HOME記事スケールモデル【最高峰のエアモデル】造形村SWS「フォッケウルフ Fw 190 A-3」をキットレビュー!パッケージの「ホワイト12」を目指して公式アフターパーツの追加や内部の作り込みで完成度をさらにアップ!

【最高峰のエアモデル】造形村SWS「フォッケウルフ Fw 190 A-3」をキットレビュー!パッケージの「ホワイト12」を目指して公式アフターパーツの追加や内部の作り込みで完成度をさらにアップ!

2026.08.21

フォッケウルフ Fw190A-3【造形村 1/32】●林哲平 月刊ホビージャパン2026年9月号(7月24日発売)

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」上面

実機取材による一次情報で再現した
最高峰のエアモデル
造形村SWS フォッケウルフFw 190 A-3

 第二次世界大戦にてメッサーシュミット Bf 109と並ぶドイツ軍の主力戦闘機「フォッケウルフ Fw 190 A-3」が、満を持して造形村スーパーウイングシリーズ(SWS)に登場となった。その再現度は外観だけでなく、BMW 801空冷エンジンやコックピット、防火壁、機銃、無線機など内部構造まで高密度に作り込まれており、組み立てる工程において実機の構造や設計思想も味わえるアイテムである。また、ショートノーズA-3の1/32スケールでの立体化は世界初であり、最新考証から引き出した造形村SWSのこだわりも本機からうかがい知ることができるだろう。
 作例ではパッケージにある「ホワイト12」を目指し、各所ハッチを開けて内部構造を見せる状態で製作。キットの主要となる部分の製作途中写真からは、モデラーらしいこだわりの工作も見られる姿となっている。華麗なBf 109と比べ、質実剛健な“軍馬”とも称される「フォッケウルフ Fw 190 A-3」の決定版キットをご覧いただきたい。

フォッケウルフ Fw 190 A-3 ってなに?

 フォッケウルフ社のエンジニア兼テストパイロットであるクルト・タンク技師が設計したドイツ空軍主力戦闘機。はじめは先に採用されたBf 109の「補助」戦闘機として採用されたため、当時常識だった液冷エンジンが割り当てられず、頑丈でシンプルだが空気抵抗の大きい空冷エンジンを使うこととなる。しかしクルト技師は一次大戦での従軍経験から、現場では「壊れず、扱いやすいものが重宝される」ことを理解しており、出来上がったFw 190はエンジンや主脚が頑丈で整備しやすく、さまざまな戦場にも対応する“軍馬”となっていた。1941年夏に量産型のFw 190が部隊配備。Fw 190 A-3は当時のイギリス軍スピットファイアMk.Vを圧倒し、ドイツ敗戦まで進化を続けることとなる。(本誌2023年11月号「いまさら聞けないすごいヤツ! フォッケウルフ Fw 190 A-3 」より引用)

“ホワイト12”、ラーテノー伍長、オランダ、1942年夏

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」正面寄り

 ✚カラーリングデータ 

 コックピット色=RLM66ブラックグレー
 機体内部色=RLM02グレー
 機体下面色=RLM76ライトブルー
 迷彩1=RLM75グレーバイオレット
 迷彩2=RLM74グレーグリーン
 レッド=RLM23レッド
 イエロー=RLM04イエロー
 トップコート=スーパースムースクリアー+フラット
 ベーススタンダード+スーパークリアー

✚エンジンの塗装

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中エンジン塗装中
▲エンジンの精密なディテールを活かすために、Mr.ウェザリングカラーのグランドブラウンとマルチブラックを混色し、専用うすめ液で希釈しウォッシング
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中エンジン塗装
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中エンジン塗装別角度

▲パーツ数は多いが接着ポイントが的確に配置されているため、組み立ては難しくない。説明書ではエンジンにマウントするフレーム(E-5)をこの段階で接着するように指示があるが、本体へのエンジン装着時に接着するほうが位置決めがしやすかった

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中エンジン塗装後はめ込み
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」プロペラ正面

▲完成して機体に組み込んだ状態。さまざまな角度からチラリとBMWエンジンの官能的な造形を覗くことができる。塗装により全体がオイルで汚れたような表現となり、リアルさが顕著になった

✚コックピットの製作

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中コックピット1
▲内部は計器やハンドルなど細かな塗り分けが多い。ここは隠蔽力が高く、高品質で定評のあるファレホで筆塗り。はみ出ても強アルカリ系洗剤で拭き取れるので心理的にも楽だ
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中コックピット2
▲塗装後のパーツ接着は、はみ出しが目立ちにくい速乾流し込みタイプの接着剤で行う
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中コックピット3
▲シートベルトはファインモールドのナノ・アヴィエーションWWⅡドイツ空軍機用シートベルトを使用。ランナー状態で塗り分け、プラ用接着剤で固定している
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中コックピット4
▲少しでも接着位置がズレると最終組み立てで外板に隙間ができるので、面倒でも毎回ボディパーツを側面に合わせてから、慎重にひとつずつパーツを接着していくこと
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中コックピット5
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中コックピット6

▲完成状態。1/32スケールであるため細部まで見て取れる点はうれしいところ。 こういった計器類の緻密さが完成した際の満足感を上げてくれる

✚公式アフターパーツがおすすめ

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中使用公式アフターパーツ
▲ボークスのFw 190には公式の純正アフターパーツが充実している。製作時間を大幅に短縮したり、作品の安定度を上げる優れたパーツが揃っている
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中公式アフターパーツ組み込み
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中公式アフターパーツ組み込み2

▲強度を上げるために機銃、ピトー管セットは特に用意したいところ。機首のMG 17のみキットパーツの加工が必要になる。キットの砲身を切り落とし、ピンバイスで中心に穴を開け、金属製の機銃を差し込もう

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中公式アフターパーツ組み込み3
▲計器パーツは複雑な塗り分けの手間を省ける。キットのディテールを削り取って表面を平らにしてから、エポキシ系接着剤で固定する
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中公式アフターパーツ組み込み4
▲自重変形タイヤは機体の荷重がかかった静止状態をリアルに再現できるもの。主脚とホイールを接着し角度を決めてから、変形部分が地面に接地するように固定するとよい
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中公式アフターパーツ組み込み5
▲メタル脚柱を使えば、飛行機模型の弱点である主脚の破損を防ぐことができる。1/32スケールでは特に大事である

✚内部構造の製作

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中内部構造1
▲メタル脚柱を使えば、飛行機模型の弱点である主脚の破損を防ぐことができる。1/32スケールでは特に大事である
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中内部構造2
▲尾部にもハッチがあるので、内部はしっかりと塗り分けておく。ハッチから見える脚部引き込み用のワイヤーを伸ばしランナーで追加した
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中内部構造3
▲MG 151機関砲はマットブラックで筆塗り後、シルバーでドライブラシして金属感を強調。この段階で砲身の接着指示があるが、主翼の開口部をピンバイスで少し広げておけば塗装後にも装着できる

✚ハッチ部分のシャープ化工作

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中ハッチシャープ化
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中ハッチシャープ化2

▲キットはエンジンカウルやガンパネルなど展開部が多い。実際の戦闘機の外板は大変薄いが、プラモデルでは成型の都合上、ある程度の厚みができてしまう。これを薄く削り、より実機に近づけてみた。方法はデザインナイフで裏側から削り、ヤスリで整えるだけ。地味な工作だが、これだけで完成度が大幅に変わってくる

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」製作途中ハッチシャープ化3
▲フラップやエルロンのフチも薄く削ると実機の印象に近づく。貼り合わせパーツは接着前にあらかじめ削り込んでおくか、接着のズレを最小限に抑えるため一度接着してから外側を削り込んでフチを薄くしよう

✚機体の下地と迷彩塗装

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」塗装途中
▲あらかじめパネルラインに沿ってブラックを吹いてから、胴体をRLM76ライトブルーで塗装する。繊細なディテールが埋まってしまわないように、サーフェイサーは吹かずに進めている
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」塗装途中2
▲迷彩塗装「モットリング」を塗装。RLM75グレーバイオレットとRLM74グレーグリーンで塗装。ハンドピースは0.2mmの細吹き、希釈は5倍程度。エア圧は弱めでノズルを限界まで近づけて吹く
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」塗装途中3
▲主翼の迷彩はフリーハンドでは難しいため、説明書を1/32スケールに拡大コピーし、迷彩に沿って切り抜いて型紙にする
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」塗装途中4
▲型紙を貼る際にマスキングテープをリング状に貼り、型紙を少し浮かす。この浮き部分がよい具合のボケ幅となる
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」塗装途中5
▲RLM74グレーグリーンを塗装し型紙を剥がす。これで実機同様に絶妙なボケ幅の迷彩塗装を施すことができた
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」塗装途中6
▲ブラックでスミ入れを施し、排気汚れはブラウン→ダークブラウン→ブラックの3色を重ねてグラデーション。煤汚れのためフラットベースを混ぜてマットな質感にしておこう
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」
▲完成した姿はまさに現代のFw 190 A-3決定版キットだろう。完成後の満足感ももちろんだが、製作工程で構造や設計について深く知ることができるのもSWSの魅力である
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」プロペラアップ

▲細部には息を呑む造形が施されており、前頁までの製作途中写真で見られたディテールが凝縮されている

林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」リア寄り
林哲平製作「フォッケウルフ Fw 190 A-3」下部アップ

▲シルエットから内部構造まで、1/32のサイズに飛行機模型の醍醐味が詰まった本シリーズ。Fw 190 A-3をはじめ、歴代ラインナップやこれからの飛行機にも期待したい

✚本当に完成する? SWSに初挑戦!
 私、ドイツ機大好きなのですが、なかなか最近作る機会に恵まれませんでした。しかし、今回ありがたいことに「Fw190 A-3」を作らせていただけることになりました! (作例としては8年ぶり)。 届いた超ハイエンドな造形村SWSの箱を開けて、真っ先に頭に浮かんだのが「う〜ん……自分、本当に完成できるの!?」。気を取り直して、製作スタートです!
✚造形村オヤジブログを絶対見て!
 精密構造とのトレードオフなのですが、キットは内部構造の再現度のため、外装が細かく分割されており、少しでも接着位置がズレると段差や隙間ができてしまいがち。説明書も詳細に解説されているのですが、合わせて組む前に必ず「造形村オヤジブログ」のFw190 A-4シュネル機の組み立て記事を読んでみましょう。こちらの記事はボークス会長の重田英行氏がキットを実際に組み立て、ミスしやすい部分や組み立てのコツを大変わかりやすく解説されています。読むと読まないでは製作難易度が大幅に変わってくるので、作業中はタブレット端末などで常時表示しておくことをおすすめします。正直、この記事がなかったらと思うと……。
✚パーツはすべて使うわけじゃあない!
 キットの総部品数は347パーツ。これは飛行機模型としてはかなり多いですが、バリエーションとして選択式のパーツも多く、すべてのパーツを使うわけではありません。今回は代表的な「ホワイト12」を選んで製作しましたが、結果的には他バリエーションと比べて使用パーツも少なくなりました。
 開口部から見える部分がどうなるかわからなかったので内部のパーツは燃料タンク以外すべて塗装して入れていますが、ハッチの開閉部をはじめから決めて、内部パーツを上手く省けば部品数は150ぐらいで収めることも可能です。
✚人生で一度は作りたいプラモデル
 手こずった部分もありますが、8年飛行機作例にブランクがあった私でも完成できしました! 各部のパネルやハッチがフルオープンされ、中からエンジンや機銃が見える、デッカいフォッケウルフを眺める時間は至福のひととき。無理に塗装せず組み立てるだけでも、精密模型として大変見応えがあるものに仕上がります。完成させたあとで言うのもなんですが、モデラーならばSWSは人生で一度は作って損はない模型だと感じました。ぜひ! あなたも手に取ってみてくださいね。

造形村 1/32 スケール プラスチックキット“スーパーウイングシリーズ”

フォッケウルフ Fw 190 A-3

製作・文/林哲平

SWS 1/32 フォッケウルフ Fw 190 A-3
●発売元/造形村、販売元/ボークス● 13200 円、発売中● 1/32、約27.5cm ●プラキット


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創作造形 © 造形村/ボークス

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林哲平

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