HOME記事キャラクターモデル祝再販!!『ダンボール戦機W』LBX ペルセウス & エルシオンを当時の定番工作と最新マテリアルで製作しよう! 林哲平によるHow toをお届け!

祝再販!!『ダンボール戦機W』LBX ペルセウス & エルシオンを当時の定番工作と最新マテリアルで製作しよう! 林哲平によるHow toをお届け!

2024.10.11

LBX ペルセウス、LBX エルシオン【BANDAI SPIRITS 1/1】 月刊ホビージャパン2024年11月号(9月25日発売)

LBX ペルセウス & エルシオンがプレミアムバンダイで復活!

当時できなかった工作や塗り分けを定番&最新マテリアルで楽しく攻略!

 2011年3月から放送された『ダンボール戦機』の続編『ダンボール戦機W』より、ダブル主人公のふたりが使うLBX「ペルセウス」と「エルシオン」がプレミアムバンダイで当時のランナー仕様をそのままに復活! それに続き「イカロス・フォース」と「イカロス・ゼロ」の受注も開始され、以降のラインナップにも期待が高まる。そんななか、本記事では当時からLBXの作例を担当していた林哲平によるHow toをお届け。定番工作と最新テクニックのふたつの力で、一歩踏み込んだ工作や塗装に挑戦してみよう!

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●1/1
●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

LBX ペルセウス LBX エルシオン

●各1540円、受注中、2025年1月〜発送予定(2次)

LBX イカロス・ゼロ LBX イカロス・フォース

●各1760円、受注中、2025年1月〜発送予定


『ダンボール戦機』のプラモデルが初心者にオススメな理由

パーツがまとまっている

▲使用するパーツが部位ごとに近くに配置されているため、説明書に書いてある番号のパーツを数あるランナーから探すという手間が解消されています

部位ごとに作ることができる

▲箱を開けたときは1枚のランナーですが、手でパキッと折ることで簡単に部位ごとのランナーに小分けすることができます

タッチゲートを採用

▲ニッパーが無くても手でパーツをもぎることができます。ゲート処理の手間がかからないので、一気にプラモが完成して楽しいですよ

使う道具、マテリアル

01 スミ入れ

▲リアルタッチマーカーは指先やティッシュなどで気軽に拭き取れる良いアイテムです。ガンダムマーカー スミいれ用<ブラック>は油性で、太いスジ彫りを塗りつぶすために使います

02 部分塗装

▲ガンダムマーカーは細部の塗装に便利です。水性ホビーカラーは溶剤の匂いが少ない水性塗料で、アクリジョンは塗り重ねても下の塗膜が溶けないので、塗り分けが多いLBXの塗装にピッタリです

03 広い面

▲筆塗りだとムラになりやすい大面積の塗装には缶スプレーを使います。プレミアムトップコートつや消しは仕上げ用のコート剤で、塗ると成型色でも、全塗装したかのような高級感ある仕上がりになります

もう一度基本からやってみよう!

▲タッチゲートのパーツを切り離した跡は、デザインナイフでゲート跡を整えましょう。ニッパーでも手もぎでも、これで見映えが抜群に良くなります
▲ランナーからちぎるように切り離すタッチゲートは、どうしても跡が白くなる部分ができてしまい、気になることがありますよね。ここは色が近いリアルタッチマーカーでゲート跡をリタッチすれば、ほぼ目立たくなります
▲各部のスジ彫りには、リアルタッチマーカーでスミ入れを施してみましょう。まずはディテールに沿って、マーカーで書き込んでいきます
▲はみ出した部分は指でこすったり、ティッシュで拭き取ればOKです。どうしても色が残ってしまう場合は、後の工程で紹介している家庭用中性洗剤を使って拭き取れば、プラを痛めることなく、キレイに仕上げることができますよ

リカバリー+ワンポイントで完成度を高める!

▲太いスジ彫りはガンダムマーカースミいれ用<ブラック>で塗りつぶすように塗装します。このマーカーは当時販売されていたLBXカスタムマーカーと成分がほぼ一緒のため、キットとの相性は抜群です!
▲おおっと! うっかりマーカーがはみ出してしまいました。ここはデザインナイフの刃先ではみ出した部分を削り落とせば一瞬でリカバリーできます。成型色を活かした仕上げならではの時短法です
▲足首のボールジョイントをフレームと同系色のグレーで塗ってみましょう。こうすることで、中にコアスケルトンが入っているように見え、LBXらしさをより強調することができますよ
▲正面から見えるアーマー裏などは「影色」として、黒く塗り潰しておきましょう。こうすると重量感のある、ロボットらしい印象に仕上げることができます

シールと塗装のいいとこどりで塗り分けも楽しもう!

▲LBXを作るとき、塗り分けをどうしようか結構悩みますよね。ここからは塗料の特性を活かして、ペルセウスの後頭部を塗り分けてみましょう。まずは成型色を残したい頭頂部をマスキングします
▲Mr.カラースプレー(ラッカー塗料)のコバルトブルーで後頭部を塗ったあと、アクリジョンベースホワイト→オレンジイエローで中心のボルト部分を塗り分けます。水性エマルジョン系塗料は塗り重ねても下地が溶けないので、アクリジョンベースなどから塗り重ねれば発色が難しい色でも鮮やかに塗装できるのです
▲アクリジョンがはみ出した部分は家庭用中性洗剤を染み込ませた綿棒で拭き取ります。家庭用中性洗剤はプラスチック部分やラッカー系塗料の塗膜を侵さないので(今回はコバルトブルー部)、キレイにリカバリーすることができます
▲LBXは彩色を手軽に再現できるシールが豊富に付属します。今回はこちらもできる限り活用します。ピンセットを使えば、細かい部分への貼り付けもスムーズです
▲部分塗装が終わったら、仕上げにプレミアムトップコートつや消しを全体に吹きます。成型色ながら、まるで全塗装したかのような質感に仕上がります。また、目やセンサーなどのメタリックシールはツヤ消し後に貼り付けるとキラキラ感をさらに演出できますよ
▲武器の刃はMr.カラースプレーのシルバーで塗り分けています。フラットな色とキラッと輝くメタリック部分でメリハリがつき、華やかな仕上がりになりました

プラ板で作ったマントをなびかせよう!

▲LBXのマントは説明書を切り抜く紙製ですが、今回はプラ板を使い、強度が高くて迫力あるマントを作ってみましょう。マントの素材となるのはタミヤの0.2mmプラペーパーです
▲本工程の必須アイテムが「ヒートガン」です。これでマントを温め、熱で変形させてマントに表情をつけます。今回は4000円程度のものを使用しています。マントを手で持つとやけどをしてしまうので、ペンチなどで保持しましょう
▲プラ板は真っ白なので、切り抜いた後はマントを設定の彩色に塗装します。面積が広いので、缶スプレーで塗装すると均一に美しく仕上がります。たわまないよう板に両面テープで貼り付けて両面を塗装しました
▲ここからはヒートガンの熱風を当て、変形させていきます。コツは、一気にやろうとしないこと。一度に熱しすぎてしまうと、形状を保てなくなったり、プラが焦げたりするので、少しずつ作業しましょう
▲マントに表情をつけることができました! 熱加工は慣れるまではなかなか大変で、失敗が普通です。私も2枚ほど練習してから本番に取り掛かりました。事前の練習をしっかりしておくのが成功の秘訣です

プラ板で肉抜き穴を攻略!

▲ペルセウスソード裏側の肉抜きは、パテで埋めると重くなり手で保持しずらくなるので、今回はこれにプラ板でフタをして、グレードアップしてみましょう
▲まずはプラ板を接着しやすくするために写真で赤く着色した部分をデザインナイフやヤスリで削りましょう。0.5mmのプラ板の厚みくらいが目安です
▲削り終わったらプラ板を貼って肉抜き穴を埋めていきます。まずはプラ板をだいたいの大きさでハサミでカットし、速乾タイプの流し込み接着剤で接着します
▲フチに沿ってカットし、先端を尖らせます。プラ板と武器の隙間は低粘度速乾タイプの瞬間接着剤で埋めたあとヤスリがけをして表面を整えましょう
▲プラ板の白色はしっかり塗装します。Mr.カラースプレーで刃にシルバー→マスキングして刀身にジャーマングレー→柄にニュートラルグレーを塗装し、ツヤ消しトップコート。マスキングを剥がして最後に水性ホビーカラーのブラックで黒を塗り分ければ完成です

■LBXが、子供たちが帰ってきた!
『ダンボール戦機』シリーズが始まったのは2011年のこと。もう13年も前になるんですね! びっくりです。当時『W』、『WARS』まで含めて、ホビージャパン誌上で毎月のようにLBX製作のHow Toを担当しておりました。
 当時、子供たちにLBXが大ヒットしたことは実はかなり驚きでした。というのも、プラモデルはその時期ハイターゲット向けが斜陽の時代であり、子供たちがまた入ってくるようなことは起きないだろう、と思っていたのですが……、LBXのプラモデルがそれを覆しました。当時は多くの模型店で、子供たちが帰ってきた、LBXの売れ行きがスゴイ! と話題になっていたのを昨日のことのように覚えています。

■若返るプラモデル文化
 月刊ホビージャパンでは『ダンボール戦機』から入った多くのモデラーさんが、現在では腕を上げ、大活躍されています。『ダンボール戦機』はモデラーの平均年齢を下げ、日本のプラモデル文化の寿命を確実に伸ばしたと私は思っています。
 今回製作したペルセウスとエルシオンは当時の簡単How Toを踏襲しつつ、ツヤ消しや工作的なプラスαを加え、10年経ってLBXを再び手にして、当時は上手くできなかったけれど、今もう一度頑張ってみたい! というモデラーさん向けに少しレベルアップした内容としています。ぜひ、作ってみてくださいね。そしてこの2体を作ると、アキレスD9やオーディーンMk.2、ほかにももっとたくさんの機体を作りたくなってきますね!

製作・文/林哲平

BANDAI SPIRITS 1/1スケール プラスチックキット

LBX ペルセウス

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プレミアム バンダイ

ⒸL5/PDS・TX

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林哲平(ハヤシテッペイ)

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