MG ザクの内部フレームをランナーのまま塗装!? お手軽ですぐにカッコよく仕上がるウェザリングテクニックをプロモデラーが伝授します!!【ウェザリング特集】
2024.02.05
超カンタン&効果抜群!! らいだ~Joe式ウェザリングテクニック/ザクII陸戦仕様【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2024年3月号(1月25日発売)
超カンタン&効果抜群!! らいだ〜Joe式ウェザリングテクニック
ランナー状態のまま塗装OK! 手軽でカッコいい「お気楽モデリング」
今回のお題は、「早くて楽にウェザリングする方法とは?」。ガンプラを汚すのはとっても楽しい! けれども、毎月膨大な数の新製品が発売されている現状、1体1体をじっくり作り込むのはちょっと大変。できる限り手軽に汚して完成させて、たくさん机の上に並べてみたいのがホンネですよね。
そこで登場するのが、月刊ホビージャパンを代表するウェザリングモデラー・らいだ〜Joe。その独特の作業工程やツール活用法、そして魅せる仕上げテクニックをこれまでも月刊ホビージャパンで披露している彼ですが、今回も水性塗料を中心にしたスピーディーかつ効率的な作業で見事な風合いのザクを完成させています。驚きのアイデアとヒントが満載な、らいだ〜Joeの「お気楽モデリング」を全4回に分けてお届けするのでぜひともご覧ください。
製作・解説/らいだ〜Joe
▲今回使用したキットはMG MS-06S シャア専用ザクVer.2.0。ピンクの成型色を緑色に塗装、脚部の推進器をふさいで陸戦型仕様に改修し、ハードな汚し塗装で仕上げている
らいだ〜Joe(ライダージョー)
“お気楽モデリング”を提唱する、愛猫家モデラー。著書「ビギナーでもうまくいく!ガンプラお気楽製作ガイド」も好評発売中

❶ランナー状態のまま水性ホビーカラーで塗装!
❷スポンジでポンポンとチッピング!
❸リアルタッチマーカーでサビ、雨垂れを描き込み&ぼかし
❹「濃すぎた汚し」はメラミンスポンジで削る!
①内部フレーム製作&いきなり塗装
▲まずは内部フレームから着手。水性ホビーカラー 焼鉄色をビンごとプロスプレーに付け、ランナーごと塗装する。水性ホビーカラーなら侵食による割れはほとんど生じない
▲焼鉄色が乾燥したら部分塗装の準備を行う。ゲート跡が目立ちそうなところは前もって部分的に切断し、ヤスリスティックなどで処理。パーティングラインが目立つ指パーツも処理しておく。写真はランナーに付けたまま行っているが、処理しにくいパーツは切り出してから行う。あくまでも作業効率重視で、ランナーから外すかどうかを使い分けよう
▲細かい部分を塗装。シリンダー状のところや関節軸の部分などに水性ホビーカラー ゴールドや水性スーパーファインシルバーを筆塗りする
▲ぺぺオ・ジャポンの4アーティストマーカー シルバーも直接塗れて便利。完成後はほとんど見えない部分だが、MGを組む際はいつもこだわりで塗装している
▲塗装したことで可動部のクリアランスが微妙に厚くなっている。放っておくと組み立てや可動に支障が出るので、受け軸側を軽くヤスリがけしておこう。ルータービットのドリルを軽く当てていくのがオススメ
▲モノアイはウェーブ H・アイズ5mmの裏側に台所用アルミテープを貼り付け、ニッパーで周囲をチョキチョキ。少量のエポパテで頭部側と接合すれば、発光しているようなモノアイが表現できる
②内部フレームをぼかしウェザリング!
▲お気楽汚しに欠かせないのがこの通称「神のペン」。要はインクが出なくなり、ペン先が潰れるまで使い古したリアルタッチマーカーなのだが、現役のリアルタッチマーカーで書いたインクに「ぼかし・グラデーション・ストレーキング」といったタッチを付ける際に活躍する
▲焼鉄色を塗ったパーツに、リアルタッチマーカー リアルタッチブラウン1をたっぷり塗ってから、神のペンでぼかしていく。直後に指で拭き取って、もう一度神のペンでぼかす。これだけで、凹部のみにインクが残り、いい感じにぼかしが入った表現ができる。これを各パーツに施しながら組み立てていく
▲奥まった凹みの部分をリアルタッチマーカー&神のペンでイイ感じにしたら、凸部分にも手を入れる。タミヤ ウェザリングマスター Fセットのチタンで凸部を擦ってあげると、立体感が増してフレームの金属感が増す
▲これにて内部フレームが完成。設計者が可動やディテールに込めた熱い想いを正面から受け止めながら組む、これこそがMGシリーズの醍醐味。でも、これから外装パーツを装着すると、この勇姿は2度と見られなくなってしまい勿体ない気も…。いっそこのまま飾るのもアリ!?
③防塵シーリングを追加
▲今回は陸戦仕様で仕上げるため、関節部に防塵シーリングを施すことに。可動も確保しつつ強度を保つ素材ということで、不織布製の使い捨てティーバッグがピッタリ♪ 固定開始点にゼリー状瞬間接着剤を爪楊枝でちょんちょんと付けながら、関節に直接巻き付けていく
▲関節を最大に曲げた状態を考慮しながら蛇腹状に織り込んで、関節の曲がる内側のところどころをゼリー状瞬間接着剤で点どめ固定。不織布は破れにくいため、可動にも支障は出にくい。不織布の厚みのぶん、外装パーツのクリアランスを削って調整しておく点には注意
▲漂白済の不織布のもうひとつの利点は自由に色を塗れること。今回はターナー アクリルガッシュを相当量の水で溶いて塗装。アクリルガッシュなら水分乾燥後も固くならず、動かしても剥がれることがないのでオススメ
▲アクリルガッシュが乾燥したら、GSIクレオス ウェザリングパステルセットのダークブラウンで使用感を演出する。希釈率を高く、ほぼ水状態までシャバシャバに薄めたものを蛇腹の奥まで染み込ませるような感覚で塗っていった
▲そんなこんなで、防塵シーリングを施した内部フレームが完成。もうこれだけで完成!としたいくらいに満足感が高い仕上がりになった。完成後はもう見られないので、その勇姿を心のフロッピーディスクに焼き付けておく
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット“マスターグレード” MG シャア専用ザク Ver.2.0 使用
ザクII陸戦仕様
製作/らいだ〜Joe
今回はここまで!
第2回では、外装の工作&塗装そしてデカールの貼り方をご紹介。お楽しみに!
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公開は2024年2月6日の17時から!
©創通・サンライズ
らいだ〜Joe(ライダージョー)
“お気楽モデリング”を提唱する、愛猫家モデラー。著書「ビギナーでもうまくいく!ガンプラお気楽製作ガイド」も好評発売中