コモリプロジェクトの「ネクストステージ」 土井眞一が語る「レストア」の三ヵ条とは?
2026.06.23 コモリプロジェクトHP
Youichi Komori Official Web(y-komori.net)

土井眞一の三ヵ条
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。日に日に新緑が眩しさを増している今日この頃。新学期、新社会人、人事異動や転勤に伴う引っ越しなど、新たなステップを踏み出した方もたくさんいらっしゃるでしょう。新年度、何か新しいことを始めるにはぴったりですね。そこで今回はいつものキット製作とは趣向を変えて、ネクストステージの話題をお届けしようと思います。
これまでにも何度かリペイントのお話をしたことがあります。リペイントとは「re(再び)」+「paint(塗る)」という英語由来の言葉であり、読んで字の如く、すでに塗装したキットを塗り直して新たな魅力を付加することです。僕もこれまでにいくつものキットをリペイントしてきました。その多くは以前、自分が作ったキットですが、中にはオークションで落札した他人が作ったものもあります。ただ、ここには僕なりの線引きがあって、牙や角、歯が欠けていたり、無くなっていたりまではセーフ。喉から手が出るほど欲しくても、下アゴが無かったり、片腕や片脚、尻尾がないものはアウトです。再生できるものとできないもの。それが僕の基準となります。
さて、プロジェクトメンバーの土井眞一氏に目を転じると、これがまったく違います。土井さんは嬉々として欠品のキットを購入するのです。理由を尋ねると、「安いから」という答え。なるほど、それはその通りでしょう(笑)。
しかし、よくよく理由を深掘りすると、そこには意外な想いが潜んでいました。土井さんは言います。「壊れたもの、欠けたものはゴミじゃありません。お宝です」と。それを聞いて、「そんなことが言えるのは作り直す技量があるからだ」と思う人もいるはずです。何を隠そう僕もその1人。だから尋ねてみました。どうすればそんなことが可能になるのかと。
その一 『大切なものは観察力』
ただ漠然と見ているだけではダメ。資料写真や映像を細かい部分まで何度も見直すことが大事。
その二 『知識だけではダメ』
「知っている」ことと「表現する」ことはまったくの別物。
その三 『たくさん作る』
作り続けているとやがて観察したものが活かされ、表現の幅が広がっていく。
この三ヵ条を実践していけば、やがては再生することができるのだそうです。やり方も従来通りの粘土で作るのもよし、3Dソフトを使うのもよし。「自分に合った方法でトライしていけば大丈夫ですよ」と土井さんは笑います。そして最後にこんな言葉を付け加えられました。
「元通りに復元する必要なんてありません。自分の好きなかたちでいいんです。大事なのはそのキットを自分の作品にすることです」
レストアには再生や修復するという意味だけではなく、まったく新たな喜びをもたらしてくれるマジックが備わっているようです。皆さんもこの三ヵ条を実践しながらレストアにトライしてみてください。
「Monster Theater 素晴らしき怪獣ガレージキットの世界」発売中!
怪獣ガレージキットを大迫力の特撮写真で小森陽一が解説
小説・文筆家であり怪獣ガレージキットメーカーも立ち上げた小森陽一氏セレクトの怪獣ガレージキット。熱い怪獣愛で怪獣ファンも認める小森氏が、各メーカーの怪獣ガレージキットを塗装完成品と大迫力の特撮写真で解説していく作品集です。
さまざまなガレージキットメーカーの怪獣ガレージキットを円谷特撮作品から厳選して50体、新規撮り下ろしにて掲載。その魅力を小森陽一氏による解説で紹介していきます。
\この記事が気に入った方はこちらもチェック!!/
何を思って作っているのか

怪獣ガレージキットを厳選一挙公開!コモリプロジェクトで製作された怪獣たちにまつわる製作秘話
コモリプロジェクトHP Youichi Komori Official Web(y-komori.net) 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。コモリプロジェクト代表の小森です。これを書いている今は凍えるような[…]
TM & ©TOHO
小森陽一(コモリヨウイチ)
●1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』『ツイン・アース』など著作多数。


















