女の子プラモデルマイスターに訊く! 模型テクニック【urahana3】
2021.06.24女の子プラモマイスター/urahana3(フレスヴェルグ=アーテル サマーバケーションVer.【コトブキヤ】) 月刊ホビージャパン2021年8月号(6月24日発売)
Girl’s Plastic kit Meister
女の子プラモデルマイスター
urahana3
主婦モデラー・urahana3は、女の子プラモデルジャンルの火付け役『フレームアームズ・ガール』展開直後から本格的に模型誌作例を担当し、ていねいな仕上げと鮮やかな塗装、そして枠にとらわれない自由な発想からのアレンジ作例を多数製作。現在親しまれている女の子プラモデルの楽しみ方の礎に貢献したモデラーといっても過言ではない。
今回は女の子プラモデルにおける最大の要素である「肌色」について言及。肌色映えがメインの作例も用意してもらったので合わせてご覧いただこう。
urahana3の肌色レシピはたったこれだけ!
まず、肌色を塗装する前にNAZCAのピンクサフ(①)を下地として塗装します。しっかりとピンク色を乗せる感じで、強めに発色させます。パーツがすべてピンク色になったらいよいよ肌色を乗せるのですが、ガイアカラー ノーツフレッシュ(②)、フレームアームズ・ガールカラー ベースフレッシュ(③)を1:1で混色したものを肌色として長い間使用しています。私のガール系作品の肌色はすべてこれですね。1:1なので、買ってきた2つのビンをそのまま合わせればOKです。
最初の頃はもっとピンク系を足したり、3〜4色合わせて作ったりもしていましたが、無くなった時に簡単に作れて、いつでも再現可能な肌色を作ったほうがいろいろと便利かなと思ったので、この調色に落ち着いています。
■仕上げの手順
肌のくぼみやエッジ部分にピンクサフが若干残るイメージで塗装していきます。自然なグラデーションを付ける感じですね。ややピンクサフを残すと、自然と上気したような血色感のある肌に仕上がります。
その後、欠かせないのはタミヤのウェザリングマスター(④)ですね。肌色パーツはいったんツヤ消しトップコートで〆まして、それからウェザリングマスターを使います。ピンクサフを残した部分、肌のくぼんでいるところやパーツのキワなど、影が出来る部分にキャラメルやマロンを乗せていって仕上げています。付属のスポンジで影を付けたい部分をなぞっていけば、良い具合に自然なグラデーションで仕上がります。
私の肌色塗装は毎回こうやってできています。入手しにくいようなアイテムもなく、誰でも同じようにやりやすい方法だと思いますので、参考にしていただければ嬉しいです!
●発売元/ガイアノーツ●770円、発売中●50ml●ラッカー塗装
●発売元/ガイアノーツ●220円、発売中●15ml●ラッカー塗装
●発売元/ガイアノーツ●330円、発売中●15ml●ラッカー塗装
●発売元/タミヤ●330円、発売中
urahana3の肌色塗装手順
コトブキヤ ノンスケール プラスチックキット
ジェネ(ステライノセントVer.)&ジェネ(ステラティアーズVer.)使用
ジェネ(バタフライVer.)
製作/urahana3
塗装に自信がない人は成型色を活かすのもあり!
どうしても塗装は…特に肌色は台無しにしそうで億劫、環境的にも難しいという人は、いっそのこと「塗装しない」というのも手だ。実際にurahana3と同じく多数の女の子プラモデル作例を手掛けているnishiの作例の多くは、肌のみ成型色仕上げとしている。肌の色合いが成型色に依存してしまうが、そのぶん透明感の強い仕上がりとなる。そこにチークなどを施せば充分違いのあるものに仕上がってくれるのだ。
コトブキヤ ノンスケール プラスチックキット
“メガミデバイス”吾妻 楓【皆伝】改造
吾妻 楓
製作/nishi
今年の夏は自分好みのフレズヴェルクと楽しみたい…!!
2021年5月に発売された夏先取りの水着キット「フレズヴェルク=アーテル サマーバケーション Ver.」の作例を紹介。製作はもちろんurahana3。キットとしては、ワキ下再現の固定パーツが目玉ではあるが、urahana3は手繋ぎパーツに注目。都合2体の作例を用意して、ペアで楽しめるシチュエーションを再現。キット仕様と“肌”という女の子プラモデルならではの要素を活用したアレンジ仕上げを施した。
さてさて、この作例が掲載されるころには梅雨も明けているのでしょうか? 今回は、夏にピッタリな新作『フレームアームズ・ガール』キットの「フレズヴェルク=アーテル サマーバケーション Ver.」を製作しました。これまでのフレズヴェルクのイメージとは違い、武装が取り払われ夏らしく素体メインのデザインとなっています。また新規造形パーツもてんこ盛りでして、なかでも際立っているのが「腕を上げた状態専用の脇の下パーツ」というちょっとニッチなこだわりを感じられるパーツですね。これの脇の下を再現した造形が素晴らしいです。従来の肩パーツの可動のみで腕を上にあげさせるよりも、断然きれいな状態で腕上げポーズが決まります。
他にもサンバイザーやビーチボール、サングラスなどの夏アイテムも豊富なのですが「つぶれ胸パーツ」「握りあった手パーツ」という、2体で向き合うことが前提となっているパーツも付属しておりまして…。私もいろいろと悩んだのですが、コトブキヤさんのホームページでも2体のアーテルが向かい合って手を繋ぎ、胸を押し付けている写真があったりもしまして、この状態を再現するべく思い切って2体同時製作を敢行しました。せっかくですので、色違いで製作しつつ片方は夏らしく褐色肌が良いかな〜と思ったのですが、よく考えると手を握り合っているパーツを白肌と褐色肌に合わせて塗り分けなければいけなくなり、非常に厄介なことになってしまいました。
盛り盛りの武装がないぶん2体のフレズヴェルクをなんとか製作することができたのですが、素体腕部・脚部、武装腕部・脚部と何個も同じパーツを製作することになってしまい案外骨が折れました。ただ、2体で向かい合ったりイチャコラするポーズも撮りやすくなったと思いますので、可愛さ重視で2体製作もオススメです。手つなぎパーツは、ほかのガールと組み合わせてもポージングの幅が広がりますので、ぜひ活用してみてください!
コトブキヤ ノンスケール プラスチックキット“フレームアームズ・ガール”
フレズヴェルク=アーテル サマーバケーション Ver.
製作・文/urahana3
フレームアームズ・ガール フレズヴェルク=アーテル サマーバケーション Ver.
●発売元/コトブキヤ●5720円、発売中●約15cm●プラキット
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urahana3 (ウラハナサン)
『ダンボール戦機』でプロモデラーデビュー。その後『フレームアームズ・ガール』をはじめとする女の子プラモデルを主戦場とし、創成期においてアレンジ作例を多数製作している。特にエポパテを使った形状変更作例が代名詞で、本誌およびMOOKの表紙も飾っている。