ラッカー塗料の筆塗りでイタリアのアイコンを塗り上げる
すべてのプラモデルを対象に、筆塗りの楽しさをみんなで共有していく本連載「筆塗りTribe」。今回のテーマは「カーモデル」です。カーモデルというとエアブラシ塗装によってピカピカに仕上げられたものが模型誌を彩っていますが、車模型の仕上げ方はそれだけではありません。もちろん筆塗りで楽しんでもいいのです!
今回は「ラッカー塗料を使用した筆塗り光沢仕上げ」で車模型を楽しんでみます。使用するキットはタミヤから再販された「1/24 フィアット500F」。イタリアを代表する名車で筆塗りトライブならぬ筆塗りドライブといきましょうぜ!
(構成・文/フミテシ)
今回のパイセン
イフェ/マシーネンで本格的に模型に出戻り、ラッカー筆塗りをメインに何にでも手を出す雑食モデラー。エアブラシは下地を塗る時などに使用。渓流釣りシーズン中は山に篭りがちな野営派の125ccクロスカブ乗り。
フィアット500はどんな色も受け入れてくれる。
自動車プラモの楽しさと豊かさを思いっきり楽しもう。
▲この写真は2017年にイギリスで開催された「グッドウッドリヴァイバル」の様子。サーキットを多数のフィアット500がパレードするイベントが行われました。この写真を見てわかるとおり、さまざまなボディカラーが目に飛び込んできますね! 各オーナーが好きな色に仕立てているのです。こんなにも自由で、そして人を笑顔にさせてくれる車はなかなかありません。この景色だけでも「フィアット500は自由に楽しく作っていいんだ」と思わせてくれます。プラモデルを手に取ったら、ぜひあなたの大好きな色で塗ってみてください。(photo/フミテシ)
待望の再販!
新規デカールとマスクシート
エンジンも魅力です
今回のキーアイテム
フィルバート筆
陶器の梅皿
レベリングうすめ液と筆洗い用の溶剤
曲刃のナイフ
下準備はOK?
下地で明暗を作っておきます
持ち手は「木」??
フィギュアを添えてみよう!
ラッカー塗料の筆塗りスタート!
グレーでシックに
少量を梅皿に移します
中央には「レベリングうすめ液」を!
筆に塗料を含ませる準備
塗ったらしっかりと乾かす!
乾燥待ちの間は筆を洗う
ドライヤーは使わない!
乾燥中にホコリを見つけたら
慌てず慎重に
ホコリ除去後はべたっと塗らないように
筆目の調整
塗り重ね時の濃度調整のポイント
各面4回ほど塗り重ねた状態
筆目のチェック
じっくり乾燥させることで見えるもの
FIAT 500F
じっくり自然乾燥させることで生まれる「レベリングうすめ液による平滑な塗面」。
まさに安全運転な筆塗りです
──イフェさんのプラモとの出会いを教えてください
イフェ:父が自衛官ということもあり、ハセガワのたまごひこーきシリーズを買ってもらって作っていました。その他には日東から出ていたダイアクロンのプラキットとかでよく遊んでいました。たまごひこーきは組んだあとに、筆でペタペタ塗って完成させてました。
──すでに筆塗りまで楽しんでいたんですね! その後はどんなものを作っていたんですか?
イフェ:『ガンダム・センチネル』の洗礼を受けまして、その時見たゼータプラスがかっこよかったので、ギャプランをゼータプラスのようにロービジカラーで塗ったりして遊んでいました。中学生くらいの頃ですかね〜。その後、社会人になるまではいったん模型から離れました。
──また模型を始めたきっかけは何だったのですか?
イフェ:「HGUC V作戦セット」です。新聞を読んでいたら、一面を丸っと使ってこのプラモデルの広告が入っていたんです。「今のプラモデルってこんなにかっこいいの!? ちょっと作ってみたいぞ!!」ってなったんですよ。買って組んでみたら、色分けも完璧、成型色も最高にかっこいいので、一気にプラモの世界に引き込まれました。そしてその勢いでMGドムも買ったんです。復帰した当時は「成型色」の衝撃がすごくて、塗らずにめちゃくちゃかっこよく仕上げてみよう! ということに夢中になっていました。今でいう「簡単フィニッシュ」を突き詰めまくって、MGドムを2ヵ月くらいいじってたと思います。簡単フィニッシュとは……ってなりそうですが、それがめちゃくちゃ楽しかったんです。
──塗らないモデリングから、また塗るようになったきっかけを教えてください
イフェ:マシーネンクリーガーです。ワンダーフェスティバルに行った時に、偶然にも月刊ホビージャパンでも活躍しているマシーネンモデラーと知り合いになれたのです。そこで筆塗りの楽しさ、マシーネンの楽しさを教えてもらい、今の製作スタイルになりました。この出会いがなければ、筆塗りを今のように楽しんでいなかったかもしれません。
──筆塗りで楽しいと思うことを教えてください
イフェ:終わりがないのが楽しいです。いつでも好きな時にペタペタ塗れて、その時のテンションやイメージで仕上がりを変えていける。これは筆塗りならではの楽しみとリズム感だと思います。準備も少なくて済みますしね。そんな楽しみ方を私はマシーネンの生みの親、横山宏先生の「モデリングブック」で知りました。模型の楽しさが詰まっているので、読んだことがない人はぜひ読んでほしいですね。
タミヤ 1/24スケール プラスチックキット
フィアット500F
製作・文/イフェ
1/24 フィアット500F
●発売元/タミヤ●2420円、発売中●1/24、約12.4cm●プラキット