ゲート処理とは?
パーツ表面に残るゲートの切り口(ゲート跡)が目立たないように整えることです
出っ張りがあれば切り取り、凹みがあれば埋めてならしたり、成型色仕上げでは切り口が白っぽくなるのを避けたりなど。ゲートカットの続きなので、ニッパーでほとんど済んでしまったり他の道具で整形するなど、そこはケースバイケースです。完成後にゲート跡が目立ってしまうことを「ゲート処理が甘い」といったりします。「プラモデルの成型の都合で付いている跡」をなくすことで、より模型としての仕上がりが高まります。
▲ ゲート跡の凸凹をなくして整えるのがゲート処理です。成型色の仕上げではゲート付近の白化も少なくおさえたいところです
ゲート処理はどこまでするのが正解なの? 必ずしなければならない作業なの?
自分の求める仕上がりに合わせて行えばOK! どこまでこだわるかは自分次第です
塗装をする前提なら、紙ヤスリなどを使って周辺とならします。細かなヤスリキズや色の違いは塗装で隠れるので、ゲート跡が分からなくなります。成型色のままの仕上げでは、切った跡が見えるので丁寧な切り取りをしたり、さらに磨くことでゲート跡を目立たなくできます。
▲ ゲートの切り口(ゲート跡)の処理の仕方でどう変わるか比較してみましょう。①ニッパーで切りっぱなし。②ニッパーで二度切りしたもの。③ゲートの残りをナイフで削ぎ取ったもの。④ゲート跡を紙ヤスリ(800番)でならした状態
ゲートの切り口で気にしておくこと
ゲート処理の作業の前に、ゲートを切り取った“跡”について、注意しておきたいことを見ていきましょう。
▲ ゲートが残っていてパーツの取り付けを邪魔している例。曲面などでありがちです。パーツ表面に沿うように、ナイフやヤスリなどで整形しましょう
▲ アンダーゲートが貼り合わせ面にあると、ゲートの残りで隙間ができてしまいやすいです。パーツ同士がピタリと合うようにゲート跡と周辺を平らにしておきます
▲ ゲートをいきなりパーツフチで切ってしまい、ゆがんだ跡が残っている状態。組み立てに問題はないですが、見た目がちょっと気になります。切り口がささくれたり凹みになってから整えるには、表面を多めに削ることになったり、パテなどで埋めて整形することになります
▲ ニッパーで二度切りしたゲート跡。切った跡につぶれた様子や大きな白化もない状態です。ニッパーで切りっぱなしでは少し跡が残るのは仕方がないです。素組みで仕上げるならばこんなところが一つの目安でよいかもしれません。より跡を目立たなくする作業もしやすい状態です
実際にゲート処理をしてみる
■ナイフ、カッターでのゲート処理
ニッパーよりも鋭く切れる道具で、ゲートの残りを切る(削ぐ)ことでゆがみや白化をさけられますし、ゲート周辺の凹凸にも柔軟に対応できます。
▲ ペン型のナイフや刃折り式のカッターは模型工作に欠かせない道具。細かな切り取りに活躍します。刃物は危険も伴うので、刃の向きや持ち方に注意して扱いましょう
▲ パーツ下側のゲート跡に注目してください。左はニッパーだけで切った状態。一部が白くなり、パーツ表面も少々ちぎれてしまっています。右はニッパーでゲートを少し残して切り、ナイフで仕上げたもので、ゲート跡はうっすら分かる程度になっています
▲ ナイフを使った仕上げの方法です。ニッパーでは少しゲートを残すように切っておきます。そしてその残りをナイフで削ぎ取るように切っていきます。刃はパーツ表面にねかせるようにし、切り込んでいきます
▲ ナイフによる切り取りも一度に厚く切らずに、薄く削いでいきます。厚く切るのは力がかかって切り口もゆがみやすく、切り方としても危ないのです
▲ これはナイフの危ない持ち方! 刃先が勢い余って動いてしまうと指を切るリスクがあります。くれぐれもこんな危険な持ち方はしないようにしましょう
▲ ナイフを扱う場合には、刃を動かす方向に決して指を置かないようにしましょう
▲ 同じ作業を刃折り式のカッターで行っているところ。ナイフのように刃先がしっかり固定されていないので、使い勝手はやや落ちますが、同様の使い方ができます。刃先は必要以上に長く出さないようにしましょう
▲ これに関連して、極薄刃な片刃ニッパーで切っているところ。これは片刃ニッパーの特性を活かして、ナイフで削ぐのと同様なことをより使い勝手のよいニッパーで行っているようなものです
▲ ゲートの近くに突起があり、ニッパーだけでは切りにくいところ。こうした場合も最後の切り取りにナイフ(またはヤスリ)などを使ってゲートの切り取りを行います
▲ パーツ右側のゲート跡はナイフで削いだまま。パーツ左側のゲート跡はナイフで削いだ後に、ナイフの刃先を立ててカンナのように表面を削ってならしています。削いだ流れで周囲の面を整える簡易な方法です
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