HOME記事工具・マテリアル“マスキングテープ”をうまく貼るコツを教えて! マスキングテープ&マスキングゾルの効果的な使い方を解説【模型質問箱】

“マスキングテープ”をうまく貼るコツを教えて! マスキングテープ&マスキングゾルの効果的な使い方を解説【模型質問箱】

2023.07.11

 月刊ホビージャパン2023年8月号(6月23日発売)

みんなの気になる“模型の質問”に答えます!

 読者の皆様からのアンケートはがきやHJ Web、SNS等にお寄せ頂いたご意見やご質問を参考に「気になる模型の質問」のプロモデラー・けんたろう、フミテシ、そしてホビージャパンモデラー陣やメーカー各社様がお答えていきます!


Q.マスキングの基本とリカバリーの方法って?

A.とにかくテープを隙間なく貼ることと、やっぱり筆でのリタッチが鉄板です。

 まずマスキングで覚えてほしいのは、塗り分けたいラインの境目から覆っていく、ということ。また、境目に細かいテープを少しずつ貼る際はテープの隙間から塗料が染み込む恐れがあるので、境目に貼る枚数はできるだけ少なく済むように、なるべくひとつの直線につき1枚で貼り切るようにしましょう。

複雑なラインのパーツにマスキングテープを貼っている画像 その1
複雑なラインのパーツにマスキングテープを貼っている画像 その2
複雑なラインのパーツにマスキングテープを貼っている画像 その3
▲ 複雑なラインをマスキングする場合、大きく分けて2種類のやり方があります。小さく切ったテープを細かく貼り付けていく方法(写真左)と、テープをパーツを覆うように貼り付け、塗り分けたいラインに沿ってナイフで切れ目を入れる方法(写真右)。後者は貼るテープの枚数が少ない=テープの隙間から塗料が入り込むリスクを減らせますが、ナイフが塗膜を傷つける可能性も。予めカットする線をナイフやチゼルなどで彫っておき、テープを切る刃を入りやすくさせておくと作業しやすくなります

また、テープの端っこは歪んでいたり、ゴミが付着していたりするので、端を切り落としてから使うのもポイント。もちろんマスキングの外周を貼り終えたうえで、内側の大きな面積をふさぐときはテープの幅めいっぱい使って問題ないのですが。

マスキングテープの端をカットしている画像
▲ マスキングテープの端っこはゴミや指の皮脂などが付着しているため、1mmほどカットしてから使うと塗り分けのラインがキレイになります

さて、こうして塗ったマスキングも、僅かな隙間ができていたり、塗り分けラインからはみ出ていることがあります。テープを剥がしたら隙間から塗料が流れ込んでしまっていた…なんてこともしばしば。その場合は筆でリタッチしたり、場合によってはまたエアブラシを吹いてもよいでしょう。

塗料のはみだしをレタッチしている画像
▲ テープを剥がしたら…塗料がはみ出している! テープの隙間から青い塗料が流れ込んでしまったようです。慌てずに白い塗料ではみ出しをレタッチ。クリアーをかければほとんどわからなくなります

裏ワザとして、マスキングの上から同色や透明なクリアーを吹いてマスキングの隙間を埋めてしまい、塗料のはみ出しを防ぐ方法もあります。(けんたろう)


Q.広い面積をマスキングするとき、テープがいくらあっても足りません。良い方法はありますか?

A.コピー用紙やビニールなど塗料を通さない素材を併用しましょう。

 マスキングテープでミイラみたいになっていませんか? まずそこを見直していきましょう。テープをしっかり貼り込むのは塗り分けラインの境目だけで、残りは紙などでガードすればよいのです。裏側に塗料が浸透しなければコピー用紙でも充分で、私は普通のプリンター用紙を使っています。また現在はフィルムシート付きのマスキングテープも売っているので、それを使うと効率よくマスキングできると思います。(けんたろう)

紙でマスキングする際の例の画像
▲ 紙でマスキングする例。塗り分けラインのキワの部分はしっかりマスキングテープを貼り、その他の広い面積は紙で覆うことで手間もコストも節約できます
シート付きマスキングテープの画像
▲1.5cm幅のマスキングテープの一端に、半透明フィルムシートがくっついている変わり種。シートを広げた際の全体幅は5.5cmと、広い面積をカバーできます

シート付きマスキングテープ 550mm

●発売元/タミヤ●704円

Mr.マスキングテープワイドの画像
▲ 幅5cmという超幅広のマスキングテープ。通常のマスキングテープの要領で使えます

Mr.マスキングテープ ワイド

●発売元/GSIクレオス●605円


Q.マスキングゾルの効果的な使い方を教えて!

A.凹凸のある面やキャノピーマスキングに効果的!

 マスキングテープが向かない部分への対処として知られるマスキングゾル。独特の使用感があるため、イマイチ使いこなせていない人もいるのではないでしょうか。使用時のポイントを押さえることで、マスキングゾルへの見方が180度変わりますよ!


マスキングゾルNEOとMr.マスキングゾル改の画像

Mr.マスキングゾルNEO(左)、Mr.マスキングゾル改(右)

●発売元/GSIクレオス●200円、25ml(NEO)、400円、20ml(改)

 マスキングゾルはビニール系とゴム系の2種類があり、ビニール系は乾燥後にカットできるすぐれもの。とはいえ私的にはゴム系の硬さが好みで、これをパーツの凹みに充填すると簡単にマスキングができるので気に入っています。

マスキングゾルの使い方の画像 その2
▲ ゴム系の「Mr.マスキングゾルNEO」。ゾルが固まる前ならば水を含ませた綿棒で拭えるので、凹みの部分をざっくりはみ出すぐらいに塗ってから拭き取ることで簡単にマスキングを行うことができます
マスキングゾルの使い方の画像 その3
▲ ビニール系の「Mr.マスキングゾル改」を飛行機のキャノピーに塗ってから、乾燥後に枠部分をナイフで切ることでしっかりマスキングできました

またテープと相互に使うのも効率がよく、平面上の出っ張りはゾルで、他の部分はテープ、なんて使い方も可能。さらに、爪楊枝で塗り広げることもできます。

マスキングゾルの使い方の画像 その1
▲ マスキングゾルは液状なので凸凹した面を覆うのに最適。テープが持ち上がってしまうような出っ張りには、ゾルを塗ってマスキングします
マスキングゾルの使い方の画像 その4
▲ 艦船模型につきものな、探照灯のレンズ部分のマスキング。マスキングゾルを爪楊枝など先の細いもので塗り拡げればOK

 テープを含めたマスキングの重要なポイントとして、“剥がせる”ことを意識したマスキングを心がけましょう。ゾルはある程度厚みをもったほうが剥がしやすくなります。テープの場合でも、パーツの狭所に貼る際はテープの長さをできるだけ長めに貼り付けておいて、あとから取り除きやすい形状にしましょう。ピンセットが奥まったところに届かず、短いテープが除去できない! なんてことにならないように…。(けんたろう)


HJ Webの工具&塗料データベースで「マスキング」をチェックだ!(click)

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