ハセガワの“スーパーディテール”で甦る!ホンダの伝説的マシン「F1 RA272」をダクトの開口などのディテールアップでさらに完成度を高める!
2024.03.14ホンダの伝説的マシンがスーパーディテールで甦る!
豊富な金属パーツがセットされ、ワンボックスで精密感溢れるディテールを楽しめるハセガワの“スーパーディテール”にホンダの歴史的名車、RA272が登場。全長わずか15cmの車体に凝縮された、当時のホンダによる技術の結晶を畠中浩の製作でじっくりとご覧いただこう。
■ボディの製作
元々、非常に小さな葉巻型F1なので、1/24になると小ぶりなボディがかわいらしいです。全体の形状は大きな修正をしていませんが、完全に塞がっている日の丸付近のダクト3ヵ所とリアタイヤ前の左右ダクトを開口しました。メタルパーツのMB21はボディに嵌めると若干上部に隙間が開くのでエポパテを使って埋めてあります。ちなみにノーズはネオジム磁石を仕込んで固定しています。透明のウインドウスクリーンはいつもなら塩ビ板などで作り替えるところですが、今回はキットパーツのエッジを裏から薄く削り込んで磨きました。正直、磨く時に割れる恐怖や時間を考えると塩ビ板をバキュームフォームしたほうが楽だったなと思いましたけども(笑)。
■足周り
フロントサスはアッパーアームが左右で繋がって少々物足りない形状だったので、簡単な形状ですがダンパー側のロッカーアーム部分をプラ板で追加しておきました。また、左右のトラックロッドにもディテールを追加してあります。組み立ての際、リアのメンバー、E7を上下に広げてギアボックスにはめ込む構造ですが、これはかなり厳しい。ギアボックスを無傷で取り付けるのは無理と判断したので上下の爪を出来る限り短く切断して極端に広げなくてもいいように対処しました。ホイールですが、形状は良いもののフロントのリム部分にかなり目立つヒケがあるのでここはしっかり処理したいところです。作例ではタミヤの白プラパテを盛り、800番程度の紙ヤスリでチマチマと削って処理しました。
■金属パーツの処理
ディテールアップパーツとして、ホワイトメタル製のパーツとエッチングパーツが付属しています。大きなところではリアに伸びるエキゾーストパイプ。とても細い造形なのですが、自分が受け取ったパーツは接合部の細い所に「ス」が入っていた影響で折れてしまったので、いつも愛用しているアロンアルファの「プロ用耐衝撃」を使い、接合部には補強として0.3mmの金属線を仕込んで接着しつつ、同時に隙間埋めも行いました。エッチングパーツは切り出しさえ終われば特に難しいことはありませんが、フロントのラジエターサポートステーなどは本来丸いパイプなのでパーツのエッジをある程度落とし、雰囲気を出しています。塗装はプライマーの入ったタミヤのサーフェイサーを使いましたが、強度確保のため接着の際は必ず接着部分の塗膜を剥がして行いましょう。説明書では瞬間接着剤の使用が指示されていますが、位置決めが大変なので2液のエポキシ接着剤やセメダインのスーパーXなど、いわゆる「多用途接着剤」を使うと位置決めの時間もありしっかり固定出来て便利です。
■塗装など
ボディの細かいリベットのモールドなどをそのまま生かすため、下地のサフから極力薄い塗装になるよう気を配りながらエアブラシを使って塗装。ボディカラーのアイボリーホワイトは白をベースに少量の黄色、黒、青を調合。これ系の色は各部にしっかり色を乗せるのが案外難しいので、いつもより薄めた塗料を何度も吹き重ねつつリベット周辺などは塗り重ねる回数を減らすなどしてモールドを極力埋めないよう塗装しました。デカールで用意されている日の丸は塗装で済ませています。サークルカッターでマスキングテープをカットし、まずは赤になる丸を先に貼って正確な位置を出しておき、その後、丸に沿って外側のテープを貼ると何度も貼り直して糊を痛めることなく貼ることが出来ます。
仕上げは久しぶりのラッカーコート。ガイアカラーのクリアーを薄めに希釈して2回の塗り重ねで終了。恐る恐る研ぎ出して完了としました。最後に単体で塗装しておいたエッチングのファスナーを取り付けて完成です。
ハセガワ 1/24スケール プラスチックキット
ホンダ F1 RA272
製作・文/畠中浩(ももふく模形舎)
ホンダ F1 RA272“ スーパーディテール”
●発売元/ハセガワ●14190円、発売中●1/24、約15cm ●プラキット
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