月刊ホビージャパンの姉妹誌「HJメカニクス」の人気連載「桜井信之の週末2日でもここまでできる!」が月刊ホビージャパン2023年10月号に出張! 期待の新作「IMS 1/144 L.E.D.ミラージュV3 軽装仕様」を初心者でも楽しんで製作できるよう、桜井信之がポイントを絞って徹底解説する。基本的な模型スキルがあれば、楽しんで完成させられること間違いなし。いまだモーターヘッドの世界を味わったことのない方は、これを機にぜひ!
たった2日でここまでできる!
週末ホビーライフ
HJメカニクスの人気連載が単行本化。可処分時間の少ないモデラーのために、週末2日のみで効率よく模型を完成させられるテクニックを伝授する。同時に、スケールからキャラクターまで、ジャンルをまたいだ基礎知識も学べるオトクなHow to本となる!
定価:2200円(税込)
発売中
IMS 1/144 L.E.D.ミラージュV3 軽装仕様
ボークスの『ファイブスター物語』ブランドであるIMS(Injection assembly Mortar headd Series)新作。これまでのIMSで培った技術力をもとに、1/100スケール同様にフレームや半透明化積層装甲を再現する。手に取りやすい1/144スケールというサイズに、組みやすさも加味しながら密度ある情報を盛り込んだ意欲作である。
工作編 crafting
塗装編 painting
▲パールブルー7割に、パールパープル3割を混ぜた塗料を全体に吹いていく。ただのパールブルーよりも若干の紫味が加わったほうが好きなのでこの混色にしたが、この辺は完全に個人的な好みで塗装してほしい。パール塗料もギラギラと輝くタイプから、しっとりと上品に仕上がるタイプがあるので、好みで選択して問題ない。本作例では輝度よりもしっとりと上品に仕上がるパール顔料を使用している
使用塗料:
Mr.クリスタルカラー
ムーンストーンパール
▲各パーツにスミ入れを施していく。MHにスミ入れを行う・行わないの選択も個人の判断にお任せするが、今回は彫刻が彫り込まれた部分に限定して行っている。乳白色半透明部分に、くっきりとスミが入ると違和感があるので、今回はスモークとブラックを半々に混ぜ、スミ入れ色にも透明度を持たせて基本塗装との調和をとることにした
▲デカールの上から2回ほどクリアーコート後、1000番以上の紙ヤスリ(理想は1500〜2000番程度)やスポンジヤスリなどで、クリアー層の上からデカールの段差を消していく。“削る”というほど強力ではないが、“磨く”というほど優しくはない適度な力加減で、全体はフラットになるように仕上げていく。これは「中砥ぎ」と呼ばれる作業で、この作業を行わず、デカールの段差を残したままでは、何度クリアーを重ね吹きしてもツライチで滑らかな表面には仕上げられない、とても大切な工程だ。中砥ぎが終わったらさらに数回クリアーをコートして完了だ
使用塗料:
ガイアカラー メタリックプリズムホログラム
▲ふくらはぎのイレイザーエンジンカバーは他のパールやメタリックとは異なる輝きを加えてみた。使用したのはガイアカラーのメタリックプリズムホログラムで、写真のような効果を与えられる。バイクのマフラーやジェット機のスラスターなどには熱による金属焼けという現象が起こるが、ケタ外れの出力を持つイレイザーエンジンの、ジョーカー星団という架空の世界における一風変わった表現を狙ったもので、ここは個人の好みで好きなアレンジを加えていただきたい箇所だ。脚部はもっとも色数が多いブロックなので、これくらい派手に決めても丁度よいまとまり方をする
使用塗料:
Mr.カラー スーパークリアーIII UVカット
▲最後にクリアーを全体に数回コートし、全体をカーモデルのようなグロス仕上げにする。今回のクリアーコートはすべてMr.カラーのスーパークリアーIII UVカットを使用している。フル塗装を行ったパーツに対しても紫外線対策は必要だが、乳白色半透明パーツは成型色活かしでのフィニッシュのため、より紫外線による黄変を恐れての対策だ。とはいえIMS L.E.D.ミラージュV3初販時の完成品が自宅にあるが、目でわかるほどのダメージはまったく感じないので、神経質になる必要はないだろう
月刊ホビージャパン2023年10月号のF.S.S.特集でも2本目のご依頼をいただきました。IMS 1/144シリーズ待望の最新作、軽装仕様です。正式な作例は以前、ため息が出るほど美しい1/72 バーガ・ハリBSコブラを製作されたnishiさんにお任せし、僕は製作上のちょっとしたコツを書いてみたいと思います。
以前、HJメカニクスの連載で1/100 L.E.D.ミラージュV3のHow to記事を書かせていただいたのですが(単行本「たった2日でここまでできる! 週末ホビーライフ」収録)、このタイミングからF.S.S.モデリングに参加する方もいらっしゃると思うので、再びL.E.D.ミラージュV3を取り上げました。
さて、ボークス 1/144 IMSのラインナップはまだ決して多くないのですが、このタイミングでL.E.D.ミラージュV3がシリーズに加わったのはとても嬉しいことです。本シリーズは先行でキット化されているアイテムを、設計的にも形状的にもさらにブラッシュアップしてモデライズされるのが特徴です。本L.E.D.ミラージュV3も御多分に洩れず……いえ予想をはるかに上回る煮詰め方をされており、MHやIMSは敷居が高いと考え、購入と製作を敬遠していたモデラーでも、確実にカッコイイL.E.D.ミラージュV3が組み上げられるよう設計されています。その気概がランナーを見ているだけでヒシヒシと伝わってきて、メーカー側に本気と気遣いを感じ取ることができます。内部フレームも最低限必要な箇所に集中し再現、組みやすさを重視した設計になっています。特筆すべき点は頭部・肩アーマー・上腕などで、1/100では数パーツで構成され、半透明成型色を活かしたフィニッシュを行う際に、合わせ目消しで難儀した部分が一体化パーツとなっていて、シリーズ中でももっともストレスフリーなパーツ構成をしています。とにかくインストラクションどおりに丁寧な作業を積み重ねていけば、確実に最新・最高のL.E.D.ミラージュV3に出逢うことができる本キット。IMS未体験のF.S.S.ファンはマストアイテムです。加えてMHに興味はある方は、このキットからエントリーするには最適なキットといえます。ぜひこの機会に素晴らしきF.S.S.の世界をご体験ください!
ボークス 1/144スケール プラスチックキット“INJECTION ASSEMBLY MORTAR HEADD SERIES”
L.E.D.ミラージュV3 軽装仕様
製作・文/桜井信之
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