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高価なツールは使わない! らいだ〜Joe式お気楽ウェザリングで MG シャア専用ザクを陸戦仕様に仕上げる!【ウェザリング特集】

2024.02.08

超カンタン&効果抜群!! らいだ~Joe式ウェザリングテクニック/ザクII陸戦仕様【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2024年3月号(1月25日発売)

高価なツールは使わない! らいだ〜Joe式お気楽ウェザリングで MG シャア専用ザクを陸戦仕様に仕上げる!【ウェザリング特集】

超カンタン&効果抜群!! らいだ〜Joe式ウェザリングテクニック

ランナー状態のまま塗装OK! 手軽でカッコいい「お気楽モデリング」

 今回のお題は、「早くて楽にウェザリングする方法とは?」。ガンプラを汚すのはとっても楽しい! けれども、毎月膨大な数の新製品が発売されている現状、1体1体をじっくり作り込むのはちょっと大変。できる限り手軽に汚して完成させて、たくさん机の上に並べてみたいのがホンネですよね。
 そこで登場するのが、月刊ホビージャパンを代表するウェザリングモデラー・らいだ〜Joe。その独特の作業工程やツール活用法、そして魅せる仕上げテクニックをこれまでも月刊ホビージャパンで披露している彼ですが、今回も水性塗料を中心にしたスピーディーかつ効率的な作業で見事な風合いのザクを完成させています。驚きのアイデアとヒントが満載な、らいだ〜Joeの「お気楽モデリング」。今回は第4回目の最終回! 前編もぜひご覧ください。

製作・解説/らいだ〜Joe

❶ランナー状態のまま水性ホビーカラーで塗装!
❷スポンジでポンポンとチッピング!
❸リアルタッチマーカーでサビ、雨垂れを描き込み&ぼかし
❹「濃すぎた汚し」はメラミンスポンジで削る!

 前回はコチラ!

 第1回はコチラ!


「汚して拭き取り」の繰り返しで歴戦のザクが降臨!

完成したMG シャア専用ザク Ver.2.0 正面

 そんなこんなで、MG シャア専用ザク Ver.2.0をグリーンに染めた陸戦イメージのザクが完成しました。キットの成型色と理想の色が異なっていても、ランナー状態で一挙に塗装することでたやすくカラーチェンジが可能。さらに、リアルタッチマーカーとスポンジチッピングで塗膜が劣化してザラついたような独特の汚れた風合いに仕上げることができました。この汚し作業は、汚しすぎた場合はメラミンスポンジでリセットできるのも大きなポイント。読者のみなさんも、自分の納得がいくまで汚しを繰り返して、理想の汚れたザクを完成させてくださいね!

ビームライフルを構えた状態 上半身
▲左肩は『MS戦記』のフレデリック・ブラウン機よろしく黄色に塗り、「Joe」のサインを手書き。通常、肩が黄色いザクは新兵機と見なされるが、実際にベースカラーの緑に黄色のワンポイントという組み合わせの親和性はかなり高い。せっかくS型のザクを受領したパイロットは、なぜ“ひよっ子の証”をわざと描き加えたのか? 挑発、それとも? 見る者に想像を促すような面白いアレンジだ
頭部アップ
▲頭部はガルマ専用ザクのようなバルカン砲を追加。砲口はその辺に転がっていたリード線を輪切りにしたものだ。極力安上がりに、イージーに仕上げるのがらいだ〜Joe流
装着したバズーカアップ
▲ザク・バズーカには関節のシーリングと同様にティーバッグを巻いてサーマルジャケット風に演出。英チーフテン戦車の砲身や、ドワッジのジャイアント・バズ等に見られるアイデアだ
完成したMG シャア専用ザク Ver.2.0 背面
ヒジ関節アップ
▲ヒジやヒザ、足首には100円ショップで購入した不織布のティーバッグを染色したものでシーリング。耐久性が高いので、画像のように関節を深く曲げてもなかなか破れないスグレモノ
足回りアップ
▲S型の特徴である脚部のむき出しのスラスター類をメッシュで塞ぎ、現地改修感を演出した
シールドアップ
▲右肩シールドはウェザリングの見せ場。マーキング類を施したうえで徹底的に汚しを加えている
左肩のスパイクアップ
▲左肩のスパイクはビルダーズパーツHD 1/100 MS スパイク 01に交換した
内部フレームと外装パーツ装着時の比較
▲今回も興が乗った結果、内部フレームは2体ぶん製作してしまった。MGシリーズは関節の開口部から内部フレームが見え、内部のシリンダー類を塗装しておくと動かした際の情報量が増えるため非常に有効な手段だ。しかし、今回は関節部のほとんどをシーリングしてしまったのであまり効果がわからず(笑)。いや、工作が楽しければそれでいいのだ…

■エライ人?が置いていった機体
「陸戦仕様の量産型ザクをガッツリ汚し!」というのが今回のお題。どうしよう、手元に届いたキットは「MG シャア専用ザク Ver.2.0」なのです…。が、塗り替えればイイだけですよね! 例のエライ人が配置替え時に置いていった機体を、陸戦仕様に現地改修して終戦まで戦い抜いた機体という妄想で、説明書とキットを見ながら脳内モデリングを進めていきます。ブレードアンテナはもちろん外した状態で…なんて考えていたら、脚周りに違和感が。キットのスネとふくらはぎには複数のスラスターが存在しているのです。そう、例のエライ人の機体はS型、空間戦闘仕様ですもんね。そこで、地上では使われないであろう姿勢制御スラスターはオミットし、メッシュを貼って塞ぐという感じにしてみます。

■陸戦といえば…
 もうひとつ、「カラーリングは量産型。プロポーションは変更せずにディテール追加も最小限に」というふたつ目のお題も与えられているので、妄想全開、陸戦といえば防塵カバー! そこで関節部を防塵シーリングで覆い、スカート部にプラ板を「いい感じ」に貼り付けて追加装甲を装着。シルエットはそのままに「陸戦仕様の雰囲気」を醸し出してみました。

■「お気楽汚し」は足し算と引き算
 塗装はすべてGSIクレオス 水性ホビーカラーを調色して、プロスプレー ベーシックで吹き付けます。調色したビンをそのまま装着できるうえ、使用後は水道水で流すだけで掃除完了。ホントにお気楽ですが、ちゃんと量産型カラーになりました。では本題の汚しに参りましょう! ガッツリ陸戦汚しといっても、やはり基本はお気楽汚しです♪ 高価なツールは使いませんし、難しいルールもありません。
 ちなみに、お気付きの方もいらっしゃると思いますが、私のお気楽汚しはスポンジポンポン(スポンジチッピング)と神のペン!とイメージされがちなのですが、実は、全体を「汚してから」「拭き取る」ことで、奥まった箇所に汚れを残すという、実際の汚れ方と同じ工程、つまりは足し算と引き算で表現しているのです。

■汚し工程のまとめ
①水性ホビーカラーの焼鉄色をスポンジポンポン
②リアルタッチマーカー ブラウン1をランダムに塗り
③「神のペン」でぼかし
④ウェザリングマスター Dセットのオイルでグラデーション
⑤メラミンスポンジで拭き取り濃度を調整
⑥水溶きしたウェザリングパステル チャコールグレーとサンドを塗って拭き取る
 この①〜⑥を繰り返し行うなどはしていますが、やっていることは6つの工程の組み合わせのみ。これを組み立てながら施していきます。組み立てたあとではなく、組み立てながら!です。組み立てたあとの汚しは、本来汚れが溜まっているであろう奥まった箇所を汚すのが難しいのです。

■塗装レシピ
本体濃い緑=よもぎ色:エメラルドグリーン:ロシアングリーン“4B0”WWII(75:20:5)(すべて水性ホビーカラー)
本体薄いグリーン=よもぎ色:水性ホビーカラー つや消しホワイト(80:20)
胸やヒザの黒=タミヤ 缶スプレー NATOブラック
肩等の黄色=水性ホビーカラー クリームイエロー

■40数年前の自分に
 第一次ガンプラブームと言われた時代、どこにも売ってない量産型が欲しくて、シャア専用ザクを塗り替えて楽しんでいた輝く少年の瞳を持っていた自分に、「40年経ったらこんなかっこいいザクをお気楽に作れるようになるんよ〜」と教えてあげたいですね。あれ?40数年前とやってること同じですね。孫が生まれてリアル爺さんになったというのに、やっぱいつまでも少年なんですね、きっと。

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット“マスターグレード” MG シャア専用ザク Ver.2.0 使用

ザクII陸戦仕様

製作/らいだ〜Joe

©創通・サンライズ

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らいだ〜Joe(ライダージョー)

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