「ファフナー・マークアレス 」がMODEROIDで登場!各部のシャープ化で印象を引き締める【蒼穹のファフナー THE BEYOND】
2023.08.16ファフナー・マークアレス【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2023年9月号(7月25日発売)
塗装表現で魅せる“全能”の救世主(ザルヴァートル・モデル)
グッドスマイルカンパニーのMODEROIDにて、『蒼穹のファフナー THE BEYOND』に登場する第4のザルヴァートル・モデル、ファフナー・マークアレスが発売! 『THE BEYOND』の中でも一際印象的な機体だけに、今回の立体化はファンにとっても歓迎するところだろう。キットは全高約20cmのボリュームある造形で、クリアーパーツによる発光部表現、同化ケーブルの射出再現など先行しているマークザインやマークニヒトを踏襲したもの。製品の造形レベルも高まっており、威容ある姿を見事にプラキット化している。作例はザイン、ニヒトを手掛けてきたマイスター関田が担当。各部のシャープ化で印象を引き締め、装甲と発光部の塗装で劇中での存在感を表現している。
ダークブルーの塗装法
オレンジの塗装法
ドーモ、マイスター関田でございます。今回はマークザイン、マークニヒトに続くMODEROID『蒼穹のファフナー』第3弾「全能」のザルヴァートル・モデル、ファフナー・マークアレスを担当させていただきました。キットは鋭角と曲面を組み合わせた複雑なデザインを、パーツ単体でも色気を感じるような抑揚ある造形で立体化。組むだけで強力な存在感を放つマークアレスが完成します。
■工作
製作に当たってはキットのよさを活かしつつ成型の都合でエッジが出てない部分のシャープ化を中心に進めていきます。削り込む面のディテールを消さないよう、エッジ側面のディテール特にスジ彫りは過剰に彫り直しを入れ、必要に応じてシャープ化加工の途中でも彫り足していきます。
また必要性を感じた部分への後ハメ加工でマスキング箇所の低減を図っていますが、関節部分は保持力を優先し、なるべく後ハメ加工をせず挟み込み構造を維持しています。
■塗装
本体色の黒に近いダークブルーは本編映像や劇場で配布されたミニモデルの成型色から赤み控えめの藍色を暗くした色調を想定していたのですが、パッケージアートの紫がかった青で描かれたイラストがあまりにカッコよかったので急遽方針変更。照明を強く当てた時にシャドウ部分が紫がかったダークブルーになるよう色を重ねています。蛍光色のパーツと合わせるとほぼ黒にしか見えない色ですが、作品イメージの土台となる色なので完成後に後悔がないようしっかりとした方向性を持って決めたいところです。ちなみに下地は一騎の最初の機体マークエルフの機体色、中間層の青みがかった明るいグレーはマークアレスの基となったアキレスの色をイメージしつつ最終的なダークブルーの発色を助ける調色をしてみました。こういうお遊びはともすれば回り道にもなりますが、長時間の作業の中でテンションと集中を保つのに一役買うことがありますのでなかなか侮れません。
青とオレンジの部分は、劇中で強弱はあるものの光っている表現になっています。今回は白下地に蛍光色を重ねて発光表現を狙いつつ、ブラックライトを当てた時さらに劇中のイメージに寄せることができるように塗装しています。
本体ダークブルー
下地=GXウイノーブラック+GXクールホワイト・色ノ源マゼンタとシアン各少量、2層目=下地色+ホワイト+色ノ源シアン少量、3層目=色ノ源シアン+色ノ源マゼンタ+GXスーパークリアーIII+GXウイノーブラック・色ノ源イエロー少量(3層目はマゼンタを多めにした色調でランダムにシャドウを付けて、照明が強く当たると紫になる部分を作っている)
フレーム銀
下地=GXウイノーブラック+GXクールホワイト・色ノ源マゼンタ・色ノ源シアン(各極少量)、2層目=下地色+GXクールホワイト、3層目=スーパージュラルミン
発光部分/オレンジ
下地=GXクールホワイト2層目=蛍光オレンジをパーツの輪郭に多く当たるようグラデーション
青発光部分
下地=ガイアカラー蛍光ブルー、2層目=GXクールホワイト、3層目=ガイアカラー蛍光ブルーをパーツの輪郭に多く当たるようグラデーション
グッドスマイルカンパニー ノンスケール プラスチックキット“MODEROID”
ファフナー・マークアレス
製作・文/マイスター関田
MODEROID ファフナー・マークアレス
●発売元/グッドスマイルカンパニー●8500円、6月予定●約20cm●プラキット
ⒸXEBEC・FAFNER BEYOND PROJECT
マイスター関田(マイスターセキタ)
ガンダムベース東京でガンプラマイスターを務める塗装の伝道師。探求心を持ちつねに新しい塗装表現を模索する。