HOME記事工具・マテリアル「ベースカラー」の活用で思いのまま塗装可能!安全性抜群の水性塗料「アクリジョン」塗装術を解説【工具&マテリアル】

「ベースカラー」の活用で思いのまま塗装可能!安全性抜群の水性塗料「アクリジョン」塗装術を解説【工具&マテリアル】

2022.09.09

「アクリジョン」 模型作りが楽しくなる工具&マテリアルガイド(2月21日発売)

臭いがないのに乾燥が早く塗膜が強い
エマルジョン系水性塗料

アクリジョンのメイン画像

 水性で臭いがほとんどなくどんな場所でも塗装可能! さらに「アクリジョンベースカラー」の登場で扱いやすさ、 仕上がりがぐんとアップしています。これから塗装を始めてみたい方におすすめの「アクリジョン」をじっくりと解説!


アクリジョン基本アイテム

水性カラーアクリジョンの商品画像

水性カラー アクリジョン

●発売元/GSIクレオス●各198円、10ml

アクリジョンリターダーの商品画像

アクリジョン リターダー

●発売元/GSIクレオス●198円、18ml

 ラッカー塗料とも水性アクリル塗料とも異なる“エマルジョン”の水性塗料。エマルジョンの専門的な説明はここでは省きますが、水性の溶液の中に油性の成分が入っており、臭いが抑えられながらも乾燥が早く塗膜が強い塗料です。GSIクレオスの「水性ホビーカラー」に近い色数がラインナップされており、塗料ナンバーや色名が共通しているものが多いので、互換性が高いのも魅力です。新しくリターダーも追加されさらに使いやすくなっています。

発色を底上げする専用下地塗料

 「アクリジョン ベースカラー」は隠蔽力がとても高く、1~2回塗布すればムラのなく仕上がります。乾燥するとつや消しになりますが、 上塗りする塗料のつやに影響をおよぼさないので、安心して下地として使用できます。

アクリジョンベースカラーの商品画像

アクリジョン ベースカラー

●発売元/GSIクレオス●各330円、18ml

Impression

ベースホワイトをスプーンに塗布した画像
▲ ベースホワイトはニュートラルな色調。濃い色の成型色に対して のサーフェイサーとしての役割や、明るく発色させたいときの下地として最適(ベースホワイトの詳細はこちら)
ベースグレーをスプーンに塗布した画像
▲ ベースグレーもニュートラルな色味。グレーのサフとしてもよいですし、そのまま関節色として使用してもちょうどよい色調です(ベースグレーの商品詳細はこちら)
ベースレッドをスプーンに塗布した画像
▲ ベースレッドはややトーンが落ちついている印象。上に重ねる色によって、鮮やかに映えさせることも暗いトーンに見せることもできます (ベースレッドの商品詳細はこちら)
ベースイエローをスプーンに塗布した画像
▲ ベースイエローはゆで卵の黄身のような、どちらかといえばダークイエローに近い色味。明るい色や肌の表現など、下地に影響されやすい色に最適 (ベースイエローの商品詳細はこちら)
ベースブルーをスプーンに塗布した画像
▲ ベースブルーは比較的鮮やかで、このまま塗料としても使用できる色になっています。重ねる色で色調を調整して好みの色にしてみましょう (ベースブルーの商品詳細はこちら)
ベースグリーンをスプーンに塗布した画像
▲ ベースグリーンは暗めで青味の強い印象。色味が濃いので、重ね塗りで深みのある色を表現したいときにおすすめです (ベースグリーンの商品詳細はこちら)
ベースホワイトの下地にオレンジイエローをスプーンに塗布した画像
ベースイエローの下地にオレンジイエローをスプーンに塗布した画像

▲ ベースホワイト、ベースイエローの下地に、それぞれオレンジイエローを重ね塗りしたもの。ベースイエローの下地だと色は濃く、ベースホワイトが下地だと明るく仕上がるのがわかります

あると便利なうすめ液とツールクリーナー

 エアブラシ専用のうすめ液と、筆塗りに最適なリターダーの成分も含むアクリジョン専用うすめ液、そして乾燥後でも塗料を落とすことができるツールクリーナーをラインナップ。各うすめ液は用途ごとに調整されているので使い分けましょう。エアブラシ用のうすめ液は塗料1に対してうすめ液0.3が最適で、筆塗りに使用するうすめ液は塗料に数滴加える程度が最適です。どれも溶剤になるので使用する際は充分に換気しましょう。

エアブラシ用アクリジョンうすめ液改の商品画像

エアブラシ用アクリジョンうすめ液 改

●発売元/GSIクレオス●770円、250ml

アクリジョン専用ツールクリーナーの商品画像

アクリジョン専用ツールクリーナー

●発売元/GSIクレオス●440円(中、110ml)、770円(大、250ml)

How to use

筆塗りのポイント

筆塗りポイントの画像 その1
▲ 瓶から出した塗料にはうすめ液を1~2滴程度加えるとよいでしょう。それでも塗料の粘度が濃いと感じた時には、アクリジョン リターダーやエアブラシ用うすめ液で希釈します
筆塗りポイントの画像 その2
▲ 塗装時は同方向面を塗りつぶしていくのがポイント。塗面のつやが消えたら再度重ね塗りができる合図になるので、塗る方向を変えて塗装します。そうすることで筆ムラを抑えやすくなります
筆塗りポイントの画像 その3
▲ 色替えの際の筆の洗浄は水でOK。作業後はツールクリーナーや筆専用の洗浄液「Mr.フデピカリキッド」(660円)などでメンテナンスしておきましょう(Mr.フデピカリキッドの商品詳細はこちら)

エアブラシ塗装のポイント

エアブラシ塗装のポイントの画像 その1
▲ 塗料1に対してうすめ液0.5程度を目安にエアブラシ用うすめ液で希釈するのがポイント。薄めすぎると塗料が定着しにくくなるので、最適な粘度を覚えましょう
エアブラシ塗装のポイントの画像 その2
▲ 塗料がハンドピースに詰まることなく、また塗装面から垂れることなく定着するのが最適な状態。塗料が吹き出しにくかったり垂れたりする場合は、再度濃度を調整します
エアブラシ塗装のポイントの画像 その3
▲ アクリジョンは乾燥すると固着するため、作業が長くなるとハンドピースが詰まりやすくなります。色替えの際など、こまめに洗浄するのがおすすめです

アクリジョンシリーズで作品を仕上げる!

How to use

プログレスボディの素組みの画像
▲ アクリジョンとアクリジョン ベースカラーの重ね塗りでコトブキヤ「プログレスボディ」(2750円)を製作します
エアブラシで塗装した外装パーツの画像
アクリジョンのすみれ色とRLM65ライトブルーとゴールドの商品画像

▲ 外装パーツをエアブラシで塗装していきます。すみれ色を塗りたい部分にはベースカラーをベースブルーに、RLM65ライトブルーにはベースグレー、ゴールドにはベースイエローと、それぞれの色に対応したベースカラーを塗装します(すみれ色の商品詳細はこちら)(RLM65ライトブルーの商品詳細はこちら) (ゴールドの商品詳細はこちら)

ベースブルーを塗布したパーツとその上にすみれ色を塗布した画像
▲ ベースブルー(左)にすみれ色を重ねた状態(右)。下地でしっかりと青色を作っているので、青みのあるキレイな紫色に発色しています。また、光沢色のつやもしっかり出ているのがわかります
ベースイエローを塗布したパーツとその上にゴールドを塗布した画像
▲ ベースイエロー(左)の上にはゴールドを塗装(右)。イエローで先に明るい下地を作っているので、金色も明るい仕上がりに
筆でベースグレーをパーツに塗布している画像
ベースグレーの下地の上に筆でRLM65ライトブルーをパーツに塗布している画像

▲ 細かな色分け部分は筆塗りします。筆塗りの際も同じくベースカラー→アクリジョンの順で塗装。いったんゴールドで塗装した部分も、その上からベースグレー→RLM65ライトブルーの順番で塗装すれば、下の色が影響することなく発色します

色がはみでてしまった部分の画像
はみ出た部分を筆のリタッチで処理した画像

▲ はみ出た部分は筆のリタッチで対応。ベースカラーの隠蔽力が高いため濃いめの色がはみ出してしまっても問題なく塗り直せます

アクリジョンでの塗装を終えたプログレスボディの正面画像
アクリジョンでの塗装を終えたプログレスボディの背面画像
▲ 最後にトップコートを吹いて全体のつやを整えて完成。ベースカラー、アクリジョンの重ね塗りで細かな色分け部分も鮮やかに仕上がっています。ベースカラーがアクリジョンの食いつきをよくしているので、塗面も傷つきにくく、剥がれもありません

まとめ

 アクリジョンはアクリジョン ベースカラー を併用することで、臭いを抑えつつ乾燥が早く塗膜が強いという特性をより際立たせることができます。ベースカラーは下地としても 塗料としてもとても高いポテンシャルを持ち、アクリジョン塗装の必須アイテムといえます。うすめ液も筆塗り用、エアブラシ用と用途ごとに調整されているので、工程ごとに必要なアイテム、塗装順序を覚えれば誰でもアクリジョンを使いこなせるでしょう。


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© KOTOBUKIYA

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