HOME記事ガールズプラモ【スペシャル座談会】 『メガミ』はいかに誕生したのか? そして、『メガミ』に込められた想い、さらに7年間の歴史に迫る【メガミデバイス】

【スペシャル座談会】 『メガミ』はいかに誕生したのか? そして、『メガミ』に込められた想い、さらに7年間の歴史に迫る【メガミデバイス】

2023.12.20

 コトブキヤの人気プラモデルシリーズ『メガミデバイス』の座談会。プロデューサー鳥山とりを氏、素体設計の浅井真紀氏、そしてコトブキヤの野内秀彦氏、青木将利氏に集まっていただき、企画の立ち上げから現在に至るまで木村編集長を交えて語ってもらいました。『メガミ』はいかに誕生したのか? そして、『メガミ』に込められた想い、さらに7年間の歴史に迫ります。

(聞き手/ホビージャパン編集部 木村学、構成/桑木貴章)


鳥山とりを
 株式会社鳥山とりを代表取締役社長兼プロデューサー。『メガミデバイス』プロデューサー。コナミデジタルエンタメインメント退社後、模型雑誌で作例を発表する傍ら、開発会社を起業。『メガミデバイス』を立ち上げる。
浅井真紀
 『武装神姫』や「figma」シリーズなど、さまざまな可動フィギュアに携わる造形家。『メガミデバイス』では基本素体マジニーカの開発を行う。
野内秀彦
 株式会社壽屋 企画営業本部 企画グループマネージャー。コトブキヤのメーカー部門全商品の商品企画を統括している。『メガミデバイス』以外では『フレームアームズ・ガール』等のプロデュースも行っている。
青木将利
 株式会社壽屋 企画本部 開発グループ 第二製造チーム チームマネージャー。『スーパーロボット大戦OG』ヴァルシオーネなど、女性型プラキットの開発に初期からかかわる。

■メガミ誕生秘話

木村:まずは『メガミデバイス』の企画スタートのきっかけについてお聞かせください。

鳥山:私がコナミデジタルエンタテインメントにいた時、『武装神姫』という美少女とメカニックを融合させた完成品アクションフィギュア企画を立ち上げまして。オンラインゲームやPSPのゲームがあったり、最後はアニメ化したりと、7年間くらいシリーズが続きました。素体は当時、まったく面識のなかった浅井真紀さんにお声がけをさせていただいて。『武装神姫』は最後の最後まで浅井さんにお世話になりました。

浅井:自分のきっかけだと、大元をたどれば2003年ですね。ガレージキットで『ファンタシースターオンライン』のレイキャシールというキャラクターを販売していまして。その同梱ジョイントに、コトブキヤさんの商品を流用していました。当初、店頭で購入していたのですが、もう物量的に追いつかず、コトブキヤさんから直接仕入れさせていただくようになったんですね。そのご縁で、原型のお仕事などもやらせていただくようになっていきました。

それから暫くして、2010年ですかね、もうすでに『武装神姫』を始めて何年か経っていた頃です。その頃はフィギュアメーカーさんって、プラモデルはほとんどやっていない時代。でもコトブキヤさんはプラモデルにかなり力を入れられていて、野内さんから「レイキャシールをプラモデル化できないか」とお話をいただきました。これがコトブキヤさんにプラモデルという形で関わった最初になります。

その後『ファンタシースターオンライン2』のゲーム中に参加するキャラクターとして、朱鬼姫と藍鬼姫をデザインと共にプラモデル化もやらせていただいて。その次ですね。オリジナルの企画をやろう、という話になったのは。

実は『武装神姫』の商品展開がそのちょっと前のタイミングで終わってしまっていたんです。でも『武装神姫』から広がった可能性みたいなものは続けたいと思っていましたし、いろんなメーカーさんからも同じような企画をやりたい雰囲気も感じてはいました。

けれども、同じ完成品トイのフォーマットでやっても末路は同じだろうし、プラモデルというそれまでと違う形でやっても、コトブキヤさんと僕だけでやってしまったらそれっぽい“何か”でしかなく、背骨が抜けちゃうだろうと。だったら『武装神姫』の舵取りをされていた鳥山さんにも参加をお願いしたい。とはいえ、鳥山さんはコナミデジタルエンタテインメントの方ですから、さて……という感じだったんですけど、そのくらいのタイミングで鳥山さんが独立されまして。当初、「鳥山さんはこのあとどうされるのかな」という感じだったんですけど、どうやら模型の世界で生きていくようだと(笑)。

一同:(笑)

浅井:元々、ひっそりとモデラー活動もされていた方でしたし、それがガレージキットのディーラー活動など模型の仕事へ向いていたので、「もうこれは声を掛けてしまおう!」と。どうせ次をめざすなら、一番、『武装神姫』を理解されている方と目指すのが適切だと思えたんで、確か2014年の全日本模型ホビーショーだったと思うんですけど、その会場で「一緒にお仕事できませんか?」とお声がけしました。それが今の座組みに至った最初のタイミングだったと思います。

野内:コトブキヤ的な見方だと、やはり浅井さんのレイキャシールまで戻っちゃうんですけど、それより前のホイホイさんとかヴァルシオーネとか。ほぼキャラクタープラモは原型から開発まで、ほとんど青木が絡んでいました。

青木:そうなんですよ。『スーパーロボット大戦OG』のヴァルシオーネは女性型ロボットですが、あの頃は女性の体の造形をメカ原型師が作れなかったので、フィギュア原型師に体と頭を作ってもらって、それに関節を入れるみたいな、今までとは異なるアプローチをしました。

その後ホイホイさんの企画開発時、「ヴァルシオーネやっていたから青木もう一回やってみ」みたいな感じで可動試作みたいな形で関わっていました。ヴァルシオーネと同様のアプローチで、ホイホイさんの素体をフィギュア原型師に作ってもらって、そこに私の方で可動を仕込んでいきました。

野内:ホイホイさんも元々は浅井さんのアクションフィギュアがあって。あれは何かの付録でしたっけ?

浅井:いや、あれはトイズワークスさんのドールに近い仕様のアクションフィギュアですね。

野内:あの辺をまた同じように横目で見つつ、まあレイキャシールを企画した時も『武装神姫』を横目に見つつ(笑)。「うーん、ここまではできんなあ」と思いながらやっていて。で、鳥山さんを浅井さんに紹介してもらった時に、『武装神姫』的なものができないかとなったのが、たぶん始まりですね。

鳥山さんはアクションフィギュア畑の方だったので、プラモデルの原型制作に慣れて頂くのも含めて、いくつか作例や原型制作をお願いしていました。それを前準備としてその後メガミデバイスの企画に入っていただきました。

浅井:たぶんレイキャシールや朱鬼姫、藍鬼姫の頃はアナログから一部にデジタルが入り始めたとか、まだ手探りの頃ですね。原型データはCG用途のソフトで作っていて、それを出力した原型にデータを添えて納品して……くらいの中途半端なデジタルだったんで、直接金型を作るデータにはなりえなくて。

青木:そうですね、あれはつらかったですね(笑)。

一同:(笑)

青木:朱鬼姫、藍鬼姫もそれぞれ自分の担当でしたが、当時、データ原型自体はあったのですが、作る人によってデータの種類が変わってしまうので、すぐにプラモデルにできるものじゃなかったんですよ。

浅井:あれはもうまるっきりポリゴンでしたからね。

青木:なので、ポリゴンを渡して「これに合わせて作ってくれ」といっても、できあがったものは全然形状が違う感じになることもありました。結果、出力した物にサフを吹いて渡すのですが、原型の意図した面のうねりや、曲面のまとまり方は、中国工場やデータ作成のオペレーターの人には全然理解してもらえなかったんです。結局、自分で絵を描いて形状説明をひとつひとつ指示をずっと出す必要がありました。

浅井:例えばですけど、ポリゴンだと細かな多角形はできても厳密な真円は作れないんです。だからこちらは真円のつもりで作っているところも、データ上そうはなってない。その頃はこちらと工場サイドで『ここはつまりそういう事だろう』という共通認識がまだ出来ていないから、工場はそのズレも全部頑張って再現してくれちゃう(笑)。

青木:プラモデルとして金型にするにあたって、CADに変換するのですが、そのCADにする工程で、面の作りやすさによって省略されてしまう部分、技術によって形状が変わってしまう箇所もありました。今でこそデータを渡したら、意図した形状になったものが工場から上がってくるようになりましたけど、昔はもう一面一面全部自分たちで確認して指示を出していました。

例えば、腹部のブロック、このお腹のヘソの筋がありますけど、こういう形状は全然汲み取れないので、ただの曲面にV字の溝が彫ってあるだけみたいな。そういうCADで作りやすい形状にしてしまったり、面の色気みたいのが、とらえられないこともありました。ただソフトの進化、工場とやりとりを重ねていくうちに、『FAガール』も含めて、柔らかい曲線がどんどん表現できるようになっていきました。

鳥山:そんな過渡期の時代だったんですよね。『武装神姫』の時、自分で原型を作っていたわけではないんですが立体物の商品化知識はそれなりにあったんです。趣味でプラモは子供の頃からずっと作っていたし、ちょうど3Dソフトを触り始めていました。で、割と自分に合っているなと感じていたところに浅井さん、コトブキヤさんからお話いただいて、全部自分でやるつもりではなかったんですけど、自分でもプラモ開発できるんじゃないかなって思って、「まずやってみましょう!」と話に飛びついた……というかフリーになった僕を助けていただいたっていう感じですよね。

木村: 2016年12月にメガミデバイス第1弾WISMシリーズが発売されますが、前年発売されたFAガール轟雷で蓄積された技術のフィードバックはありましたか?

野内:弊社的な順番では、ヴァルシオーネやホイホイさんありきなのですけど、技術的には浅井さん原型の「レイキャシール」をリアル頭身キャラクターのプラモデルの基盤として、弊社の原型師が『ゼノサーガ』のKOS-MOS Ver.4などを作った上で、それを知見として制作したのが轟雷でした。開発的にはここである程度は生産まで確立できたのでフィードバックした上で第一弾WISMシリーズが比較的安心して生産できた感じです。

浅井:でも轟雷が発売されている頃には、WISMの僕らの作業はもう終わっている時期なんです。『フレームアームズ・ガール(FAガール)』と『メガミデバイス』は商品しては同じコトブキヤさんなんですけど、全然別に並行開発していた感じなので『FAガール』で「こんな問題があったよ」とか、「こういうフィードバックがあったよ」というのは金型製作の現場ではあったんだと思うんですけど、僕らの段階だと特に知らない状態で。

野内:そうですね。開発的なフィードバックはできていなかったですね。生産の現場でやっとといった感じです。

浅井:開発が終わって、すでにWISMに追加できることがない時期に轟雷がバカ売れしていくのを横で見てる状態ですから……。

野内:レイキャシールもすごく売れしましたよ(笑)。

浅井:これはもう完全に“天秤”にかかっている状態なわけじゃないですか? なので、気が気じゃない!

一同:(笑)

青木:自社の開発的なところでいうと、やはりかなり蓄積された部分はあって。ヴァルシオーネは髪の毛がPVCで。当時、設計的なテクニックはあまりなかったのですが、やはりホイホイさんから柔らかいものをいかにCADにしていくか技術を学び、レイキャシール、朱鬼姫でさらに蓄積され、轟雷の頃は強度面なども含めて、かなりの技術蓄積はありましたね。

それとこの細い体で、大きな武器を持たせることなども想定して作ることになるので、強度面はもちろん、精度面もかなり気をつけなければいけないところでした。

浅井:この辺りは同じ流れでも、流れの位置で見え方がみんな違うと思うんです。企画のさらに上にある戦略の部分での歴史観が野内さんの視点。戦術面と言える企画や内容に関わる鳥山さんや僕の視点。いざ実際に商品化に至る局面での経験蓄積、実感は青木さん視点の流れだと思うんですよ。なので、この辺りは当事者によって、ちょっとずつ異なるんですよね。

木村:立場によって視点は変わりますからね。

鳥山:ざっくり言うと、「同じコトブキヤのプラモデルなんだから。なぜ連携とれてないの?」みたいなのあるじゃないですか。たぶん読者さん、そう思っているはず。

一同:(笑)

鳥山:基本、浅井さんと僕はメガミの原型、ある程度これでプラモになるだろうと、企画をいろいろと考えて。原型ができると、青木さんに「一緒に商品化していきましょう」となるのがメガミ開発の流れ。青木さんは僕らの原型を見つつ、互いにやりとりしながら金型に落とし込んでいく作業なんです。

木村:青木さんとしてはレイキャシールをやっていた頃からの技術蓄積が大きかったということですよね。

青木:そうですね。

木村:おそらく他のメーカーさんに鳥山さん、浅井さんの原型をホイっと渡しても、いきなりあのレベルでWISMシリーズは生まれなかったと思うんですよね。

鳥山:浅井さんとコトブキヤさんは以前からのお付き合いあって、浅井さんの原型をコトブキヤさんがイジりなれていた部分は大きいと思います。

木村:これだけ華奢なボディに、装甲を纏ったり、関節を入れるのは、材質、強度はもちろん、軸の太さもナーバスですよね。

青木:そうですね。本当にその辺は腐心したところで、いただいた原型は可動の概念などがメインになってくるので、プラモデル用の設計に変更する段階で関節の強度や、形状を活かしながらのデータを作成していました。

ただ、今までと違っていたのは、こういった原型作成の初期段階からかかわることができたことで、2015年の春に自分が中国駐在から帰ってきて合流したのですが、「こういう商品を開発したいんだけど、どうだろう」みたいな具体的な話がいただけていました。

事前に知っていたから、いろいろできるようになったところはありますね。打ち合わせ当初びっくりしましたけどね、日本にいなかったので、マシニーカの存在知らなかったので、いきなり見たことない原型で「これ見て! プラモにできる?」と言われて(笑)。

鳥山:結局、『武装神姫』に代表される当時のアクションフィギュアは、関節を金属のカシメやネジで止めたりしますよね。それがプラモだと一切通用しない。そこはやはりノウハウのあるなしで、スタート位置がだいぶ違いますよ。

浅井:PVC樹脂をメイン素材としたアクションフィギュアも随分やらせてもらったのですが、PVCとプラモデルの自由度の違い……、ぶっちゃけ製品になるまでの“気楽さ”みたいなものは段違いだったと痛感しますね。

WISMの頃だとまだ、「この先は分からないので、判断はおまかせします」となっていたんですが、シリーズが続き、段々と自分でもある程度、プラモデルの開発過程が分かるようになってきて、踏み込んだ所までやるようになってきたんです。

でもやればやるほど、「プラモ、本当に気楽じゃないな」と痛感する(笑)。正直、PVCのアクションフィギュアとプラモデルだと、考えなきゃいけないことは「3倍じゃきかないな」と思うくらい遠い差を感じますね。

青木:製造のところでは、やはり完成品アクションフィギュアは生産時にちょっと問題があっても、鳥山さんがおっしゃっていたように、カシメの締め付けきつくしようとかで対応できちゃうんですよね。後工程でも調整がつきやすいんです。

ただプラモデルだとユーザーさんによってはいろんなところに付ける場合もあるので、どうしても互換性をキープしながら、関節のしぶみも入れていくみたいなところがあるので、「打って終わりじゃない」みたいなところを工場に理解してもらうのには時間が掛かりました。

鳥山:プラモデルはユーザーさんが接着剤で接着して、色も自分で塗って……の歴史からスタートしているものですからね。

青木:それが今は通用しなくなったのはありますね。さらにFAガールだと、メーカーとして今まで見たことのない生産数がアベレージになっていくにしたがって幅広い層に受けて頂いたこともありつつではあるのですが、「こんな事も気にされる方がいるのか…」ような意見も届いたこともありました。

鳥山:そんなに売れたのね。

一同:(笑)

青木:本当にありがたいです。

鳥山:いやあ、さすが。さすがです。

木村:そういう意味では確かに、金型の維持も難しいですよね?

青木:ええ、すごく難しいですね。

木村:数万個の大量生産するための金型を作るのと、ベリ型で数千個とは、全然わけが違いますからね。

青木:はい、全然違いますね。確かにベリで生産できたら楽な部分もあるにはありますが(笑)数万を見込んでいる場合には強度であったり、部品構成であったりは今までの蓄積を取り入れながら、設計をしていますね。

浅井:15cm前後のアクションフィギュアを作る時は、形状と可動の両立を考えるのが作業の大部分だったんですね。それがプラモデルだと、分割や色分け、肉厚の制限がずっと厳しくなる上、それが誰にでもちゃんと組めて、強度も保つ必要がある。関節の入る角度もかなり明確に限られてしまう。アクションフィギュアでも、必死にやってきたつもりでしたが、プラモデルで考えなきゃいけないことの1/3程度の道のりだったな、と……。

野内:今年や去年から参入してくるメーカーさんも多いですけど、話をすると、だいたいPVCアクションフィギュアの3倍手間がかかるとかで、「じゃあやらなくていいんじゃない」とかね(笑)。

一同:(笑)

野内:ただ本当に、2016年のメガミが始まった時点では、たぶんウチしかできなかったでしょうし、バンダイさんも当時はこのサイズではやろうとも思っていなかったはずです。

野内:関節の軸のサイズが他ではやらないくらい細かったので。それをやりきれたのは、おそらく弊社が技術的に攻めいていたからですね。

鳥山:WISMとかでも「股間の軸が折れた!」とか(笑)。

木村:すみません、1回折りました(笑)。

野内:社内的には、「3mm軸なら折れるはずがない!」って話だったのですけどね(笑)。

青木:今まではそれで大丈夫だったんですけどね…

野内:「3mm軸でも折るのか…」って(笑)。

浅井:POMを前提で納品したら「ABSでいけると思います」って返ってきて。「そうか、いけるのか!」って(笑)。

青木:違うんですよ、あれは本当に情けない話なんですが、生産での渋みが調整しきれなかった部分なんです…

一同:(笑)

浅井:その辺りもちょっと読めないところが当時はどうしてもあって。純粋にプラスチックの厚みと強度だけで計算できるわけでも無かったんですよね。ユーザーさんに実際に遊んでもらって、折りやすい場所と折れにくい場所が分かってきて。

単品の“肉”の厚みとかだけでいえば、折れてもおかしくないはずなのに、誰も折らない場所もあれば、充分に気を遣って、ゴツくしたはずの場所に破損のフィードバックが来る。小さな人形ですから、関節は指先でつまんで動かすと思うんですが、その反動が大きく影響する箇所と影響しない箇所があるんですよね。

それは材質的な強度の問題とか、肉厚だけを計算していても、あまり意味がなかった。実際に遊ぶ人がその人なりのルールで動かした時、どこに負担が集まるのか、実際に遊んで想定しないと見えてこない。アクションフィギュアでも散々苦労した所だったんですが、フォーマットがプラモデルに変わると、またルールが変わってしまって。

WISMや『FAガール』が始まった頃は、そのレギュレーション的なものがまだ見えてなかった。商品が出て、ユーザーさんが実際に触ることで、少しずつ不満に触れる事が出来て、ようやくレギュレーションが段々分かってきた感じだと思うんです。なのでこの時期のコトブキヤさんは本当に大変だったと思います。

木村:当時、先頭を走っているどころか、後ろに誰もいなかった状態でしたからね。独走状態だったので、それこそ手探り状態だったのでは?

浅井:ある程度、「ここは壊す人が多いぞ」とか、「これは壊れないぞ」みたいな経験値はあったつもりでしたが、フォーマットの違いがこんなに大きいと思いませんでした。個人個人で組み立てられるプラモデルだと、組み方や保存状態もそれぞれ違いますし。

青木:当時、それこそまだ売れるかどうか分からない商品で、今でこそPOMを採用していますが、当初はコスト的に使っていい雰囲気ではなくて(笑)。もうできるだけABSで、と。よくあるのが、テストショットは問題なかったのですが、嵌合もちょうどよく、問題なかったんだったんですけど、量産になるときつくなったり。あと遊び方次第で、折れしまうこともあったので…

鳥山:そもそも我々は構造を知っているから。無意識に「そういう曲げ方しないよね」があるんですけど、ユーザーさんは思いも寄らない方向に(笑)。

青木:そうなんですよ! 「そう遊んだか~!」みたいな(笑)。

一同:(笑)

浅井:組み立て工程がないアクションフィギュアだと高確率で壊れた箇所が、プラモデルだとそれが発生しづらくなるケースも起きますし。

木村:それはやはり構造を知りながら組んでいるプラモデルのメリットなんですかね。

浅井:ということでは無いかと想像はするんですが、組み立て方にも個人差が出る以上、メリットばかりでは無いですね。塗装するかしないかでも条件は変わりますし、大きい剣を持っているキャラクターと、銃を持っているキャラクターでは、とらせる演技がみんな違ってくるわけじゃないですか。それだけでも同じ関節にかかる負荷が違ってくるはずなんですよ。こうしておけば安心、というラインを見いだすのはやっぱり難しいです。

木村:そういう意味ではWISMシリーズは手探りながらも出せた第1弾ということでしょうか?

浅井:そうですね。その時点での手探りの結果だと思います。レイキャシール等で得た知見は間違い無く入っています。例えばWISMの手首はPVCですが、レイキャシールの時点だと最初はPSの手首だけだったんですね。当時は「プラモデルなんだから色が塗れない、塗りづらい素材の手首なんてもっての外だろ」と思っていたんですよ。「プラモデルというフォーマットを選ぶことに対する敗北だ」くらいにまで思っていて。

野内:あとは「手首のボールのところでプラが溶けるかもしれないぞ」とかで、開発に脅されていましたね(笑)。

木村:化学反応とかで確かに溶かしますね。

浅井:それも難しいところなんですよね。昔の古いガチャポンなんて、プラのカプセルと塩ビのパーツが溶けて、くっついちゃったり。ただ、いざレイキャシールが発売されてみると、正直PSの手首だと遊びづらい。なので恐々としながらもPVCのハンドを追加してみたんです。でも結果として、全然ユーザーさんから文句が出なくて。プラ素材にしないと絶対許されないだろうと思っていたのに。

そういった温度感みたいなもの、作っている側からすると絶対ダメだろうと思っていたものがOKだったり、大丈夫だろうと思ったものがNGだったりする。これがレイキャシールでも、他のフィギュアでも、『メガミ』でも、当然のようにあったし、おそらく今でも、OKやNGの判定の変化は続いている気がしますね。

青木:確かにホイホイさんの時、PVCで作ったほうが楽じゃないか、安いじゃないかって話が社内で出たんですが、ただ、やはりプラモデルとして出しているものなので、ユーザーさんが改造しやすいとか、そういうのは当然なので。で、レイキャシールは自分が分割までやっていたんですよね。その時にやはり「ハンドどうしよう?」という話になって。プラにしてみたらやっぱり不評であったというところもあり(苦笑)。

浅井:当時の僕らがもっているプラモデル感と、実際に遊んでいただけるユーザーの皆さんのプラモデル感の乖離みたいなものって、やっぱり読み切れるものでは無かったですね。

木村:でも、そういう蓄積が『メガミデバイス』に大きな影響を与えていることは間違いないですよね。


■メガミのデザイナーたち

木村:WISMシリーズ第一弾は島田フミカネさんにデザインをお願いされたと思いますけど、この経緯は『武装神姫』からの流れですか?

鳥山:『武装神姫』は島田さんが第一弾のキャラもお願いしましたし、そのMk-2をゲーム発売の時に大々的に同梱したりして。やはり『武装神姫』といったら島田さん抜きには語れない。浅井さんは浅井さんでその時の『武装神姫』の素体ですね。その流れを組んでいて……何て言ったらいいんですかね?

野内:アップデートしたとか?

浅井:いや、まるっきり別の物を作ることを前提としていたんですよね。一番が時間かかっていたのは、どうやって別の物にするかだったんですよ。『FAガール』が出ることも、物は見ていなくても情報は知っていましたし、そうすると同じようなものを作っても仕方がない。一目で「これがメガミというシリーズなんだ」と分かってもらえるような、他に似そうにない何か、普通選ばないだろうという構造しようと意識していて、ある意味で「変なものになる可能性はあるなあ」と思いながら作っていました。

なので素体としては武装神姫の流れからは独立しています。ただ、でも鳥山さんが実際にプロデューサーをやってくださること自体が、当時の僕らとしては、まあ事件というか。「本当にこの座組みできるんだ」って奇跡みたいなもので。

一同:(笑)

浅井:だって、そのタイミングで鳥山さんがコナミさんを辞められて、かつ模型の世界で生きていこうとされる。この状況自体が、相当にすごい偶然ですよね。この座組みが揃った時点で、第一弾は「島田さん以外ありえないでしょう」ってなりました。ポーカーでいうところのフラッシュだかストレートだかが揃ったんだから、いっそロイヤルストレートフラッシュにしたいみたいな感じもあって。鳥山さんからOKいただいた時点で、島田さんしか考えられなくなりましたね。

木村:いわゆる初期のWISMはシンプルな構造、武装ですが、何か狙いがあったのでしょうか?

鳥山:島田さんの考えの100%を僕がお話できるところではないのですが、ちょっとプリミティブなものであったり、量産型っぽいものをやってみたいとおっしゃられてデザインが進んでいきました。第一弾はコンパチキットになっていますが、単体ではなく、チームとして4体を揃える構想が最初からあったんです。島田さんは一般兵みたいな感じを非常に大事にされていたのでこの形になっていきました。

木村:確かに一般兵感はめちゃめちゃありますよね。

浅井:記憶違いかもしれませんが、打ち合わせの際に島田さんが『メガミ初回の製品ですし、素体が見えるデザインのほうが良いのでは』というようなことをおっしゃっていたことは覚えています。シリーズとして新しいことを、と意識してくださったのではないでしょうか。

木村:ホーネットから黒星紅白さんが担当されていますが、この辺の選定は?

鳥山:これは言っちゃっていいのかな?

野内:言っちゃいましょう。

鳥山:『武装神姫』がいったん休止になって、原型も開発も進んでいてゲームにも登場していたものが発売中止になったんですよ。その組み合わせが黒星さんと、メカニックは柳瀬敬之さんだったんですよね。『武装神姫』にこだわりすぎるのもどうかですが、俯瞰的に周囲を見ると、残念な気持ちを持たれていた根強いファンがめちゃめちゃいたんですよね。あの時の座組みをあらためて皆さんにお見せしたかったのが大きいですね。

浅井:始まりとやり残しを最初に拾っておく(笑)。

木村:それ以降はNidy-2D-さんだったり、さまざまなデザイナーさんが担当されていますが、企画立ち上げ当初よりいろんな方にお願いする構想はあったのでしょうか?

鳥山:そうですね。第4弾のChaos & Prettyでは凪良さん。こちらも『武装神姫』でデザインまで発表していた作家さんでした。当時こちらも発表したのに世に出なかったので、ユーザーさんに「ああ、その人ね」と感じてくれる方を起用していたところはあります。

木村: WISMシリーズから始まって、少しずつデザイナーさんが広がっていって、シリーズの幅が広がったイメージがあります。

鳥山:もともと僕自身が「ひとりのデザイナーさんでずっとシリーズをやるぞ」ってことにまったく執着していない。Zガンダム大好き世代なんで。

一同:(笑)

鳥山:あの頃、中学生だった僕は新しいメカが出るたび、「このモビルスーツは誰々さんなんだ!」っていうのが一番楽しかったんですよ。

一同:ああ~。

浅井:Zって、長年どのデザイナーさんがどの段階まで関わっていたのか解明されてないモビルスーツもあるくらいですしね。

青木:解明されてないんですね、へえ~(笑)。

鳥山:もちろんZがその最初じゃなくそれ以前からありましたが、バラエティ感が突出していたのがZ~ZZだと思います。いろんなデザインがごった煮になっている世界観のシリーズをやっていきたいなと思って。今も昔も自分は変わらないなと自覚しています。

木村:ラインナップの流れでお聞きしたいんですけども、『アリス・ギア・アイギス』もひとつの大きなラインになりましたが、始めるきっかけは何かあったのでしょうか?

鳥山:『武装神姫』のゲーム作ってくれたのが『アリス・ギア・アイギス』と同じ会社のピラミッドさんだったので。ピラミッドさんも「新しいゲームを作りたいと思っているんだ、立体商品作りたいんだ、しかも島田さんなんだ、海老川さんなんだ、柳瀬さんなんだ」って(笑)。「じゃあ、一緒にやりましょうか」と。ちょうどメガミデバイスというシリーズ作ってるからそのシリーズに組み込ませてほしいとお願いしました。

木村:まさに人と人の繋がり、ご縁ですね。

鳥山:すべてが人と人ですね(笑)。

浅井:WISMが実際に発売される前くらいから、アリスギアとのコラボ企画自体は動いていましたよね。

鳥山:皆さんが想定しているより早い時点でもう第一弾の吾妻楓の開発をスタートしていましたね。

浅井:まだ明確に楓のフィックスデザインはなかったと思うんですけど。

鳥山:最初の最初は……なかったかもですが、島田さんデザインなのでスルスルと資料が揃ってきた記憶があります。

浅井:まだ発売前なので、メガミもブランドとして成功するかどうかも分からなかった。でも、商品として成功させないといけないところもあるので、可能性として広い範囲にアタッチできるのであれば、触れておきたいところもあったのかもしれないです。


■ライセンスフリー

木村:『メガミデバイス』の特徴でもあるライセンスフリーについてお聞かせください。ファン活動の範疇における二次制作活動の全面的開放をかなり早い段階で発表されていていましたが、この意図は? 

浅井:これはもう、企画の最初から。

鳥山:もう大前提ですね。

浅井:これは『武装神姫』から続く流れですね。『武装神姫』は完全なフリーではなかったですけど、サンプルなしで版権料なし、みたいなとこまでやっていただいていて。

鳥山:当時、ワンダーフェスティバルで美少女フィギュアと言ったらまだ『武装神姫』くらいしかなかったんですよね。武器、顔、髪の毛、布服が結構盛り上がっていて。統計をとったら、いつぞやのワンフェスでぶっちぎり1位の申請数だったみたいな。これはやはりそういう文化であると。

浅井:そもそもの発端である「『武装神姫』みたいなことがやりたいね」というのも、「メカ美少女をやりたいね」ではなく、そうやって作って遊んでくださる方達の新しい文化ができていたのに、それを終わらせたく無いね、という意図が大きかったんですよ。

今でこそワンフェスでのオリジナルフィギュアは一大派閥ですが、昔はハードルが高く、新規参入だと目立つ事もあまりなかった。そんななか、オプションパーツのような形であっても、オリジナルキャラクターを『武装神姫』で作る動きが生まれていたので、ずっとワンフェスで育ってきた自分としては、その火を消すのはあまりにも惜しい。

当時、コナミの中の人に……鳥山さんなんですけど、かなり動いていただいて、そういった遊びに対して寛容なスタンスをとっていただいていたので、メガミに関してはスタートからその意志を引き継ぎたい気持ちが強かったんです。ですからライセンスフリーに関しては“前提”ですね。

野内:それを言われたコトブキヤとしては「本当かー!」って(笑)。

一同:(笑)

野内:メガミは「あ、二次創作完全フリーですか……? 」って(笑)。法務と話して「もう覚悟を決めよう」と。逆にいうと、「これがないとメガミデバイスはやれないぞ」と。そのつもりでやっていたので。

鳥山:野内さんよく頑張った。

木村:中国のゲームメーカーなどはライセンスフリーをやられていますけど、ホビーメーカーさんまで巻き込んでのライセンスフリーは当時なかったですよね。

野内:ゲームではありましたけど、模型とか立体が関わるものは、おそらく今でも多くはないですよ。

鳥山:『武装神姫』の時は正確にはフリーではなくて、「版権料はとらないけども申請はしてくださいね」って、一定の管理の下でした。当然、何かあったら困りますから。でも、メガミはもう(笑)。コトブキヤさんに「完全フリーにしたいんだけど」と相談をして、野内さんが社内調整を頑張ってくれました。

野内:社内調整と覚悟を決めたっていう。何かあったら……。

木村:すごいですね、コトブキヤさんの英断というか、決断が。

浅井:模型の多くはその言葉の通り、「模して作っている」と思うんですね。何かのキャラクターの立体化であり、再現であり、商品化である。でも、メガミはプラモデルがオリジナルで、何かを再現しているわけではない。もちろんデザイナーさんは居られるんですけど、デザイナーさんに絵を描いていただいて、「それを再現します」ではなく、「こういう商品を出したいから適したデザインを担ってください」なんです。

プラモデルとして遊んでいて楽しいと感じてもらえる、それを改造したいと思ってもらえる、カスタムパーツを出したいと思ってもらえる。そこに至るために必要なデザインを要求しているので、「模して作っている」わけではないんですよ。もちろん確定したデザインの再現には腐心しますし、コラボシリーズの場合は既存のキャラクターですから純粋に再現模型なんですけど。

プラモデルでオリジナルシリーズを立ち上げる上で、この点は強く意識しないと、ただの「小規模な版権の商品化」と変わらなくなってしまう。プラモデルが絵の二次創作になってしまうと、ライセンスフリー化してファン活動に繋げたとしても、その活動は二次創作のさらに二次創作になってしまいます。それは望んでいないんです。

公式はあっても正解は無い。作っているユーザーさんたちが主役となる窓口というか、きっかけになるようなものであってほしいと強く思っています。なので、オリジナルシリーズとしてメガミを始めたこととライセンスフリーはイコールですし、重要なことでした。

木村:だからこそオフィシャルサイトがファンポータルサイト的な作りになっているわけですね。

鳥山:それはありますけど、全然上手く活用できていないのが現状で。もうちょっとどうにかしたいんですが、少人数でやっているプロジェクトなのでなかなか。Twitter(現X)とかSNSのスピード感に敵わないので、あり方は今後考えないといけない課題です。

木村:今はファンが自発的にコミュニティを作れる時代になっていますからね。

鳥山:昔は自分のホームページで、作ったプラモデルを並べてデータベース化して、みたいな時期がありましたけど、今はSNSで「いいでしょ? 」即「いいね!」「いいね!」な時代じゃないですか。

浅井:サイトの意義は難しくなっているんだろうなと思います。

木村:ハッシュタグつければいくらでも、みんなが集まってくる時代になりましたからね。

野内:でもSNSは、本当にもう何ヵ月かけたようなすごい作例、商品化したいなと思うような作品も一瞬で流れちゃうのは、ちょっともったいないですよね。

鳥山:そういうところも含めて、今Xでメガミデバイスギャラリーというアカウントを運用、立ち上げて。ハッシュタグつけてくれて、僕が気になったものに関しては独断と偏見だけど、リポストして。あと週に1回はまとめるよ、みたいな活動を試みています。

公式ならば本来コトブキヤにお伺い立てて「これアップしていいですかどうですか」をやらなきゃならないんですけど。もうそういうスピードの時代じゃないので、野内さんの裁量で「いいですよ」って感じで、多めに見てくれている(笑)。

野内:いやいや、OKです(笑)。本当にすごい作例があるんですよ。

鳥山:ガールズプラモに限らず、広く見てもらいたいのは当然で。公式がアンタッチャブルなメーカーは多いと思いますけど、『メガミデバイス』に関しては割とずけずけ入り込んでいく感じですね。面白いものにはなってきていますが、公式として至らない面もあったりで。もうちょっと上手いことできないかなとは思っています。

野内:ですが、ありがたいですね。

青木:感謝を伝えたいですね。

浅井:プラモデルの開発に入らないと実感できなかった事ですが、プラモデルって不思議なメディアだと思うんですよ。9割出来上がったものを、最後の1割をユーザーに託して「作品」とするわけじゃないですか。僕は子供の頃にプラモデルを作っていて、父親に「それを作ったのは、お前ではなくてプラモデル会社の誰かだ」と言われたことがあって。

一同:(笑)

浅井:「お前は最後の上澄みを作っているだけじゃないか」と。

鳥山:最後をパチパチっと組み立てているだけだと(笑)。

浅井:「作品って言いたいなら木でも削れよ」と(笑)。

野内:良い親父さんですね(笑)。

浅井:それに対して「ぐぬぬ、そうじゃないぞ、そうじゃないはずだぞ」とは思うものの、明確な答えが自分の中で出せなかったんですよね。でもこれがプラモデルの開発を始めたあとにやっと「これが自分の答えかな」と思える感覚を得たんです。

 開発中、自分としては「こう遊んでもらえるはずだ」という想定をして事を進めるんですが、これがまあ外れるんですよ。さっきの話でも出た。壊れないと思ったところが壊されてしまうこともそうだし、この色が一番似合うはず、このポーズが一番映えるはず、みたいな想定もSNSに上がる写真は大概外れてくるんです。これこそがベストと想定していたゴールと全然違う。でもそれが悪くない。それはつまり、僕らが出せない答えなんですよね。

想像できなかったものがポンポン上がってくるのを見た時、最後の最後でルートがブワッと分岐していく感覚、最近の流行りじゃないですが、マルチバース化していく瞬間を見たような感覚があって。そうなった時、「9割他人が作っているんだからお前の作品じゃないだろう」という言葉に対しても、「その先の1割がこれだけ分岐して進んで行き、それは想像を超えていくのだから、ここから先は作った人たちのものだ」って返せるなって思えたんですよね。

それこそ子供の頃から40年、50年抱えていた事に自分の答えが出せた。送り手の側じゃなくても、同じような理屈は言えたと思いますけど、実際に開発の立場からユーザーさんの活動を見る機会に恵まれたから得られた、確かな実感だと思っています。

鳥山:僕ら子供の頃の模型誌ってプロモデラーは特別な人だったじゃないですか? でも、今、SNSでもみんな上手いよね。

木村:もちろん製作期間とかいろいろあるんでしょうし、僕たちはどうしてもいろいろな制約があって。昔からプロモデラーをやっていた人間は、「自由に作れ」と言われると逆に困る、創造性がなかったんですよ。メガミ以降の人たちは、ガンプラもそうでしょうけども、自由に作るのが上手くなりましたよね。

鳥山:それこそ20~30年前に木村さんたちが編集したHow to記事や別冊が、めちゃめちゃ効いていて、今に繋がっている。SNSに上がるプラモ全般、「こんなの芸術品じゃん!」くらいのものがごろごろしている世界なんですよね。

木村:テクニックが追いついてきたのかな。で、想像力も育まれている。ガールズプラモというのは、自由に作るひとつの起点になったと思います。


■思い出のメガミたち

──皆さんの中で思い出に残るメガミはありますか?

野内:自分だったらNidy-2D-さんですね。Nidy-2D-さんの朱羅というより、ご本人。一番始めにNidy-2D-さんとご一緒したのが、「レイキャシール:REDRIA」で、2012年か2013年くらいで。箱絵をどうしようかとなって、絵描きさんにお願いすることになり、それがNidy-2D-さん。メカ少女の同人誌を見て、SNSで「絵描いてみませんか?」と打診したら、「元セガの社員です」と、「PSOチームにいました」と(笑)。「なんだこの人は」と(笑)。

野内:最初は知らなかったから。Nidy-2D-さんに関してはそこから時間が流れて、メガミで島田さんが決まりました、次は黒星さんです、柳瀬さんです、それ以降どうしていこうか……になってたんでしたっけ?

鳥山:そうですね。WISMが発売する前、テストショットすらできる前くらいの段階で、「『武装神姫』の流れを意識しないで、誰かいらっしゃらないですかね」なんて話をしていたんですよ。で、やっぱり『メガミデバイス』は、顔とメカを分ける場合はありますけど、基本的にキャラを描けてメカも描ける人が必要になってくるので野内さんに相談したところ、Nidy-2D-さんという方がいらっしゃいますよと。

野内:「こういう人いますけど、どうです?」と。元セガの人でちゃんとした実績もある方だったので。きちんと仕事としてお願いできるかなと、ご紹介しました。

浅井:シンプルに商品としてメガミの人気にバーンと火が付いたのが、ここからだったんですよね。

野内:第3弾ですかね。

鳥山:プラモデルの開発は「誰々さんに描いていただきましょう」から発売までって、何ヵ月程度でできる話ではないですから。もう、メガミデバイス自体が売れるかどうかも分からないけれども、次弾の仕込みをゴリゴリやらせていただきましたね。

木村:けっこう早い段階からの企画だったんですね。

野内:それこそNidy-2D-さんに声をかけてから2年、3年くらい。

鳥山:朱羅の時はちょっと慣れてきたこともあって、割とサクサク開発も進んでいました。あとNidy-2D-さん自身が元々ゲームモデル作られていたこともあり、立体デザインのラフデータをいただけたりしたんです。ポリポリでしたけど部品単位で「このくらいの大きさなんだ」「このくらいの厚みなんだ」と非常に分かりやすくて、助かりました。デザインは結構複雑ですが、思いのほかやりやすかった記憶があります。

木村:第1弾WISM、第2弾SOLと同じようなデザインラインでしたが、ここから一気に雰囲気も変わりましたよね。

鳥山:シリーズ内でバラエティ豊かになることは何の抵抗もなかったので。Nidy-2D-さんから「和風でいいですか?」と話があって、「全然いいですよ」って感じでした。

木村:青木さんは思い出に残るメガミはいかがですか?

青木:自分はやっぱりもう、WISMですね。そもそも開発という表舞台に出ない人間が、最初から部品構成などをセッションして作っていくという、今までの業務と違う作業がすごく印象的で。アイデアに対して実現できる、できないもいろいろありつつ、でも鳥山さん、浅井さんは模型を分かってらっしゃる方でしたから、「これはもう無理ですよ」という部分も受けていただいたり、逆にギリギリ頑張れそうな部分を詰めてきたり(笑)。

一同:(笑)

青木:ライセンスフリーも含めて、ファンの方々に寄り添った商品を作っていくなかで「ここは捨てられないな」という部分は自分の中にもあって「じゃあここは無理しよう」みたいな模型を作っていた自分、その開発としてやって行かなきゃいけない自分を、共存させながら商品開発していいんだ、みたいところもわかりました。そういう意味で、このWISMを一緒にやらせてもらった経験は、自分の中で一番大きいですね。

浅井:僕的にはホーネットの存在が大きくて。メガミ以前からアクションフィギュアを開発していて、どうやったらユーザーさんが遊びやすくなるのか、演技をつけやすいかは大きな課題でした。

アクションフィギュアをやっていた頃は武器、持ち物やアイテムで演技のつけやすさを考えていました。でも表情に関しては、版権物であれば、「このキャラクターはこの表情、みんなの記憶にあるよね?」みたいな表情を優先しますが、オリジナルシリーズは無難な表情、汎用性の高い表情を選びがちになるんです。

コストもかかるのであまり多くは付けられませんし。でもホーネットは第2弾なのに、いきなり崩した表情が来た。で、崩した結果、表情だけでも演技が一気に変わってくる。この表情だったらこんな武器をつけたいなども見えてきたのがホーネットでした。

鳥山:あのニッコニコ顔はやはり印象的でしたよね。しかも口の中を別パーツにしてもらったりとか。何となく作っていて、可愛いのは分かっていたんですけど、ユーザーさんたち、浅井さんも含め、「いろんなシチュエーションにこの笑い顔が使えるぞ」みたいな。それこそやっぱり、さっき言ったような設定がガチガチになっていないシリーズの強みは出ていた気がします。

木村:かなり攻めた表情でしたよね。

鳥山:表情豊かで、もう、すごく笑っていたりとか、ジトッと横目で見たりとか。黒星さんに表情案を出していただいた中で、かわいいものを選んだつもりなんですけど、それが思いのほか使いやすかった。

浅井:僕はサンプルが上がってきてようやく、それを実感できたんですよ。表情によって遊びやすさが増す。表情ひとつで指針になると、気づかせてもらいました。その意味でSOLホーネット、ロードランナーはその後のメガミの方向性を指し示してくれたきっかけになったんじゃないかなと思いますね。

青木:いい意味でSNSでは“おもちゃ”にしてもらって(笑)。今でも現役ですから。

浅井:僕はもうひとつあって、スサノヲなんですけどメガミは最初から自分の中で縛られていたところがあって。『武装神姫』の資産、すでにそれを持っている方にも遊んでいただけることを前提に、太ももや上腕の太さなどを揃えていたんです。もし、メガミが第1弾でしか出せなくても、過去資産でちょっとでも遊んでいただけるようにという目論見でもあったんです。

ただ、それによってプロポーションが固定されてしまって、全然別のものにしたハズなのに同時に縛られているという息苦しさがあったんですよ。個人的に。Nidy-2D-さんが参加された時も、「Nidy-2D-さんの絵だったらこのプロポーションはベターではないな」と思ったり。

その息苦しさが爆発したのがスサノヲでした。スサノヲは開発途中のものが何度かワンフェスなどで展示されていたのですが、どんどんパーツが大きくなっていくんですよ。でも、素体が華奢なままなので、それがずーっと気になっていて。で、開発が一時期停滞していた時期、「だったら今のうちにそれに見合う体にさせてくれ!」と今までの自分ルールを破ったんです。実際、その時点で『武装神姫』の旧商品の資産で遊んでる人が殆ど居ないことも見えてきていましたからね。

鳥山:思ったほど遊んでなかった…。

浅井:思ったほどどころか、全然遊んでないなと。そうなると「いらないな、このこだわり」って。

一同:(笑)

浅井:もう根本的にプロポーションが違う「身長が高いおねえさんである」くらいまで変えるならいいかと割切ったのがスサノヲでした。だから僕の中ではスサノヲからメガミに対する考え方が自由になっています。

鳥山:解放された?

浅井:はい。「そのルール終わり!」って感じに。

一同:(笑)

浅井:まあ、より互換性を意識したメガミ版『武装神姫』のアーンヴァルとストラーフも出ましたので、過去資産で遊ばれたい方はこっちでお願いしますと。

木村:鳥山さんはいかがですか?

鳥山:自分の中で武装の組み替えみたいなことをいっぱいやってほしいっていうのが最初からあったんですけど、朱羅忍者、弓兵まではデザイナーさんにお任せしていた部分が非常に多かったんですけよね。

でもChaos & Prettyをやった時、キャラの部分は凪良さんに全面的にお任せしましたが、武器に関してはそれまで以上に僕が構造を提案をさせていただいたんですよ。武器を組み替えて大きいハンマーにしてみるとか、ライフルにしてみるとか、見立て遊びがしやすいものになったんですね。ちょっとデザイナーさんに僭越だったかなと思う部分もあったんですけど。

ただ、Chaos & Prett以降はデザイナーさんにギミックアイデアをずけずけと提案できるようになりました。そういう意味では自分の中でカスタムプラモの第一歩はChaos & Prettyで踏めたと思っています。

▲朱羅 忍者と弓兵。『メガミデバイス』シリーズのブレイクスルーイのきっかけとなる大ヒットを記録

■メガミの7年間とこれから

木村:これだけラインナップが続いていくと、初期で考えたコンセプトや狙いなど、微妙に変わってきたところはありますか? それこそユーザーの遊び方も含めて。

鳥山:素体方面は浅井さんで、武装方面は僕かなとは思っているんですけど。どうですか、浅井さん?

浅井:先ほどのお話と被ってしまいますが、ガールズプラモのルールというかレギュレーション自体が最初は見えてなかったんです。

じゃあ、今は見えたかと言われると現在進行形でルールは変わってきていて。その動きはメガミ7年間のなかでも固定されてない。ガールズプラモというジャンル概念が無い時期、実際に手にして遊んでもらえた時期、ガールズプラモのシリーズが自分たち以外からもたくさん出てそれを遊んだうえで反応が見えてきた時期、反応は時期によって全部違います。

で、こういうのは望まれてないとわかってきた反面、これアリなんだ、というのも見えてきた。そうしたらなんだか、自由になってきた気がしてます。「こうやるべきだ!」と思っていたものが、「こうやりたい」になってきたというか。

製品として、ユーザーさんが求めるものは何かを必死で考えていた時期が長かったんですけど、今は大枠は掴んだうえで、そのタイミングのナンバーワンは誰かが出すだろうから、僕は自分が試したいものを優先したくなってきた。

一同:(笑)

浅井:メガミの7年間はガールズプラモの7年間とほぼ重なると思うんですよ。それだけにコンセプトや狙いの変遷もあるんですけれど。初期ほど市場を意識して企画を組んでいたのが、今はそれほどでもなくなってきているかもしれないですね。

木村:市場といってしまうと商売的な匂いが強くなってしまいますが、ファンが集っているサークルとして雰囲気が変わってきているんだろうなと思うんですよね。要は遊び方、楽しみ方が変わってきている。それに伴ってメガミも進化している感じでしょうか。

浅井:口幅ったい事を言うようですけど、そんなに必死になってユーザーさんの支えになる必要はもうないんだなと。ある意味、我々の役割は終わっていて、邪魔なんじゃないかと思うところもありますし。

一同:(笑)

浅井:もうとっくにみんな巣立っているから、老後的な関わり方を意識し始めたみたいなところは、僕にとってあるのかもしれません。

木村:ガールズプラモの市場がメガミを中心にして育ち、みんなも熟成されてきた証拠なのかもしれません。始めはどう触っていいか分からない人もいっぱいいたと思いますが、7年間でそれぞれの遊び方が確立してきた気がします。

野内:最初は模型誌さんが一番苦戦していましたからね。

木村:そうなんですよ。私たちも実は最近になって、自由に遊んでいいんだと思えて。初めは色を変えるとかしかできませんでした。でも、「ガールズプラモスタイル」の作例は、キットのままに作っている作品が少ないんですよ。やっとそこまで私たちも来られた感じです。

鳥山:メガミの最新キットはBUSTER DOLLになります。素体が新しいのももちろんですけど、開発の方法が全然違っていて。武装部分に関しては本職の方にメカデザインをお願いしていないんです。

私がコンセプトとなるポンチ絵やざっくりモックを作って、担当さんに設計しながら形追加や、ディテールを入れてもらっています。最終的な見た目は設計者さんのフィニッシュなので、メカデザイン=設計者さんなんですよ。まだ発売前なので、どのような評価が出るか分からないんですけど。ブロックトイ、カスタムプラモ的な流れを強めにしていて、機能からパーツの設計とデザインを同時に進めています。

これに関しては浅井さんの「鳥山さん、自分でデザインしなよ」という後押しがあって進めています。僕の癖でパーツが増えてしまったことはちょっと反省しなければならないところではあるんですが。でも、武装のほとんどが単一のパーツで、合わせ目も消さなくてもいいっていうような構成になっています。これは設計から発想した形で、カスタム要素もちょっと強めになっているようなチャレンジを今回しています。

木村:外観からもカスタム的なデザインが表れていますよね。3mm穴も多いですし。

鳥山:穴がいっぱいあると軸の寸法の調整が非常に難しいので、金型設計からは嫌がられるんですけど(笑)。青木さんが頑張ってくれています。

鳥山:コトブキヤさんには『メガミデバイス』以外にも、『FAガール』、『ヘキサギア』が次々と出てきて、それ以上に歴史の長い『モデリングサポートグッズ(M.S.G)』がありますからね。ちょっとした鉄砲が欲しい、刀が欲しいと思ったら、気軽に買えるのも同メーカー内での強みですね。

木村:そういう意味でも遊びの幅はさらに広がりますよね。

浅井:プラモデルの開発を続ける中で、構造物としてできることから逆算して形状が決まっていくデザインの形はあるんですよ。これはキャラクターデザインとはまた違う感覚で。

BUSTER DOLLの開発過程はそういった流れを感じましたし「工業製品のデザインってこうやって成立するのかな?、ヘキサギアは少しこの感覚に近いのかな?」なんて想像したりしますね。ガールズプラモのサイズに機構を詰め込んでいると、そこに特化した機能美の美意識みたいなものが育つものなんだなと思って、自分の中でちょっと楽しくなってはいます。売れる売れないに関係なく「成型品で見たいから出しとこう」ってなりそうで。

一同:(笑)

浅井:図太くなってきてますね。

木村:それに応えるのはコトブキヤさんなんですね。

浅井:たぶん、メガミ初期の頃だとまず自分が許してなかった。ユーザーが求めてないなら出すべきではないとか言っていた気がします。今だと、「いや、もうあと何年やれるかも分からないし今のうち」みたい心情になってます(笑)。

一同:(笑)

野内:『武装神姫』の素体に着させる服(アウタスキン)を浅井さんがディーラーとして作っていた時期がありますよね。2、3年間くらいですか? 

浅井: 3年、4年くらいかな。

野内:で、自分のイメージでは、ああいうのをやってほしいなって。

鳥山:そうなると浅井さんの新作発表をお楽しみに、って感じになってくるとは思うんですけど。そういうところも含めて、全部ひっくるめられる世界観、ゆるい世界観があるので(笑)。実際の開発にも上手いこと機能しているかなと思いますね。

浅井:夏の配信でも触れたんですが、BUSTER DOLLから「マシニーカBlock2-M」という新規格の素体になっていて、その一方で旧型をリメイクした素体も試作しているんです。旧規格素体に対応したガレージキットを作ってくださってる方への受け皿であるとか、現実的な理由もあるんですけど、気分としては「新型に対して旧型が牙を剥く」みたいな意識でいて、「僕ら漫画みたいな世界の中に生きてるな」とは思います(笑)。

鳥山:このインタビュー時点で僕は浅井さんの新作について何の情報も得ていません(笑)。そういうのが逆に面白いです。何でもありで。

▲ 最新作「BUSTERDOLL」シリーズ。完全新型素体「マシニーカBlock2-M」を搭載。左からパラディン、ナイト、ガンナー、タンク。2024年1月発売のガンナーを皮切りに続々とリリース予定!

木村:では最後にすべてのメガミファンにメッセージをお願いしてもよろしいでしょうか?

野内:メガミのファンになってくれて本当にありがとうございます。私はメガミではメーカーとしての商品戦略、市場の構築を担当して、実際の商品の部分は鳥山さんと浅井さんにお任せして、自由にやってもらえるようにと心がけてきました。

そして、それがお客様にきちんと届くように、メーカーとして頑張っていきたいなと思っています。引き続き買い支えていただけると非常にありがたいです(笑)。

鳥山:野内さんに求められたコメントはそうだよね(笑)。

青木:やはりメガミの7年間長いようで短かったですね。自分としても商品を通じて成長できた機会もあったし、お客さんもずっと買い支えてもらっているので、本当に感謝しているシリーズです。

自分の役割はユーザーの皆さんに数多く手にとってもらえるように商品をなんとか作っていくことだと思っています。商品点数もですけど、生産数ですね。社内でいろいろ調整して、もういつでもユーザーさんが手に入れられる状況を作れるように頑張っていきます。

浅井:皆さんが遊んでくださってること、組んだり写真を撮られたり改造されたりする事で、メガミの可能性には膨大な分岐ができています。それはプラモデルで育った僕にとってとても幸福な事で、続ける原動力になっています。

メガミは7周年になりましたが、まだもう少し走りたいと思っているので、皆さんに引っ張っていっていただけると嬉しいなと思います。

鳥山:「7年経ったか~」と思うんですけど、まだまだ買っていただけているのでとてもありがたい限りです。7年経ったのに「初めて組みました」と言っていただける方を見かけたときは嬉しいです。「ガールズプラモに抵抗あっただけど作ってみて楽しかったよ」とか、励みになっています。

メガミデバイスという世界観のなかで、これまで同様デザイナーさんの個性が炸裂したものから、プラモとしての組み方や遊び方を提案するようなものまで、幅広く作っていけたらいいなと思っています。なので、自分の好みに突き刺さるようなものが出てきた時は、迷わず手にとっていただいてですね(笑)。

ぜひ自分の性癖に突き刺さったメガミを買ってください。正直に買ってください。恥ずかしがらずにちょっと刺激的なパッケージをレジに持っていってください(笑)。

──ありがとうございました。

(2023年10月ホビージャパン本社にて)


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