HOME記事キャラクターモデルガンダムアッセンブルカラー発売に備えて水性塗料「アクリジョン」の特徴や塗装のコツを知ろう。「HG ケンプファー」のエアブラシ塗装を実践!【アクリジョン、けっこういい感じ。】

ガンダムアッセンブルカラー発売に備えて水性塗料「アクリジョン」の特徴や塗装のコツを知ろう。「HG ケンプファー」のエアブラシ塗装を実践!【アクリジョン、けっこういい感じ。】

2025.04.01

アクリジョン、けっこういい感じ。/MS-18E ケンプファー【 BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2025年5月号(3月25日発売)

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青色の塗装開始!

▲まずはベースブルーを吹く。ほぼサーフェイサーの様な扱いで使える塗料で、こってりした顔料で隠蔽力高く、食い付きも良いというまさにベースとなるアイテム。これも鉄のオキテ1:0.3で吹こう
▲とはいえ一気に塗料を乗せ過ぎるとこのように失敗する。アクリジョンの塗装はまず全体に薄い膜を作るのが大事。まだしっとりしていれば水でも落とせるが、今回は乾燥させて全体を1500番で軽くヤスってリカバリーしている
▲ベースブルーの上から混色した青を塗る。下地を鮮やかな明るいベースブルーにしたからこそ、コバルトやパープルも混ざった深みある色が映えるようになる
▲ツヤ消しのベースカラーと混色した光沢のカラーは半ツヤの質感になる。2〜3回に分けて吹き、吹いたすぐあとはこのようにツヤツヤになるが、乾燥すると半光沢に落ち着く

塗り分けの新常識!

▲肩の黄色いパーツははさみ込み式なためマスキングで塗り分ける。青地に黄色は発色しづらいため先に黄色で塗ってしまおう
▲次に丸い部分をマスキングして青を塗る。丸い面なのでマスキングテープをポンチで抜いたものや、サイズが合うなら100円ショップにある丸いシールでも問題ない
▲青地に黄色は厳しいと書いたが、アクリジョンベースの黄色を使えばその常識は覆る。脚の黄色の塗り分けを例に見てみよう。まずは該当の部分をマスキング
▲2回ほど吹き重ねることでこのようにすぐに黄色く発色させることができる。ベースカラーのイエローの上から望みの色味の黄橙を吹けば下地の色に関係なくイエローが発色する

仕上げ

▲スミ入れはアクリジョンならエナメル系塗料でも容易に耐える。組んだまま塗った場合はABS部分はガードされていないので、そこにエナメル系塗料が浸透しないようにだけ気を付けよう
▲モノアイはウェーブのH・アイズとU・バーニアフラットの組み合わせ。丸をドリルで広げ、1.5mmサイズのクリアーレッドパーツをはめて裏には銀のシールを貼って反射するようにした
▲デカールはサイクロプス隊とジオン公国軍マークを中心に、いくつかコーションマークを貼っている
▲デカールを保護しつつ、全身にツヤ消しをかけている。アクリジョンは乾燥していればだいたいの塗料が上からかかっても大丈夫だ

完成!

▲太モモ後部の小さなバーニアはモノアイの枠同様にU・バーニアフラットを使って気持ち大きめに。大きいほうが塗り分けがしやすい
▲シュツルム・ファウストはあえて弾頭を赤く、腰のケーブルも白くしている。こういった、発色させるのが難しそうな色でもしっかり塗り上げることができている
▲少し緑がかった青色。こういった絶妙な色加減を自分好みに混色して、それをそのままきれいに塗装できるのはエアブラシの強みだ

 私、HG ケンプファーを作るのは実は初なんです。昔のキットはもちろん触ったことがあったんだけど、アレックス派だったので……。
 それはともかくアクリジョン。以前から塗料やその周りのツール、マテリアルを見てきた身としては、ケンプファーのような色でもしっかり塗れる、それどころか冬の部屋でも快適に作業できます、と自信をもって言えます。それこそ弾かれる、隠蔽力が低い、という言い方をされがちなのですが、アクリジョンを含むエマルジョン系の塗料のポイントである、「膜を作れば金属やレジンの上だって塗装ができる」性質を押さえて、ここに注力すればしっかりと塗れるし、意外なほどに2層目からはしっかり発色が始まる色もあるのです(今回使用したグレー系はもちろん、混色で使ったパープルとか)。そのうえで「ベースカラー」の存在がかなり大きい。ベースカラーは下地に吹くとサーフェイサーの様に機能し、塗料に混ぜればリッチなカラーを作れるし、きれいな下地は上の色をしっかりと魅せるパワーもあります。
 ケンプファーならやはりその青にこだわりたいところですよね。ベースカラーの青でいいじゃん、という心に逆らって、子供の頃楽しんだ当時のキットの少し緑の入った青を目指してみましょう。
 ベースカラーのベースグリーンが青い緑なので、これを少しだけ足すことでかなり色は変わります。1:1だとヤクト・ドーガの色になってしまうので、ベースブルーを多めに、さらにコバルトブルーとパープルを足して色味を深めます。
 本体の色が決まったところで、ケンプファーをどんどん組みましょう。プロポーションをいじったり表面にディテールを足したりするのは今回のテーマ、アクリジョンのエアブラシ塗装とはあまり関係ないので省略。とはいえ最低限でもシャープにしておくと塗装後の見映えもよいでしょう。塗料のノリもよくなるので、全体に足付け代わりにヤスリがけするのはとくにエマルジョン系だとよいですね。例によって合わせ目が極限まで出ない設計が徹底されていて、肩アーマーぐらいでしか見当たらないのが、15年前のキットですでに極まっていて本当にすごい。
 エアブラシでアクリジョンを吹く時は配合比が大事で、一定以上うすめ液が入ると突然性能の崖が来るように、表面で塗料が弾かれてしまいます。そのため、エアブラシ用うすめ液改ではボトルに1:0.3というベストの比率が書かれており、まずこれを守ることで塗料のコンディションを保ちます。塗料はいきなり混ぜ込まずに同じ容器で測って、比率を目で確認してから混ぜましょう。餃子を作る職人はその手で適切なグラムを量れますが、我々は毎日アクリジョンをエアブラシで吹くわけではないので、毎回確認したほうがいいのです。あとはエア圧を通常のコンプレッサーなら出せるだけ出して(今回はハンディコンプレッサーをイメージして、0.08Mpa/hぐらい)、ゆっくりと膜を作るように最初は少し、そしてあとはしっかりと乗せます。膜ができたら塗料が乗るようになるので、焦らずスピードを出さずにじっくりと挑みましょう。
 今回は完全に狙い通りの深い青になったケンプファーができたし、有機溶剤もツールクリーナーだけなので換気もほどほど(塗料のミストだけはブースでしっかり吸わせます)、雪も降りましたが快適に作業ができました。今後のガンダムアッセンブルカラーは筆塗りが基本ですが、公式にもエアブラシが使えるということなので、2025年7月の発売を楽しみに、もうちょっとアクリジョンでいろいろぬくぬくガンプラを楽しみたい、という気持ちも。皆さんもガンダムアッセンブルカラーの周辺装備として、うすめ液やリターダーを集めるついでに、アクリジョンでガンプラを塗っていきましょう!

BANDAI SPIRITS 1/144 スケール プラスチックキット“ハイグレードユニバーサルセンチュリー”

MS-18E ケンプファー

製作・文/けんたろう


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Ⓒ創通・サンライズ

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けんたろう

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