強力な排気性能を誇る塗装ブース「ネロブース」の開発者・がっとねろ氏に誕生の経緯から使用法、扱いの注意点など詳しく聞いてみた!さらに清掃方法も解説
2026.05.22ネロブース開発者インタビュー 月刊ホビージャパン2026年6月号(4月24日発売)
塗装ブース界隈で支持を広げつつある
「ネロブース」の圧倒的な強み
強力な排気性能を誇るネロブース。その設計の根底には、“生活環境を守る”という理念があった。開発者・がっとねろ氏に、誕生の経緯から正しい使い方、そして見落とされがちな注意点まで詳しく聞いた。
(取材/ホビージャパン編集部)

がっとねろ
ネロブースを販売するガットワークスの代表取締役。模型雑誌で作例を発表する傍ら、東京デザイナー・アカデミーで講師を務めるなどマルチに活躍。
ーネロブース誕生のきっかけは。
がっとねろ 最初は完全に自分用です。同居人がいる環境で、部屋を溶剤臭くできないというのが出発点でした。当時は工事関係の仕事で設計ができて、さらに金属加工の経験もあったので、余った鉄板を使って一から自作したんです。試行錯誤を重ねて今の原型ができ、それを友人に見せたら「自分にも作ってほしい」と言われて。そこから口コミでモデラーや商業フィニッシャーさんなどに広がり、会社の許可を得て販売を始めました。2018年に販売専門会社として独立しています。
ー大きさも特徴的です。
がっとねろ 市販品は価格や持ち帰りやすさ、店舗在庫の都合などでサイズに制約がありますよね。その制約を外さない限り性能は上げられないと考えました。ネロブースはもともと売る前提ではなく、自分が必要とする性能を優先した結果、このサイズになっています。
ー高い排気性能が評価されています。
がっとねろ 極論ですが、正しく設置すればマスクが不要なレベルまで吸引できます。開口部に“空気の壁”を作るイメージで、ブース内で塗装すれば吹き返しをすべて吸い込む設計です。部屋ににおいやミストを出さないことを重視しました。ユーザー自身がマスクを着けられても、家族やペットに同じことを求めるのは現実的ではありませんから。
ー確かに家庭環境では重要です。
がっとねろ 実演でも「吹き返しが出ない」と説明すると、ご家族の方が購入を後押しするケースが多いですね。
ー使用時の注意点は。
がっとねろ もっとも重要なのは吸気です。排気だけでなく、同じ量の空気を室内に取り入れる必要があります。これが不十分だと、部屋全体の空気を無理やり吸い出す状態になり、気圧が下がります。密閉状態で使い続けると頭痛などの症状が出ることもあります。
ーかなり強力なんですね。
がっとねろ ドアが重くなると感じた時点で、すでに大きな気圧差が発生しています。目安としては、排気ダクトが直径15cmなので、その約6倍の面積の吸気口を確保してください。窓を開けるだけでも十分です。
ー排気した空気が戻る心配は?
がっとねろ 排気側は高速で空気が噴出します。それに対して6倍の大きさの開口部があれば6分の1の風速で空気が入り込んできますが、給排気口が隣接していると風速差がありすぎて空気が戻りにくくなります。このバランスが重要です。
ー設計思想が一貫していますね。
がっとねろ 会社の立ち上げ時に「モデラーを長生きさせる会社にする」と決めているので、中途半端な性能にはできませんでした。
ー切削用途にも向いているとか。
がっとねろ 吸塵性能が高いので、ブース内での切削作業にも有効です。粉は内部に溜まるので、定期的な清掃は必要ですが。
ーメンテナンスの話が出ましたが、どれくらいの頻度で掃除するべきですか?
がっとねろ 週末中心の使用なら2年に1回程度を目安に。振動や異音が出た場合は早めに分解清掃してください。
ー耐荷重についてもよく質問されるそうですね。
がっとねろ ええ。以前、自分で上に乗って検証したこともあります(笑)。正式には構造計算と安全マージンを取って約10kgまでは問題ないとしています。塗料棚などを上に置いてスペースを有効活用できます。
ーありがとうございました。
(4月、ガットワークスにて取材)
せっかくのネロブースを長持ちさせたいなら掃除すべし!
※ネロブースの清掃時は、「防塵マスクの着用」「シロッコファンに触れる際は必ず電源プラグを抜く」「水洗いは行わない」の3点を徹底しよう。
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