HOME記事ガンダム「MG νガンダム Ver.Ka」を『逆シャア』のイメージで製作! スッキリとしたシルエットにこだわる! ディティールを足し引きする方法も

「MG νガンダム Ver.Ka」を『逆シャア』のイメージで製作! スッキリとしたシルエットにこだわる! ディティールを足し引きする方法も

2024.05.18

RX-93 νガンダム【BANDAI SPIRITS 1/100】●TONKA 月刊ホビージャパン2024年6月号(4月25日発売)

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 特撮

ディテールの足し引きで
スッキリとしたシルエットを目指す

 1988年に公開された映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、因縁のライバルであるアムロとシャアの最後の対決が描かれた作品で、アムロ最後の搭乗機であるνガンダムは歴代ガンダムの中でもトップクラスの人気を誇る。宇宙世紀の時間軸でいえば『ガンダムUC』よりも前の時代にあたるが、MG Ver.Kaにおいてはユニコーンガンダムの5年後に「MG νガンダム Ver.Ka」が発売となった。本アイテムは「ガンダムフロント東京」内のDOME-G映像と連動したデザインとなっており、その特徴でもあるサイコフレームが露出した姿を“発動”モードとして再現している。TONKAによる作例ではあえてこの発動モードをオミット。変形ギミックとして必要な分割ラインをフラットに整形し、一部にはモールドを追加するなど、ディテールの足し引きによって映画に登場したνガンダムのイメージに寄せている。

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 
▲ビーム・ライフル、シールド、ニュー・ハイパー・バズーカ、ビーム・サーベルというスタンダードな武装に対して、片翼のようなフィン・ファンネルを装備した左右非対称のシルエットが特徴のνガンダム。キットは発動モード再現のために外装の分割やパネル面で色分けが施されているが、作例では発動モードをオミットしたことで、不要になるパネルラインをフラットに整形。パネル面での色分けもなくすことで全体的にスッキリさせている
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 背面
▲6基装備されたフィン・ファンネルは4基が閉じた状態、2基が開いた状態でマウントされている。バックパックの左側にフィン・ファンネルをマウントするので、2本装備するビーム・サーベルの内、1本は予備サーベルとして左前腕に収納されている
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 頭部製作途中
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 頭部

▲頭部はやや面長な印象のフェイスを削り込みで小顔化。アゴは上部にプラ板を貼り足して頂点の位置を変更することで、印象を変えている

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 胴体製作途中
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 胴体

▲胴体がやや上下に詰まった印象なので、発動モードのギミックを活かしつつ、腹部外装とフレームを4mm延長して下半身とのバランスを調整。胸部天面はプラ板を貼り足してボリュームアップした

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 肩アーマー
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 肩アーマー製作途中

▲肩アーマーは天面にプラ材で作ったフレームモールドとスジ彫りによるパネルラインモールドを追加。側面のバーニア内部は市販の金属パーツでディテールアップしている

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 腰部フロントアーマー製作途中
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 腰部フロントアーマー

▲腰部フロントアーマーは発動モードをオミットしているので、外装を取り付けていない状態でフラットに整形してモールドを追加

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 脚部製作途中
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 脚部

▲脚部は太モモ外装の色分け部をフラットに整形。ヒザとスネの折れ曲がり部にパテを盛ってエッジを立たせている。スネ下部は元のパネルラインをフラットに削り込んでからプラ板を貼り足して形状をくっきりさせつつ裾を5mm延長している

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 つま先製作途中
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 つま先

▲つま先にプラ板を貼り足して面取り部をなくし、設定画の印象に近付けた

before⇒after

「MG νガンダム Ver.Ka」素組み
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 比較

▲キット素組み(左)と製作途中状態。発動モードをオミットしたことでフラットに整形している箇所が分かりやすく確認できる。クリアーグリーンのサイコフレームパーツはスタンダードなムーバブル・フレームとしてグレーで塗装しているが、一部のギミックは開いた状態にすることで、外装の隙間から内部フレームが見えるパネルラインモールドとして活用している

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 フィン・ファンネル製作途中
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 フィン・ファンネル製作途中2
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 フィン・ファンネル製作途中5
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 フィン・ファンネル製作途中4
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 フィン・ファンネル製作途中3
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 フィン・ファンネル製作途中6

▲フィン・ファンネルはRGキットを参考にパネルラインモールドを追加してディテールアップ。部位ごとに専用の治具を製作してシャープペンで下書きを行っている

「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 フィン・ファンネル
▲各部の下書きが終わった状態。下書きに沿ってガイドテープを貼ってからタガネで彫り込んだ
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 ビームライフル構え
▲DOME-G映像のνガンダムは全身にサイコフレームが組み込まれているが、映画での設定ではコクピット周辺のみに組み込まれていることが説明されており、それを裏付けるかのようにα・アジールとの戦闘でコクピット周辺から緑の光が漏れる様子が描かれた
「MG νガンダム Ver.Ka」TONKA作例 フィン・ファンネル飛ばし

 このνガンダムは私が一番最初に購入したMGキットでした。当時パッケージアートに一目惚れして手に取ったことを覚えています。“サイコフレーム”、素敵な響きですよね。何度この言葉を口にしたことか(笑)。グリーンに発光するサイコフレームが今でもかっこいいと思っていますが、映画の設定ではサイコフレームはコクピット周辺のみなので、今回の作例ではグリーンのクリアーパーツはすべてグレーのフレーム色に塗り替えて一体化させました。クリアーパーツを見せるためのスライド展開する装甲も意味を持たなくなりますので、ギミックをオミットしたり、一部は半固定して隙間をディテールとして見立てたりしています。
 本体の改修は面長な印象のフェイスを小顔化、腹部を外装とフレームで4mm延長、これだけでもかなり印象が変わります。腰部フロントアーマーは、一度プレーンな状態にしてからディテールを入れています。中央は大判デカールを貼るためシンプルにしました。脚部はプラ板で裾を5mm延長してなるべく関節が見えないようにしています。また、アムロ・レイのパーソナルマークは赤色の塗り潰しなのですが、白い機体をスッキリさせたいので、白抜きのデカールを用意しました。
 フィン・ファンネルはどことなくRG風にスジ彫りを追加しています。12基あるので、それをすべて下書き→ガイドテープ→タガネでスジ彫りしていくと膨大な時間と精度の個体差が生まれてしまいます…。そこで6種のスジ彫り用テンプレートを製作。左右対称になるように反転させて使用し、シンメトリーを確保しています。こういった治具を作る場合、必ずズレ防止に2点以上の面で設置する基準点を設けています。取り付けてもっとも安定する形に設計しましょう。

■塗料
 白=MSホワイト
 灰=ニュートラルグレーⅡ+ニュートラルグレーⅢ
 青=スレートブラック
 黄=マンダリンイエロー
 赤=名鉄スカーレット
 フレーム=メカサフ ヘヴィ+メカサフ スーパーヘヴィ
 バーニア=フレームメタリック[1]
 パイプ等=ニュートラルグレーⅡ

「MG νガンダム Ver.Ka」パッケージ

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット“ マスターグレード”νガンダム Ver.Ka 使用

RX-93 νガンダム

製作・文/TONKA

MG νガンダム Ver.Ka
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョンクリエイション部●7700 円、発売中●1/100、約22cm●プラキット


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