

重装甲戦闘スーツ
MK52C“コカトリス”
▲MK44の約3倍の大きさで異形感を増したMK52Cと女性兵士のビネット。両者を対比することでドラマを感じさせてくれる
重装甲戦闘スーツ
MK52C“コカトリス”
リア
LOVE LOVE GARDEN製1/35シュトラール軍女性兵士“ジュリア”
▲LOVE LOVE GARDEN製1/35シュトラール軍女性兵士“ジュリア”を絡ませた
戦闘の凄まじさを表現
▲爆撃でできたと思われる大きな穴に瓦礫を配したことで戦闘の凄まじさを表現
ダウンサイジングされたフィギュア
▲かつてサイトウヒール氏が1/20で造形したフィギュアを3Dスキャンスタジオ“iris”の協力のもとダウンサイジング。単体売りのほか3体セットも販売された
特徴的なレドームやプロペラントタンク
▲レドーム、プロペラントタンクなど円柱状の突起物が目を惹く構造になっている
ノーズ部分
▲ノーズ部はb型と共通だが、本体両側面のバルジはC型特有のものだ
武装に繋がる赤いチューブ
▲グラマラスなバルジと直線的な武装(アモポッド)に赤いチューブが映える

■材木座ラフウォーターそして榛名湖オリンピックディスタンス無事終了!!
 ゴリゴリスポーツシーズンたけなわの模型芸人MAX渡辺です!! 榛名湖は「HOW TO BUILD MAX WATANABE」に認めましたのでぜひご一読ください♪♪ オリンピック無事閉幕しましたね。いろいろあっていろいろ言いたいヒトもワンサカいるだろうけれど、まずは選手、関係者の皆様お疲れ様でした♪

■ロボットバトル物なのだ!!
 今回のこのモチーフ、出自、来歴、スペックなどなど芸人は何も知らないまま取り掛かりましたよ。1/35スケール!? ってことは従来の『Ma.K.』世界のキャラクターメカたちよりかなり大きいんですよね。コクピットサイズ、絡むフィギュアからしてもいつもの絵作りとはチョット意識を変えて臨みます。格闘戦はしない二足歩行メカ、腕に相当する部位には巨大なミサイルポッド。『Ma.K.』世界のグラージ(ゼントラーディ〜♪♪)ですかね。

■きたるべきアフターコロナに向けて
 模型展示会が再開される日に向けて、展示作品を想定し、こさえてみましたミニヴィネット♪ 出来るだけコンパクトにミニマルに、を心がけ、鑑賞するヒトがアレコレと想像してくれたら良いなぁという思いで。舗装された地面、大きく穿った穴は爆撃の跡か? コクピットを降りたパイロットが見つめる先には……そんなコトを考えながらレイアウトしました。『ロボットバトルV』の世界は『Ma.K.』よりも一層メカとヒトの繋がりが濃ゆい感じにすると良いなぁと思います。この機体のAIもかなり賢くて、パイロットとかなり綿密な意思疎通をしてる感じとか。機体前面の小さなスリットにクリアーパーツをデコレートしたのも、ココがピロピロ動いて常にスキャンしてたり考えてる風に見えたら良いなぁなんて思いで。カラーリングは都市迷彩然とさせずに3色をランダムに配し、全体を締めるために白黒のストライプを。ハイ、WWⅡのイギリス空軍ですとも。フィギュアのオネェさまのパンツにオレンジを塗れたボクはなかなかの成長っぷりでしょうw
 とにかくサイトウヒールさんの愛の賜物が堪能出来て楽しゅうございました♪
 メッチャカッコイイ特撮カットを撮っていただいたし、もう感無量です♪

重装甲戦闘スーツ
MK52C“コカトリス”

LOVE LOVE GARDEN 1/35スケール レジンキット

重装甲戦闘スーツ
MK52C“コカトリス”

製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、仁平哲也、堤啓介


重装甲戦闘スーツ

MK52C-2“クルセイダー”

重装甲戦闘スーツ 
MK52C-2“クルセイダー”
重装甲戦闘スーツ 
MK52C-2“クルセイダー”
リア
▲MK52Cの改造機クルセイダーの背面。赤い識別帯が全体を引き締める
ノーズアップ
▲レインボウエッグ製1/35ランスロットのデカールを使用。ノーズには怪物感が
脚部
▲踏み込んだ角度の脚を飛行態勢に変更。脚カバーも一部付け方を変えている
蚤の字
▲「蚤」は横山氏が35年前ランスロットにインレタで貼った文字だが、今回のクルセイダーのフォルムを想起させる
腕部
▲リブを追加した1/600ロッグ・マックの腕がMK52Cを改造したクルセイダーの昆虫的なフォルムに調和する
LOVE LOVE GARDEN製1/35 MK44女性パイロット
▲LOVE LOVE GARDEN製1/35 MK44女性パイロット。スケール的に頬にかかる髪は除去した
1/35『ロボットバトルV』フィギュア
▲『ロボットバトルV』のフィギュアも1/35にダウンサイジングされた
スモークディスチャージャー
▲「プラの粒子が細かくなったタミヤのプラ棒でスモークディスチャージャーを作りました」
大型砲
▲大型砲という設定でライターの穴そのままだった箇所にレーザー発射口のディテールを追加
重装甲戦闘スーツ 
MK52C-2“クルセイダー”

 ヒール君がMK52bのレジンキットをアレンジして未デザインのC型を作ったので、それをさらに改造してみました。ヒール君のC型の脚はmpc製『スター・ウォーズ』AT-STを加工したものだけど、わしはここ数十年元キットのAT-STからどれだけ違う印象になるかをテーマにしているのでそこを中心に改造してみた。メカデザインって既存のモチーフや参考にするものがあってできるものだけど、何に影響を受けたのかを公言して、そのイメージをどんどん変換していくとパクリとは言われなくなるものだ。
 mpcのAT-STは一歩踏み出した脚の角度にたいへん特徴があるので、ニュートラルな角度に変えて飛行状態の脚にします。そうやってAT-STのイメージを払拭します。ロッグ・マックの腕を加工して付けたけど、このキットの腕を使う人はまずいないからね(笑)。ノーズにはオオタキ1/48疾風の尾翼を切り離してウェーブのオプションパーツを接着したものを取り付けました。ヒール君がヒーヒー言って喜んでくれるような対象者限定の工作だけど、そういうほうがおもしろいものが作れるんですよ。
 本体はイギリス空軍のグレー系2色迷彩で塗っていつものようにエアブラシで境界をぼかします。レインボウエッグのランスロットに入ってる蚤のデカールを貼ったら逆にこの改造機がノミに似てると気づいた! この部隊が蚤の文字を貼り、のちにランスロットにも貼られるようになった設定を今思いついたぞ!!
 ノミの英語でフリーという名前にしようと思ったけど、ノーズに追加したパーツが正面から十字っぽく見えるので十字軍を意味する「クルセイダー」と名付けました。MK52のバリエーションも増えたし、いずれはすべてプラモデルにしてほしいね。MK52をよく知らない人のために今度『ロボットバトル』や『ブレッヒマン』のB.D.をまとめておかないとね。人生は短いぞーっ。

重装甲戦闘スーツ 
MK52C-2“クルセイダー”

LOVE LOVE GARDEN 1/35スケール レジンキット MK52C“コカトリス”改造

重装甲戦闘スーツ
MK52C-2“クルセイダー”

製作・文/横山宏


重装甲戦闘スーツ

MK52C“コカトリス”

重装甲戦闘スーツ 
MK52C“コカトリス”
▲mpc製AT-STの脚を芯にして雄鶏のような脚に換装したMK52C型“コカトリス”
ノーズアップ
▲ディテールのないノーズ部は恰好のキャンバスとなる
側面フォルム
▲ブラウン系の塗装とあいまっていっそう怪物感が増す側面のフォルム
背面装備
▲背面のラック状パーツやドロップタンクもC型の装備
脚部付け根機関部
▲脚部換装によって変更された付け根機関部も見どころのひとつ

 3体目のMK52シリーズ、MK52C“コカトリス”で「Ma.K. in SF3D」久々の登場となりました。
 MK52シリーズには西洋の怪物のコードネームを僕が付けて横山センセに許諾してもらったのですが、この連載でG型“ガーゴイル”を掲載していただいた時(2016年4月号)、今回のものとは異なるC型“コカトリス”の改造作例も作りました。その時はb型やG型と同じ脚だったのですが、コカトリスは雄鶏と蛇を合わせた怪物なので、b型“バシリスク”の原型を2020年作っている時に雄鶏のような脚のC型を作りたくて同時進行してたんです。MK52bのアレンジ機にランスロットタイプの脚を付けたら、まさしくコカトリスになるかなと。
 当初はランスロットと同じ脚にする予定でしたが、レインボウエッグのKATOOOさんと意見交換をして、つま先や装甲など僕なりのアレンジを施しランスロットそのままではない脚にしました。脚以外もB型と異なる部分が結構あるので、購入していただいた方は違いを楽しんでいただけたらと思います☆
 横山センセ、MAXさん、ものすごくカッチョいい作例を作ってくださって、まさに眼福でした。本当にありがとうございました!!

重装甲戦闘スーツ 
MK52C“コカトリス”

LOVE LOVE GARDEN 1/35スケール レジンキット

重装甲戦闘スーツ
MK52C“コカトリス”

製作・文/サイトウヒール


MK52バリエーション4種のレジンキットを受注生産

MK52C“コカトリス”(左)とMK52C-2“クルセイダー”(右)
▲MK52C“コカトリス”(左)とMK52C-2“クルセイダー”(右)
MK52b“バシリスク”(サイトウヒール氏作例)
▲MK52b“バシリスク”(サイトウヒール氏作例)
MK52G“ガーゴイル”(サイトウヒール氏作例)
▲MK52G“ガーゴイル”(サイトウヒール氏作例)

 MK52C-2“クルセイダー”がLOVE LOVE GARDENから受注生産形式でレジンキット化されることが決定!
 今回の掲載を機に、MK52b“バシリスク”、MK52C“コカトリス”、MK52G“ガーゴイル”も新たに受注生産を行うことになった。MK52C-2“クルセイダー”の発売時期や価格などの詳細はLOVE LOVE GARDEN STORE(https://lovelovegarden.stores.jp/)をチェックしていただきたい。


[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.101

重装甲戦闘スーツ MK52バリエーション

文/KATOOO(レインボウエッグ)

 今回はMK52C型の特集ですが、MK52のバリエーションはその出自が複雑なのでMK52全般について解説していきます。MK52はマシーネン・クリーガー52型の略で、MK44など『ブレッヒマン』や『ロボットバトルV』に登場する装甲スーツの最新機種です。人型から離れた異形のフォルムで大きさはMK44の約3倍、強力な武装と頑強な装甲を兼ね備え飛行も可能というケタ外れに強力な“怪物”兵器なのです。
「月刊モデルグラフィックス」1985年11月号でMK52bが発表され、「月刊コミックノイズィ」1989年3月号(大日本絵画刊)で発展改修型のMK52Gが登場します。2016年にはサイトウヒールさんのLOVE LOVE GARDENからオリジナルと同じ1/35のG型のレジンキットが発売され、HJ2016年4月号の「Ma.K. in SF3D」MK52特集に横山先生の改造作例であるMK52Wが掲載。同号でヒールさんが作ったC型の改造作例はプロペラントタンクや脚部装甲が追加されているものの、外見上はほぼb型で今回のC型とは異なる機体でした。なお、MK52のコードネームはヒールさんが西洋の怪物からb型=バシリスク、C型=コカトリス、G型=ガーゴイルと付け、W型は横山先生がワイバーンと命名しています。
 オリジナルモデルのb型はG型に改造されたため現存しておらず、横山先生もG型のレジンキット化時に「ヒール君、G型作ってくれたんだからb型も作ってよ。そうすれば巡り巡ってb型が返ってくることになるじゃない」とリクエストしています。それから5年の歳月を経て2021年にLOVE LOVE GARDENがb型“バシリスク”をレジンキット化。ヒールさんによると、G型との共通部分も脊戸さんに協力してもらい精度が上がっているそうです。そのb型の原型製作時にコカトリス(雄鶏とヘビの合成怪物)になぞらえてAT-STの細い鳥脚を芯にして、ヒールさん独自のアレンジで新たにまとめたものが今回のC型“コカトリス”なのです。b型発売から約3ヵ月後にレジンキット化されました。
 今回ではMAXさんのドラマチックなビネットや横山先生のG型に繋がるフォルムの新作例C-2が発表される“ウルトラC”が起こりました。MK52バリエーションの充実は、横山先生の言葉を借りると「ヒール君の熱い愛があってこそ」だと思います。今回の特集にコーフンするとともに、近いうちにb型特集も見てみたいと欲をかいてしまうのでした。


海洋堂1/35シュトゥルムケーファー
ボーナスヘッド付き限定成型色先行販売

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「ドーヤネン」1/35スケール シュトゥルムケーファー ロイヤルシーグレーVer.

 2021年9月20日(月)に千葉・幕張メッセで開催予定の「ワンダーフェスティバル2021[秋]」で、海洋堂から1/35シュトゥルムケーファーが先行販売される。後日、海洋堂オンラインストア、ホビーロビー東京、海洋堂ホビーランドで少数販売も予定している。

「ドーヤネン」1/35スケール シュトゥルムケーファー ロイヤルシーグレーVer.
正面
▲先行販売版の成型色はロイヤルシーグレー
3Dプリンター出力品のヘッド1
3Dプリンター出力品のヘッド2

▲3Dプリンター出力品のヘッド2種が特典に

付属デカール
▲国内専門業者による高精細デカールが付属する

「ドーヤネン」1/35スケール シュトゥルムケーファー ロイヤルシーグレーVer.

●発売元/海洋堂●6500円、9月20日予定●1/35、全長約13cm●プラキット


核誠治造製1/16グスタフの塗装済み完成品モデル

グスタフ

 各関節可動、LED発光ギミックや本体ハッチオープン機構を備えた1/16グスタフの塗装済み完成品が発売。関節シーリングには布素材を使用しマニピュレーター型の左腕も付属する仕様だ。

本体内部構造
▲本体内部機構も再現
付属頭部1
付属頭部2

▲頭部は2種付属する

グスタフ

●発売元/核誠治造、販売元/ウェーブ●16280円、10月下旬予定●1/16、約14cm

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© Kow Yokoyama 2021

MAX渡辺、横山宏、KATOOO、サイトウヒール

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