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「MGユニコーンガンダム Ver.Ka」実物大立像を参考にディテールや塗装でサイコフレームの発光を表現!

2024.05.16

RX-0 ユニコーンガンダム【BANDAI SPIRITS 1/100】●えめす@ifrit 月刊ホビージャパン2024年6月号(4月25日発売)

「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 特撮

外装の塗り分けとサイコフレームの蛍光塗装で実物大立像感を演出

 福井晴敏氏による小説作品として描かれ、のちにOVAとして映像作品化された『機動戦士ガンダムUC』。本作の主人公機であるユニコーンガンダムを初立体化したものが「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」である。2007年に発売されたキットは、本機最大の特徴であるユニコーンモードからデストロイモードへの“変身”を一部パーツの付け替えのみで再現した秀逸な内容であり、その後発売されるバリエーション機体や別ブランドキットなど、すべてのユニコーンガンダムアイテムの基礎となっている。こちらの作例はえめす@ifritが担当。実物大ユニコーンガンダム立像を参考に外装をツートーンカラーにすることで面にメリハリを加え、サイコフレームはメタリック塗料と蛍光塗料の組み合わせで内部から光を発しているように見せている。

「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 ユニコーンモード
▲ユニコーンモードは全身がほぼ白一色になるので、お台場の実物大ユニコーンガンダム立像を参考にスジ彫りによるパネルラインと外装の塗り分けを追加して面にメリハリを加えている
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 ユニコーンモード背面
▲ビーム・マグナムとハイパー・バズーカはバックパックにマウント可能。どちらもマガジンの着脱が可能で、腰部リアアーマーに取り付けることができる
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 コックピット
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 バナージパイロットスーツフィギュア

▲キットにはコックピット搭乗姿勢および立ち姿のバナージ・リンクス(パイロットスーツ)フィギュアが付属するので丁寧に塗り分けた

「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 頭部製作途中
▲頭部に対してガンダムフェイスがやや小さく見えるので、プラ板を貼って大型化。ユニコーンモード時に内部で干渉するので、ユニコーンフェイスの内側をリューターで削ってクリアランスを確保した
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例製作途中 首のインナーパーツ
▲首のインナーパーツを中央でいったん切断し、プラ板をはさんで1mm延長。補強のために真鍮線を通している。この工作で首の可動域が広がった
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例製作途中 腹部パーツ下面
▲腹部パーツ下面にプラ板を貼り付けて外装で2mm、接続軸で2.5mm延長している。こちらも補強のために1.5mmの真鍮線を通している。首の加工と合わせて、全体的に脚が長めな印象を緩和している
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例製作途中 肩アーマー
▲肩アーマーがやや小さく見えたので、下面と側面に1mmのプラ板を貼り足して大型化
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例製作途中 肩アーマー上部
▲肩アーマーの上部ラインにもう少し表情を付けたかったので、肩付け根パーツを斜めに削ることで肩を反らして胸を張ったポーズがとれるようにした
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例製作途中 股関節スライドギミック
▲脚をよりハの字に開いて立たせられるようにするため、キットの股関節スライドギミックをオミットし、プラ板を貼って脚の軸受けを外側に1mm幅増し。太モモ内側のパーツも削り込むことで、さらに可動域を広げた
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例製作途中 太モモ
▲太モモを2mm短縮。黒く塗った部分を削ることで、変身に影響が出ないようにしている
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例製作途中 かかと
▲かかとが若干長く見えたので削り込みで3mm短縮。プラ板を貼り付けて接地面を安定させ、ディテールを追加
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 デストロイモード
▲サイコフレームは全体的にメタリックレッドで塗装し、モールド部分にエナメル塗料の蛍光レッドでスミ入れすることで、ブラックライトを当てたときに内部から発光して見えるようにした
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 デストロイモード背面
▲デストロイモードのリアビュー。スラスターノズルは底面部分にシルバー→蛍光クリアーを塗装することでブラックライトに反応する。白と赤のツートーンのなかで青白い光が目を惹くアクセントになっている
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 episode 1で初めてユニコーンモードからデストロイモードへ“変身”したシーン再現
▲episode 1で初めてユニコーンモードからデストロイモードへ“変身”したシーンでは、足下から徐々に外装が割れてサイコフレームが露出していく様子が丁寧に描かれた
「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」えめす@ifrit作例 ポージング例
▲作例は一部可動範囲を広げている箇所もあるが、それでも“変身”ギミックと全身可動の両立を今から約16年前に実現させた本キットのポテンシャルの高さに改めて驚かされる。のちに“変身”の完全再現と別売りのLEDユニットを使用することでのサイコフレームの発光を再現したPG、極小ギミックで1/144スケールに“変身”ギミックを凝縮したRG、新型のLEDユニットの採用で「極限の発光表現」に挑み、サイコフレームの色調変化をも可能としたMGEXがリリースされ、ガンプラの技術進化とともに新たな表現方法がトライされてきたが、それもやはり本アイテムがあったからなのは間違いない。そして、2024年現在においてMGナラティブガンダム C装備 Ver.Kaとサイコフレームを介してリンクすることは、原点への回帰でもあり、新たな未来への一歩なのだろうと感じる

■フルサイコフレームの機体
 サイコフレーム特集ということでMGユニコーンガンダムVer.Kaの作例を担当しました! NT-Dが発動し、ユニコーンモードからデストロイモードに“変身”するので、全身の塗装クリアランス処理に重点を置きつつ、気になるプロポーション変更と、お台場の実物大ユニコーンガンダム立像をイメージしたディテールや塗装を施してみました。
■改修点
 全体に対して脚が長く見えるので、PGやRGと人体比率を参考にしながら上半身と下半身の長さが1:1に近付くようにプロポーションを変更してみました。工作内容は、首を1mm延長、肩を縦横に1mm大型化、腕の付け根を1mm短縮、腰を2mm延長、太モモを2mm短縮、股関節を横に1mm延長して引き出しギミックをオミット、かかとを3mm短縮、などで
す。また、頭部に対して顔が小さく見えるので、プラ板で大型化し、ユニコーンモード時の頬当て下端を1mm延長しています。全体的には立像のディテールを参考に、デフォルメしながらスジ彫りをやや追加してみました。
■塗装
 塗装が干渉しそうな部分を削り、全身のクリアランス確保を頑張りました。塗装イメージは立像を参考にして関節をメタリックに塗装したり、装甲は白一色ではなくパネルラインを意識して塗り分けたりしてみました。ツインアイ等のセンサー部分は蛍光グリーンで塗装し、同スケールのバナージフィギュアはシタデルカラーで筆塗りしています。サイコフレームは塗膜を厚くすると変形時に剥れてしまうので、塗膜分の厚みを丁寧にヤスリがけ。モールドは0.15mmタガネで彫り直してエナメル塗料の蛍光レッドでスミ入れ。ブラックライトを当てたときに、サイコフレームが内側から発光しているような表現を追加してみました。
■使用塗料
白=ニュートラルグレーⅠ、ニュートラルグレーⅠ+ライトガルグレーを3:1の割合
鉄=ガンメタル、グラファイトブラック
青=エヴァ ダークグレー
赤=プライマリーメタリックレッド
金=GXブルーゴールド
マガジン等=ウォーカーダークグリーン
センサー等=シルバー、クリアーグリーン、蛍光グリーン、蛍光クリアー
スミ入れ=ダークブラウン、蛍光レッド

「MG ユニコーンガンダム Ver.Ka」パッケージ

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”ユニコーンガンダム Ver.Ka 使用

RX-0 ユニコーンガンダム

製作・文/えめす@ifrit

MG ユニコーンガンダム Ver.Ka
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●5500円、発売中●1/100、約19cm(ユニコーンモード)、約21cm(デストロイモード)●プラキット


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©創通・サンライズ

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