『戦闘メカ ザブングル』より3番艦「ギア・ギア」を徹底ディテールアップ!電飾、ウェザリングなどで巨大感のある仕上がりに
2023.08.21祝・プラキット化! アイアン・ギアー3番艦を徹底ディテールUP
『戦闘メカ ザブングル』の放送40周年を祝し、2022年末にハセガワから発売されたアイアン・ギアーのプラキット。そのバリエーションモデルとして、作中後半に登場した3番艦「ギア・ギア」が23年夏に初のプラキット化を果たした。ギア・ギアは洗脳を施されたエルチ・カーゴを艦長とし、ジロン・アモスらが乗るアイアン・ギアーと交戦。時には巨大ウォーカーマシン(WM)形態同士での取っ組み合いを演じた好敵手として印象深い。今回は澤武慎一郎が設定画を参照しつつ、こまかな部分をディテールアップ。電飾やウェザリングなどのプラスアルファで全長約170mの巨大感のある仕上がりを目指している。
■はじめに
アイアン・ギアータイプ3番艦「ギア・ギア」。バリエーションキットながらブリッジ窓等一部金型が変更されており、設定に忠実なギア・ギアが作れます。
組んだ印象としては堅実な出来で、SFメカ類を数多く手がけてきたハセガワさんらしい設計。合わせ目を消す部分や手間を食うところも皆無なため、簡単にサクサクと作れます。とはいえストレートに組んだだけでは記事になりませんのでここは設定書とにらめっこして気になったところに手を入れていきましょう。まず気になったのは格納庫扉の厚み。設定ではもう少し中央甲板とツライチに扉が倒れており、設定でも確認できます。そこで扉の厚みを薄くすることに。キットパーツとにらめっこしながら、ボリュームを減らした格納庫の扉をプラ板で自作しました。
格納庫内部は2パーツ構成ながら実によく出来ています。しかし、抜きの関係でディテールは最小限。ここは設定を見ながらプラ板細工でディテールを追加し、各フロアの手すりも取り付けます。1/500は珍しいスケールのため、パーツを流用しようにもなかなか候補が見つかりません。苦労して見つけたのがフジミの「1/350 日本海軍汎用ジャッキステーエッチングパーツ」。手すりの高さもちょうどいい感じで、このキットにうってつけでした。
また艦体各所にはプラペーパーの細切れを貼り付けて、アップ作画で目にするような凸凹の鉄板貼り合わせディテールを適度に追加、特に金型の抜き方向の関係でモールドが少なめな側面を中心にペタペタ貼っています。接着はVカラーシンナーで行いました。
艦橋内部もプラ板でそれらしく作りこみます。完成後も屋根を外して中を見れるようにし、ここと格納庫の天井にLEDを仕込み照明を追加。電源は太モモの内部にボタン電池を仕込み、スイッチは艦橋後頭部下に取り付けました。頭頂部にはエルチの「お立ち台」を作り、1/700海魂のフィギュアを乗せています(エルチに見えるかな?)。格納庫にも何人か配置してみました。
キットに付属する各WMは関節を切り離して少しポーズをつけて再固定、これだけでぐっと動きが出て格好良くなります。カプリコの爪は丸ノコで切り込みを入れて余分をカットするとちゃんと3本爪に。
■塗装
ほとんど指定カラーですが艦体色だけは変えています。Mr.カラー各色のミディアムブルー+キャラクターイエロー+ジャーマングレー+フタロシアニンブルーを混色。比率は5:2:2:1です。ドランとブラッカリィは指定のまま、カプリコのカラーは好きに変えています。ギア・ギア全体はエナメル塗料のダークイエローで砂埃がこびりついた感じに、場所によって黒でパネルやスジ彫りを強調し、後部ノズルにはダークアースを吹いて焼けた感じに仕上げています。
ハセガワ 1/500スケール プラスチックキット
「戦闘メカ ザブングル」 ギア・ギア
製作・文/澤武慎一郎
「戦闘メカ ザブングル」ギア・ギア
●発売元/ハセガワ●6600円、発売中●1/500、約33.7cm●プラキット
©創通・サンライズ
澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)
船やSFもの、特撮ものを製作するマルチモデラー。電飾やディオラマも手掛けるなど幅広いテクニックと知識を持つ。