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大森記詩オリジナルSFメカ「TUM-16R “シェパーダ”」犬科を思わせる有機的なフォルムに注目【MIXINGSCAPE】

2024.11.19

MIXINGSCAPE/トライウル社製 偵察用モロッサー TUM-16R “シェパーダ”【スクラッチビルド 1/6】 月刊ホビージャパン2024年12月号(10月25日発売)

MIXINGSCAPE No.011

 彫刻家でありモデラーでもある大森記詩が「ミキシング/キットバッシング」の手法で作り上げたオリジナルSFメカを、その製作プロセスとともにお届けする連載企画MIXINGSCAPE。今月も多種多様な形状のパーツから生まれる新たなフォルムの数々をお楽しみいただきたい。


 ”シェパーダ”は、ベリアン・カーレイグループ(BCG)傘下のトライウル社によって開発された偵察用モロッサーである。テクノメジャーによる抗争の時代、主に戦勝企業連合帯コントーラにおいて急速に実用化が進んだ人工筋肉などの生体再現部品を組み込まれたハイブリッド機や、BCG軍需部門の主力製品であるバトルクローラーといった中・大型の高火力機体の登場によって、各陣営は保有する歩兵戦力がこうした機体と対峙、あるいは協働することを想定した独自の装甲化/機械化計画を推進した。そして、歩兵火力や機動力の大幅な強化と合わせて注目されたのが、機械化歩兵と協働しながら威力偵察や観測による情報収集、目標誘導といった各種機能を備えた支援機体の導入である。こうした要望を受けたトライウル社では、すでに実用化されていた同社の小型無人四脚歩行機であるモロッサーシリーズの中で、一般的であった市街地での作戦行動だけでなく、捜索救難用として不整地でも多くの実績があったメリーデをベース機として選択した。ユーライア統合収集ユニットの搭載を前提として、機体サイズはヒューマンスケールマシンを基準に大型化され、これによって稼働時間も従来機から大幅な延伸を実現している。本機はBCGがバトルクローラーの供与で強力に支援していたマハルウィッパーで試験と調整が行われた後、武装偵察隊を中心に反テクノメジャー勢力で広く運用された。


▲犬科の骨格を参考にして再びの四脚メカですが、今度は重心高めです。胴体の芯棒は真っ直ぐにしてしまうとフォルムが単調になってしまうので、ザ・背骨といった構成で前後を繋いでみました
▲芯棒ができたら機関部から作っていきます。工作・塗装時に便利なので着脱できるようにしました。こちらも角棒を芯にキャラクターモデルのインナーパーツを付けつつ、両脚とのクリアランスを見ながらプラ丸棒やコードを這わせたり隙間に詰めていきます
▲機関部がある程度できあがったら、お待ちかねの背骨です。形が連続しているので、ここはお馴染み戦車の履帯、足周りのスウィングアームをディテールにしていきます。丸パイプを組み合わせ、そこにコードを通すとよりフレキシブルなイメージになりますし、アルミ線+接着だけよりも剛性を出すことができます。さらに剛性をとなったらいつも通りエポパテカバー/シーリングなのですが、そうするとこの機体ではほとんどパジャマ仕様(のビッグフットが好きです)になってしまうので、ディテールが見えるようにパッド状の装甲でまとめました
▲機関部の取り付け周りも繋がりを意識しながらコードを配していきます。想定しているスケールに対してちょっと細かくなりすぎている感があったところ、BANDAI SPIRITS仮面ライダーキットの足パーツなどを組み込んで調整します
▲背面上部は流用パーツ界の大ベテランである8輪装甲車の車体で外装を作りました。往年では1/35が使われていることが多かったと思いますが、今回は1/48スケールのキットがぴったりでした。索敵ユニットは30mmプラ球にプラ板箱組みを合わせて、艦船パーツも使っています
▲1/6で人間サイズに近いという想定なので、フックや荷物を載せられそうなポイントを設けるなどなどの調整をして工作は完成です。夜道に出会いたくない感じで最高ですね(だいたいどれもそうだし、昼間でもこわいですね)。No.005のような四脚メカや機械化歩兵の周りにこれが複数随伴していたりするわけです。SF世界の光景としてはグッと来るわけですが、民生以外で現実の光景としては目にしたくないな(一部実現していますが)と、そんなことも思ってしまう現在なのでした

1/6スケール スクラッチビルド

トライウル社製
偵察用モロッサー
TUM-16R “シェパーダ”

製作・文/大森記詩

全高30.5cm×全幅13cm×奥行36cm


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