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【ROAD to RALLY JAPAN】introduction 2 
三菱 ランサーターボ

2021.05.17

ROAD to RALLY JAPAN 月刊ホビージャパン2021年6月号(4月24日発売)

ロゴ

「ROAD to RALLY JAPAN」は、今秋開催予定で10年振りの復活となる『Rally Japan 2021』応援連載企画。ラリーディオラマを連載進行中の小池徹弥が、それと絡めて開催時期まで毎月連載にしてしまおうとスタート。とはいえ、さすがに毎月一人で作り続けるのは無理なので、私小池が本誌カーモデラーに適材適所依頼。ラリーやラリードライバーの多彩さを模型を通して紹介していきたいと思います。
 また、加藤雅彦による「Commentary on the RALLY」ではラリーのことをわかりやすく解説していくので合わせてご覧ください。(小池徹弥)

LANCER TURBO flies in Finland

 連載2回目の「ROADtoRALLY JAPAN」。アイテムはハセガワ、プラッツ/nunuによる久しぶりの2社競合。ならば双方使用し、また実験的なディオラマ形態にチャレンジ。2台とも使用し連続写真的な効果を狙ってみました。同一アイテムで2社使用のディオラマは珍しいのでは。
 最近ラリーカーの市場が活発化して来てるようで喜ばしい現状ですが、次回からはいよいよラリーの奥深い世界、ダイバーシティーの展開が始まります。

▲▼ディオラマ全景。幅47cm×高さ16cm×奥行22cmほど。2台がレースを争っているのではなく、別メーカー同車種2台のキットを使って、段差を飛んで着地する様をコマ送りで表現したもの
▲段差から飛び出した瞬間を再現した後方のモデルは。単純に空中に浮かせるだけでなく後輪の位置を下げてサスペンションが伸び切った状態にして、躍動感を演出。土煙も後輪側にだけ設けている
▲着地後の前方のモデルは後輪側に大きな歪みを作って沈み込みと後輪駆動からくる駆動力を表現。土煙のエフェクトは前後輪側に設けた

▲前方はプラッツ/nunu製。横に広く角ばった無骨なスタイル。デカールは少し色濃い

▲後方はハセガワ製。幅が狭くて小顔でシャープな印象。オレンジのデカールが若干薄いこともあって、後方に置き遠近感を狙った

▲左がプラッツ/nunu、右がハセガワ。同車種なのに印象の異なる顔つき。同時に作るとメーカーごとの仕上げの方向性や重要視している要素が浮き彫りになるので興味深い

 連載2回目は三菱ランサーターボです。コチラも前回のMGメトロともども最新のラリーカーキットになります。

■NAME of ランサー
 それまでは弟と父のカブの前後に乗せられて遊びに出かけていた幼少期。小学生になりそれができなくなり(できてたことが時代だがw)、我が家にもいよいよモーターリゼーションの波が。その時、父が選んだメーカー(営業さん?)が、三菱でした(その後40年以上続く)。最初のマイカー体験は三菱「ミニカ」。この車は今でも好きなデザインです。ちょっと東欧っぽくて。そして次に乗り換えた車が「ランサー」だったんですよね。そして、この時「ラリー」の存在も知りました。
 もちろんファミリーカーなので4ドアですが(当時…イヤ、今でも珍しいメタリックブラウンw)、ライトウェイトで取り回しの楽な車でした(秋名で2回程側構に落としましたが、決して“側構走り”ではないw)。と、いうのも、高3の夏に免許を取得した私は、春まで乗り回していました。最初の車ってわけですね。
 ラリーで名を馳せた初代ランサー。その意志と栄光を受け継ぎ、ラリーの三菱を復活するために選ばれた車種が今回のアイテム「ランサーターボ」なんですね。

■時代の波に
 時は、「WRC」にも変革の波が。「4WD」という名のビッグウェイブ。そしてスペシャルマシン。まさにマシンの時代「グループB」へと以降して行く間。すでにターボ付きとはいえ2WD車には厳しいこの時代に埋もれていたランサーターボ。それがまさかのニューキット、その上2社競合! 作るでしょう。
 昨今のラリーカーキットブーム(?)の波には乗ることができたようです!w この地味〜なデザイン、カラーリングの車がキット化されるとは…幸せ。

■みんな大好きランサーターボ(私見)
 で、いつものようにディオラマのシチュエーションを考える。フィンランドラリー。フィンランドラリーと言えばジャンプシーン。絵としては単純なので、いろいろ作戦(妄想)は考えていたが、今回は2台ある。ならば2台使っちゃおう。で、今回の連続写真的なディオラマです。
 今回もまた、実験的なディオラマに挑戦してみました。まず、2台を比べる。同じアイテムながらメーカーによる解釈は微妙に違う。それを活かして製作開始。当然、縦に2台並べるわけだから前後の車種選定。ハセガワの方が細身でデカールのオレンジが薄い。そのことを踏まえて後方のジャンプ中の車に、空気遠近法と遠近法を取り入れてみました。この距離でw。その状況を解り易く伝えるために今まで避けてきた初めての構図に。
 プラント模型、建築模型、展示模型などなど、さまざまな情景模型を作ってきましたが、ディオラマに対しては行わなかった構図、それは正面に正対したレイアウト。先に挙げた情景模型は、基本的に情報を伝えることが基本目的。しかし、ディオラマは絵、シチュエーションを伝えるもの、「立体絵画」のようなものと認識しているので、ついつい少し捻って、ディオラマの外側への繋がりを切り取ったものと考えて製作しています。今回の様な正対したディオラマは少し気持ち悪いですねw
 さて、次回からはいよいよラリーの多様性ダイバーシティーへと誘います。“あの”ライターが久々の登場です。お楽しみに!

ハセガワ 1/24スケール プラスチックキット
三菱 ランサーEX 2000 ターボ “1982年1000湖ラリー”&
プラッツ/nunu 1/24スケール プラスチックキット
三菱 ランサー ターボ 1982 1000湖ラリー 使用

LANCER TURBO flies in Finland

ディオラマ製作・文/小池徹弥

三菱 ランサーEX 2000 ターボ “1982年1000湖ラリー”
●発売元/ハセガワ●3740円、発売中●1/24、約17.9cm●プラキット

三菱 ランサー ターボ 1982 1000湖ラリー
●発売元/プラッツ/nunu●4620円、発売中●1/24、約17.8cm●プラキット


ロゴ

Commentary on the RALLY Vol. 002

文/加藤雅彦

「“WRC”とは何か」

 “WRC”こと「世界ラリー選手権」がスタートしたのは1973年。先月号で書いたラリーの始まりからするとだいぶ最近のことのように感じられます。とはいえもうすぐ半世紀を迎えようとしているわけで、その歴史を詳細に辿っていくと誌面がいくらあっても足りません。なので、今回は簡単な歴史に触れつつ、WRCってこんな感じなんだということをお伝えできれば幸いです。
 1973年当時、どんなクルマが選手権を争っていたかというと、フォード・エスコートMk.1、フィアット・アバルト124、ランチア・フルビア、そしてタイトルを獲得することになるルノー・アルピーヌA110などが挙げられます。ちなみに当初WRCはメイクス、つまりマニュファクチャラー(自動車メーカー直営チーム)のみに選手権がかけられていました。ドライバー選手権が始まったのは1979年で、ビョルン・ワルデガルドが初代チャンピオンに輝いています。
 WRCスタート当初から日本車も活躍していました。中でも1973年のサファリ・ラリーで優勝した日産フェアレディZは、プラモデルやミニカーにもなっているのでご存知の方も多いでしょう。この年トヨタ・カローラも1勝しているんですが、アメリカで行われた「プレス・オン・リガードレス」というヨーロッパのワークス勢が参加しなかったラリーのためかあまり注目されていないんですよね。でもしっかり歴史に刻まれている1勝です。

▲WRC創設の年、1973年仕様のラリーカーのキットは案外少ない。サファリラリールックとして発売されたこのフジミのフェアレディZも今では入手困難だ

 そうそう、開催国についても触れておきましょう。1973年はモナコ、スウェーデン、ポルトガル、サファリ・ラリーのケニアとタンザニア、モロッコ、ギリシャ、ポーランド、フィンランド、オーストリア、イタリア、アメリカ、イギリス、フランスで開催されました。現在も開催されている国も多いですが、そのラインナップはレギュレーションや情勢で変化します。モンテカルロですら開催地のローテーション制でWRCから外れた時期があるくらいですから。
 世界各地で開催されるWRCですが、路面に関しては大きく2つに分けられます。舗装路で行われる「ターマック・ラリー」と未舗装路で行われる「グラベル・ラリー」です。
 現在のターマック・ラリーでは18インチのタイヤを装着し車高も低くセッティングされ、サーキットを走るレーシングカーと見紛うスタイルでステージを駆け抜けます。今でこそタイヤには溝がありますが、1994年までは完全なスリックタイヤも使われていました。

▲ターマック・ラリーでは車高はギリギリまで下げられる。写真は2002年アルペン・ラリーで新井敏弘選手が駆ったインプレッサWRC。今年開催予定のラリー・ジャパンでも車高が下げられたラリーカーたちが集結するはずだ

 一方のグラベル・ラリーでは15インチのタイヤとストローク量の大きいサスペンションセッティングで荒れた路面を走破します。しかし、一概にグラベルと言っても路面の状態はさまざまですし、出走順でも状況が変わる難しさがあります。またダイナミックなジャンプが見られたりするのもグラベル・ラリーの魅力のひとつでしょう。

▲路面を掻き土埃を上げながら疾走するマシンの迫力を感じられるのがグラベル・ラリーの魅力。2010年までのラリー・ジャパンはグラベル・ラリーとして開催された

 どのラリーも見る側からすれば見どころ満載なわけですが、WRCでチャンピオンになるにはクルマにもドライバーにも、そしてチームにも総合力が求められるのは間違いありません。
 話を参加車両に戻します。WRC創設から1982年までの主役はFIA(国際自動車連盟)が制定した「グループ4」というカテゴリーのクルマたちでした。過去12ヵ月に500台以上(のちに400台以上に変更)製造された車両をベースとした特殊グランドツーリングカーという規定で、前述したクルマ以外ではランチア・ストラトス、フィアット・アバルト131などが活躍しました。
 1983年からはFIAが定めた新規定に基づき「グループB」カーが主役となります。正確に言うと、移行期間だった1982年にはランチア037が登場してモンスターマシンと呼ばれることになるクルマたちの戦いが始まりました。ベース車両の年間生産台数は200台以上に引き下げられ、さらにその競技車両仕様は20台以上製造すれば公認されました。ランチア・デルタS4やプジョー206ターボ16などが活躍しましたが、残念ながら悲劇的な事故が相次ぎ1986年でWRCから姿を消すことになります。
 グループBカーから主役の座を引き継いだのが「グループA」カーです。ベース車両の年間生産台数は5000台(のちに2500台)以上となり、改造範囲も狭くなりました。ボディ形状の変更も認められませんでしたので見た目も原則市販車と同一で、1987年当時はだいぶ迫力を削がれた気がしたものです。しかしマシンの開発が進み、わずか3年ほどでグループBカーを凌ぐ速さを見せるようになりました。トヨタ・セリカ、スバル・インプレッサ、三菱ランサー・エボリューションといった日本車勢が大活躍したのもこの時代です。2リットルターボエンジンと4WDシステムを合わせ持つ市販車をベースとしないと勝てない時代でもありました。
 セリカの良きライバルだったランチア・デルタ・インテグラーレやフォード・エスコート・コスワースという存在もありましたが、より多くのメーカーの参加を望んだFIAは1997年から「ワールドラリーカー規定」をスタートさせます。ベース車両がFFしか市販されてなくても4WD化できたり、サスペンション形式やボディ形状の変更も認められるようになりました。その結果プジョーやシトロエンなど多くのメーカーがWRCに参加することになったのです。
 2011年にはエンジンの排気量が2リットルから1.6リットルに変更されるなど車両規定に大きな変更がありました。2017年のワールドラリーカーとしては2度目の大きな規定変更を経て現在に至りますが、2022年からはハイブリッドシステムが導入されることが決定しています。
 現在はトヨタ、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォードで争われているWRCですが、新規定導入により新たなメーカーの参戦も噂されます。WRCに興味を持つには今がちょうどいいタイミングかもしれませんね。

▲現時点で一番最近のワールドラリーカーの1/24スケールインジェクションキットがベルキットのフォード・フィエスタRS WRC 2017だ。そろそろヤリスWRCの登場を期待したいのだが

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小池徹弥(コイケテツヤ)

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