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ミニチュアモデルの塗装はドライブラシと面相筆でお手軽に!高機動型ザクⅡをシタデルカラーで簡単に仕上げる

2024.08.14

ドライブラシで手軽に立ち上げ、細部は面相筆で。/MS-06R-1 ザクII(ア・バオア・クー防衛隊仕様)【バンダイ】 月刊ホビージャパン2024年9月号(7月25日発売)

ドライブラシで手軽に立ち上げ、細部は面相筆で。

性能抜群の水性塗料「シタデルカラー」で適度に手を抜きながらミニチュアモデルを最大限楽しむ

 ミニチュアモデルというと、「細かくてよく見えないし、何なら手が震えて上手く塗れない!」という意見も多く聞きますが、案外これって大多数の人が抱える悩みなのではないでしょうか? 今回は、本誌でウォーハンマーをはじめとした多くのミニチュアモデルを手掛けるぷらシバにこの質問をぶつけてみました。本記事ではぷらシバにガンダムアーティファクトの高機動型ザクⅡをア・バオア・クー防衛隊仕様をイメージした緑色に塗ってもらい、その過程でミニチュアモデルを塗るコツや、クオリティを落とさずに手軽に楽しく塗る方法を教えてもらいました。

ぷらシバ

本誌連載「神レシピ」や「ターナーアクリル通信」などで繊細な筆遣いによる作例を多く手掛ける敏腕ミニチュアモデラー。普段は仕事の休み時間に筆塗りを楽しんでいる。ホビーグラスは必須!


ぷらシバの筆塗りはここをチェック!

ドライブラシを使ったお気楽塗りと面相筆での繊細な塗りのハイブリッド

▲小さいサイズのプラモを塗るとき、すべてを丁寧にじっくり塗っていると肩が痛くなったり、目も疲れてしまいがち。今回ご紹介するのは、ガンダムアーティファクトのディテールの密度を生かした筆塗り。ドライブラシで立ち上げ、面相筆を使って細部を塗り分ける。適度に息を抜きながら無理のない範囲で筆塗りを楽しもう

使用する主な筆

▲ドライブラシにはドライブラシ専用の筆を使う。サイズはさまざまで、動物の毛を使用したコリンスキー筆をよく使用している
▲サイズ違いの面相筆を3種用意。塗料の含みがよく、先端が尖って狙いを定めやすいコリンスキーの筆を愛用している

Start

黒サフから立ち上げる!

▲シタデルカラーの「ベース」は非常に隠蔽力が高い塗料のため、下地がどんな色でも一気に色が乗る。今回は、下地を残しながら塗ることでスミ入れをしなくても立体感が出る「黒立ち上げ」で塗っていく

ドライブラシで圧倒的な時短を図る

 筆先が少し乾いた状態でプラモを撫で、プラモの出っ張ったところに少しずつ色を乗せる”ドライブラシ”で自然なグラデーションを演出します。

▲塗料をよく振って撹拌し、フタを開ける。ベロに付いた塗料を少量筆に付ける
▲筆に付いた塗料をほとんど拭い、筆先を少しパサ付いた状態にする
▲ザッと表面を撫でる。最初は、プラモに色が付くか付かないかわからないくらいで塗り始めると失敗が少ない
▲細かいパーツはペイントグリップ&練りゴムがオススメ! 手が震えず、狙いを定めやすくなる
▲ベースの上からレイヤーカラーをドライブラシ。2色だけでフレームの陰影表現が完成した

細かい塗り分けは面相筆で!

 ここからは細部を塗り分けていきます。塗料を含んだ時に、筆先がしっかりまとまる筆を使うと非常に塗りやすいですよ。

▲ベース インキュビ・ダークネスでベタ塗り。この時点ではいくらでもリタッチが利くので、厚塗りにならないようにだけ注意して塗装する
▲ベース グァーグ! フレッシュで面の中心に色を薄く乗せる。複数の色を段階的に乗せていくことで立体感が強調される
▲レイヤー ロゥレン・フォレストでさらに色の階調を作っていく。レイヤーカラーでしっかり色をなじませよう。筆が震える場合はヒジを机に固定するといい
▲レイヤー ナーグリング・グリーンで、光が強く当たりそうな部分にハイライトを入れる。筆を持っている手の小指をプラモに付けると筆先がさらに安定する
▲汚れが集中しやすい下半身は少し黄色の色味が強いレイヤー オグリン・カモでハイライトを加える

集中力が試される”目入れ”が楽しい!

▲レイヤーのエンペラーズ・チルドレン、カコフォニー・パープル、ディープキン・フレッシュの3色を順繰りに塗っていき、発光状態を表現。シタデルカラーなら失敗しても台所用洗剤で何度も拭ってトライできる

細部の塗装は筆塗りの独壇場!

▲隠蔽力の強いベース メフィストン・レッドを使用して脚部のワンポイントを塗り分け

完成!

▲ドライブラシで付けた陰影が上塗りにも反映されていて、バランスのいい作例に仕上がっている


失敗は不安だけど一歩踏み出せば世界は広い!

 シタデルカラーの筆塗りでガンダムアーティファクトを塗りました。パーツの分割を見て筆塗りが不安と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、いやむしろグラデーションが塗りやすいので映えますっ!
 パーツをある程度組んで塗ってますが、分割の妙でキッチリ塗料が収まってくれるので、塗り分けに神経質にならなくてもある程度のはみ出しはキットが抑えてくれます。
 装甲の緑部分の筆塗りは、コントラストを強めに色を変えて重ねていますが、サイズ感のおかげでグラデーションがあまりうまくいっていなくてもいいおさまりになります。筆目をあえて残してみるのもいいですよ。
 失敗は誰でも不安で怖いものだと思うのですが、カラーが筆を通してパーツに直接触れる感覚ってけっこう気持ちいいので、はじめてでもベテランペインターのつもりになっていろいろな筆を使ってみてその感覚を楽しんでみましょう! 塗っていくうちによし! うまくなってる! と感じると思います。そして、いつのまにか技法が身について、スッと塗れてることの喜びをしっかり感じられたらもうベテラン筆塗りペインターです!!

バンダイ ノンスケール プラスチックキット “ガンダムアーティファクト”第4弾 高機動型ザクⅡ(オルテガ機)使用

MS-06R-1 ザクⅡ(ア・バオア・クー防衛隊仕様)

製作・文/ぷらシバ

ガンダムアーティファクト第4弾
●販売元/バンダイキャンディ事業部●550円、発売中●約5.5cm●プラキット●全6種+レアカラー●ガム1個付属

ⓒ創通・サンライズ

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