HOME記事スケールモデル39年越しの新作キット「動物セットII」を使用し、手のひらサイズのヴィネットとして情景王・山田卓司が命を吹き込む!!

39年越しの新作キット「動物セットII」を使用し、手のひらサイズのヴィネットとして情景王・山田卓司が命を吹き込む!!

2024.01.23

動物セットII ヴィネット【タミヤ 1/35】●山田卓司 月刊ホビージャパン2024年2月号(12月25日発売)

タミヤ動物セットⅡディオラマ ブタ ドーベルマン ウシ ゴールデンレトリバー

情景王・山田卓司が
タミヤの新作動物キットに命を吹き込む

 1984年にタミヤより発売された「動物セット」から、39年越しに第2弾として発売された「動物セットII」。家畜やペットなどの身近な動物たちを再現した1/35スケールのプラキットで、さまざまな時代の情景作品の世界観に合う遊びがいのあるキットとなっている。今回は、そんなバラエティに富んだ動物たちを使ったヴィネットを、情景王と名高い山田卓司が製作。同時期にタミヤから新発売となった「情景テクスチャー粘土」も活用し、さまざまな情景を手のひらサイズに切り取った。

タミヤ動物セットⅡ
▲ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ2頭、バセットハウンド、ゴールデンレトリバー、ドーベルマンがセットになった、並べるだけでも楽しいキットとなっている
タミヤ動物セットⅡディオラマ 全て

●ゴールデンレトリバー

タミヤ動物セットⅡディオラマ ゴールデンレトリバー2

 フサフサした彫刻が素晴らしいのですが、さらに超音波カッターで体毛の彫刻を強調しています。塗装はオレンジを少し濁らせて作ったライトブラウンで塗っています。
 戦争で飼い主を亡くして孤立してしまったという設定で、ヨーロッパに上陸してきた米兵たちにかまってもらっています。米兵はタミヤの「アメリカ歩兵偵察セット」を使用し、片ヒザ立ちの兵士は左手を改造し視線を合わせるように首を小改造しています。
 背景はイタレリ「PARK GATE」を使用。門扉はキットに含まれていますが、古いストックゆえに破損があったのとパーティングラインの処理が大変そうだったのでプラ棒とプラ板から自作しています。門には紙創り「アイビー」を這わせました。


●ブタ

タミヤ動物セットⅡディオラマ ブタ2

 ブタは小屋で飼われている例が多いのですが、ここでは放牧している場面としました。キットの品種は大ヨークシャー種でしょうか。先の動物セットのブタはメスで、さらに子ブタも含まれているので併用して情景を賑やかにしています。ただし先のセットのブタはランドレース種で品種が違うので、新作に倣って耳を起こした状態に小改造しました。塗装はピンク系のグラデーション。
 佇む少年はマスターボックスの「Eastern Region Peasants,WW II Era」より。彼は戦災孤児という設定で、ブタの親子たちを見て何かを想う場面です。

タミヤ動物セットⅡディオラマ ブタ

●ヒツジ

タミヤ動物セットⅡディオラマ ヒツジ2

 キットの2頭では寂しいので、もうひとつキットを用意して草を食むヒツジを追加して合計3頭としています。キットの、体毛の柔らかい表情の再現が素晴らしく、これもパーツの合わせ目はきれいに消しています。ボックス側面の塗装例を参考に顔や四肢が黒い品種(サフォーク種?)にしています。
 農夫のお爺さんはマスターボックス「Eastern Region Peasants,WW II Era」より。ドイツ歩兵はタミヤ「ドイツ歩兵セット(大戦中期)」よりMP40装備の下士官をチョイス。農夫と会話しているように首の角度、左手を変更しています。


●ウマ

タミヤ動物セットⅡディオラマ ウマ2

 乗馬用でも輸送用にも使える、頭部に馬具を装着していた歩行ポーズ。タミヤからはしばらくの間、新しい馬のキットは無かったので、これはありがたい製品化です。乗馬セットやフィールドキッチンや馬車など、この新しいウマを使って昔作ったキットをアップデートさせるのも面白そうですね。
 左前足は足の裏が見えるので削り込んで蹄を再現しています。毛色はいろいろと考えられますが、今回は無難に鹿毛としました。随伴する兵士はタミヤ「ドイツSd.Kfz.2 ケッテンクラート中期型」より。顔はホーネットのスペアヘッド。手綱はハセガワの0.5ミリ幅のマスキングテープで作り、0.2mmの洋白線を小さなリング状に曲げて接着し手綱と繋ぎました。柵はタミヤ「道標セット」より、上端をランダムに切って使いました。

タミヤ動物セットⅡディオラマ ウマ

●ドーベルマン

タミヤ動物セットⅡディオラマ ドーベルマン2

 獰猛なイメージですが、大人しくお座りしているポージングは使い道が広そうです。毛足はかなり短いのでパーツの合わせ目はきれいに消して滑らかに仕上げること。毛色は調べるといろいろ と種類が有るのですが、ボックスアートを参考にブラックとブラウン。ブラウンはオレンジをベースに調色して彩度の高い色調にしています。
 ドイツ将校の愛犬が相応しいかな? と考えてタミヤ「ドイツ国防軍 戦車兵セット」より将校を採用。リードは馬と同様に製作しました。また、朽ちた樹木はMSモデルズさんから3Dプリンターより作った試作品を以前に頂いていたので、それを使用。赤い花で作品に彩りを加えてみました。

タミヤ動物セットⅡディオラマ ドーベルマン

●ウシ

タミヤ動物セットⅡディオラマ ウシ2

 ウシも毛足の短い動物なので、完成後に目立つパーツの合わせ目やパーティングラインは完全に処理しました。ボックス側面のイラストを参考にしてジャージー種として塗装しています。
 こちらは農家出身のアメリカ戦車兵が得意の乳搾りを披露した場面。2体ともタミヤ「アメリカ戦車兵セット(ヨーロッパ戦線)」を使用し、ヒザ立ちのほうは表情豊かな英・ホーネットのスペアヘッドに替え、キットの戦車兵用ヘルメットを被らせました。ふたりの視線を合わせるように首の角度を調整。
 ミルクの入ったバケツはイベントで購入したアスカ「ルックス」のアクセサリーの別売りパーツより。中のミルクは白いプラ板をポンチで打ち抜き、はめ込んでいます。「動物セット」よりニワトリを流用して長閑な牧場の雰囲気を強調しています。

タミヤ動物セットⅡディオラマ ウシ

●バセットハウンド

タミヤ動物セットⅡディオラマ バセットハウンド2

 部隊のマスコットとしてドイツ軍の戦車兵たちにかまってもらっている場面です。タミヤ「ドイツ国防軍 戦車兵セット」を使用。ふたりとも地面に地図を広げているポーズなので、手をレジン製のスペアパーツに替えて使いました。
 後ろにはドイツ軍のドラム缶。近年の考察で、亜鉛メッキされている説があったので酸化して白っぽくなっている状態としました。ちらっと映る自転車はタミヤ「ドイツ歩兵 自転車行軍セット」を使い、伸ばしランナーでフェンダーや荷台のアームやライト用発電器を追加しましています。

タミヤ動物セットⅡディオラマ バセットハウンド

■39年ぶりの動物セット
 1984年リリース「動物セット」から39年ぶりの新作の「動物セットII」です。先の動物セットはブタ、ニワトリ、イヌなど身近な家畜がリアルな彫刻で再現されています。オス、メスのつがいだったり、親子のセットとなっており1/35スケールのミリタリーディオラマを彩るキャラクターとして長い間親しまれてきました。前の動物セットではパッケージ上の都合もあり大きなサイズの動物は入らなかったと思いますが、今回はウシもウマも入ってさらにヒツジが2頭も加わり、選択肢が大きく広がりました。ほとんどが静かに佇んでいるポージングなので、ディオラマにさり気なく使うことが出来ますね。

■ヴィネットに仕上げます
 動物たちをすべて使い、一堂に会している状況は思いつかなかったので、1種類ずつ小さなヴィネットとしました。あわせて、タイミング良く発売された「情景テクスチャー粘土」を早速使ってみました。そのまま盛り付けただけでリアルな凸凹が表現出来る面白い粘土です。ベタつきも無くて扱いやすいところも美点。同じくタミヤから発売されているテクスチャーペイントとも相性が良く、表情に変化を付けたいときには色調もピッタリです。硬化にともなう収縮があるので、なるべく薄く拡げるほうが良いようです。

タミヤ 1/35スケール プラスチックキット

動物セットII

製作・文/山田卓司

動物セットII
●発売元/タミヤ●1320円、発売中●1/32●プラキット


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