HOME記事キャラクターモデル『戦闘メカ ザブングル』より3番艦「ギア・ギア」を徹底ディテールアップ!電飾、ウェザリングなどで巨大感のある仕上がりに

『戦闘メカ ザブングル』より3番艦「ギア・ギア」を徹底ディテールアップ!電飾、ウェザリングなどで巨大感のある仕上がりに

2023.08.21

「戦闘メカ ザブングル」ギア・ギア【ハセガワ 1/500】 月刊ホビージャパン2023年9月号(7月25日発売)

「戦闘メカ ザブングル」 ギア・ギア イメージカット

祝・プラキット化! アイアン・ギアー3番艦を徹底ディテールUP

『戦闘メカ ザブングル』の放送40周年を祝し、2022年末にハセガワから発売されたアイアン・ギアーのプラキット。そのバリエーションモデルとして、作中後半に登場した3番艦「ギア・ギア」が23年夏に初のプラキット化を果たした。ギア・ギアは洗脳を施されたエルチ・カーゴを艦長とし、ジロン・アモスらが乗るアイアン・ギアーと交戦。時には巨大ウォーカーマシン(WM)形態同士での取っ組み合いを演じた好敵手として印象深い。今回は澤武慎一郎が設定画を参照しつつ、こまかな部分をディテールアップ。電飾やウェザリングなどのプラスアルファで全長約170mの巨大感のある仕上がりを目指している。

ギア・ギア 全体写真
▲ランドシップ「ギア・ギア」はアイアン・ギアー、グレタ・ガリーに続いて建造された新造艦で、移動速度や主砲射程などに改良が施されており、劇中に登場した3隻のなかではもっとも性能が高い。またブリッジの頂部に露天式指揮用デッキを増設しており、エルチ艦長は好んでここから指揮を執っていた
艦首の200mm連装主砲
▲艦首の200mm連装主砲は砲身のK3パーツのブリッジ部を切り離すことで、2連砲身の左右を独立して動かせるようになる
短冊状に切ったプラ板を貼ってディテール 各部
▲各部は短冊状に切ったプラ板を貼ってディテールアップ。少々いびつに、凸凹させていたほうが応急処置感が出せる
艦底部
▲艦底部の3連ノズル周辺はディテールが密に入っており、見せ場のひとつになっている
アイアン・ギアーとギア・ギア素組みとの比較画像
▲アイアン・ギアーとギア・ギアは艦橋部、主翼端、格納庫内のデザインが微妙に異なるため、キットは新規パーツでそれらの違いを丁寧に再現。見分けの付きやすい“目元”や“アゴ”のみならず、“首”の部分もわざわざ新規造形されているのにはオドロキだ。作例は艦橋サイドのラッタルや頭頂部の「お立ち台」を追加してディテールアップした
素組みとの比較画像
▲素組み(写真左)と。設定のカラーリングよりも若干彩度を落とし、各部にウェザリングを施すことで、砂塵が吹き荒れる惑星ゾラの大地にふさわしいくすんだ色合いにしている
製作途中の胸部格納庫ハッチ
▲自作した胸部格納庫ハッチのすり合わせを行っているところ
製作途中胸部格納庫内
▲設定を参考に、胸部格納庫内をディテールアップ。1/350艦船模型用のジャッキステーを張り巡らせて手すりに見立てている
0.3mmプラ板でディテールアップしているところ
▲ランダムな大きさに切り出した0.3mmプラ板でディテールアップしているところ。左右対称に貼っていくのではなく、ある程度不揃いにすることで80年代SFメカな雰囲気を狙っている
エルチが立つ露天式指揮用デッキ アップ
▲設定画には「頂上司令御立台」と書かれている、エルチが立つ露天式指揮用デッキ。エッチングパーツで手すりを、伸ばしランナーで伝声管を造形。エッチング製の1/700フィギュアを配置している
ブリッジ内
▲天井部分を外せばブリッジ内を覗き込むことができる。プラ板などでそれらしく内装を仕上げた
格納庫展開
▲ブリッジと格納庫天井にLEDを配置し、ボタン電池で光るようにした
ブリッジ後部
▲ブリッジ後部の目立たない部分に電飾のスイッチを配置
太モモ部の裏側
▲電源のボタン電池は太モモ部の裏側に取りまとめた
素組み
作例
胸部格納庫のハッチ展開時
▲胸部格納庫のハッチ展開時、庫内の床と倒れたハッチとの間に段差ができるため、厚みを薄くしたハッチ扉をプラ板で自作し、床がなだらかに繋がるように調整した。庫内にはエッチング製の1/700フィギュアを数体配置
ギア・ギア 天面
ドラン タイプ、ブラッカリィ タイプ、カプリコ タイプ2機ずつ
ブラッカリィ タイプ、カプリコ タイプの塗装前と塗装後
▲キットには同スケールのドラン タイプ、ブラッカリィ タイプ、カプリコ タイプが2機ずつの合計6機のWMが付属。とくにブラッカリィとドランのオマケは『ザブングル』ファンならば拍手喝采といったところだろう。各機はたった3cm程度ながらよく特徴を捉えており、造形的には申し分なし。作例では関節で切り離して真鍮線を通して再接着。足を開いてハの字に立たせたり、腕を突き出させたりして表情を付けている

■はじめに
 アイアン・ギアータイプ3番艦「ギア・ギア」。バリエーションキットながらブリッジ窓等一部金型が変更されており、設定に忠実なギア・ギアが作れます。
 組んだ印象としては堅実な出来で、SFメカ類を数多く手がけてきたハセガワさんらしい設計。合わせ目を消す部分や手間を食うところも皆無なため、簡単にサクサクと作れます。とはいえストレートに組んだだけでは記事になりませんのでここは設定書とにらめっこして気になったところに手を入れていきましょう。まず気になったのは格納庫扉の厚み。設定ではもう少し中央甲板とツライチに扉が倒れており、設定でも確認できます。そこで扉の厚みを薄くすることに。キットパーツとにらめっこしながら、ボリュームを減らした格納庫の扉をプラ板で自作しました。
 格納庫内部は2パーツ構成ながら実によく出来ています。しかし、抜きの関係でディテールは最小限。ここは設定を見ながらプラ板細工でディテールを追加し、各フロアの手すりも取り付けます。1/500は珍しいスケールのため、パーツを流用しようにもなかなか候補が見つかりません。苦労して見つけたのがフジミの「1/350 日本海軍汎用ジャッキステーエッチングパーツ」。手すりの高さもちょうどいい感じで、このキットにうってつけでした。
 また艦体各所にはプラペーパーの細切れを貼り付けて、アップ作画で目にするような凸凹の鉄板貼り合わせディテールを適度に追加、特に金型の抜き方向の関係でモールドが少なめな側面を中心にペタペタ貼っています。接着はVカラーシンナーで行いました。
 艦橋内部もプラ板でそれらしく作りこみます。完成後も屋根を外して中を見れるようにし、ここと格納庫の天井にLEDを仕込み照明を追加。電源は太モモの内部にボタン電池を仕込み、スイッチは艦橋後頭部下に取り付けました。頭頂部にはエルチの「お立ち台」を作り、1/700海魂のフィギュアを乗せています(エルチに見えるかな?)。格納庫にも何人か配置してみました。
 キットに付属する各WMは関節を切り離して少しポーズをつけて再固定、これだけでぐっと動きが出て格好良くなります。カプリコの爪は丸ノコで切り込みを入れて余分をカットするとちゃんと3本爪に。

■塗装
 ほとんど指定カラーですが艦体色だけは変えています。Mr.カラー各色のミディアムブルー+キャラクターイエロー+ジャーマングレー+フタロシアニンブルーを混色。比率は5:2:2:1です。ドランとブラッカリィは指定のまま、カプリコのカラーは好きに変えています。ギア・ギア全体はエナメル塗料のダークイエローで砂埃がこびりついた感じに、場所によって黒でパネルやスジ彫りを強調し、後部ノズルにはダークアースを吹いて焼けた感じに仕上げています。

ハセガワ 1/500スケール プラスチックキット

「戦闘メカ ザブングル」 ギア・ギア

製作・文/澤武慎一郎

「戦闘メカ ザブングル」ギア・ギア
●発売元/ハセガワ●6600円、発売中●1/500、約33.7cm●プラキット

©創通・サンライズ

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澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)

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