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ランナー活用テクニック!「HG ZZガンダム」を大幅にプロポーション変更する[後編]【セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記】

2023.06.20

気まぐれガンプラ製作記 in UNIVERSAL CENTURY 月刊ホビージャパン2023年7月号(5月25日発売)

ランナー活用テクニック!「HG ZZガンダム」を大幅にプロポーション変更する[後編]【セイラマスオの気まぐれガンプラ製作記】

 個性的なテクニックで月刊ホビージャパンモデラーの中でも一線を画する存在のセイラマスオがお題だけ決めて自由にいつも通りガンプラを製作していく様子をゆるくお届けする連載「セイラマスオの気まぐれガンプラ製作」。連載第2弾は、宇宙世紀に登場する「ガンダム」をテーマに模型オリジナルカスタマイズを解説していきます。第6回はHG ダブルゼータガンダムを題材として、ランナーを使用したプロポーション調整の後半パートをお届けします。

製作・解説/セイラマスオ

サイズ別のマイナスドライバー、ノミ、各種ヤスリ、ペンチ、定規の画像

ウマく作るためのHow toじゃありません

 私の製作法は、前回の連載でご紹介した通り普通のカッターをメインで使ったり、水性塗料で筆塗りしたりと、特別な道具や技法があるわけではない基礎的なものばかりです(多少クセは強めですがw)。そんな基礎的なスキルですが、使いようによってはいろんな楽しみ方ができるというところを今回の連載ではお伝えしていければと思っています。いわば前回が基礎編なら今回は応用編! というわけです♪


theme:ランナーを使った(大幅な)プロポーション変更[後編]
use kit:HG ダブルゼータガンダム


❶腹部中央アーマーパーツ

コックピットブロックの画像
▲コクピットブロックのカバーも延ばした胴体に合わせて延長します。斜めのラインで切断して…
分解したコックピットブロック
▲ここもランナーを円柱の状態のまま使っていきます(笑)
延長したコックピットブロック
▲うまく延長できました。ラインが揃っていない箇所は、側面にプラ板を貼ってごまかせばよいでしょう

❷脚部大型化

足パーツ画像
▲全体のバランスで脚が細く感じたので、お手軽にフレアの角度を広げることで脚部を大型化したように見せます
足回りのパーツ画像
▲MS形態用のスペーサーとフレアの突起部にランナープラ板を貼り付けます
▲これでフレア部により角度が付いて広がることでスネが大きく見えるようになりました。これなら変形にも支障が出ません
足パーツを大きくするための大型化用パーツ画像
▲フレアが広がるので中央のスネカバーも大型化します。接続ピンのある根本部分を切り離して中央で切断
足パーツと大型化用パーツを接着した画像
▲中央にランナーを挟んで幅増しします
接着後成型したパーツ画像
▲先に切り離した根本の部分を再接着して整形しました
組み立てた足部分アップ画像
▲これで股関節を広げたことでかなり細く見えるようになったスネにボリュームが出ました
股関節パーツ画像
▲股関節の幅を広げすぎてしまったので、せっかく作ったフレームですが泣く泣くノコを入れます(涙)。これで少し幅を詰めました
足大型化完成画像
▲効果はわずかですが、スネのボリュームが出たぶん、前回の状態よりまとまりが出ました

❸頭部改修

頭部パーツ分解画像
▲顔もお手軽に手を入れていきます。まずはマスク部を切り離します
分解したフェイス部分の画像
▲アゴの赤い部分の位置を上げて、マスクの下端を切り詰めてフェイス全体を小型化します
フェイスパーツを接着した頭部画像
▲切り離したマスクの位置を調整しながら好みの場所に再接着。ツインアイもそのままですが、だいぶ印象が変わりました
額のハイメガ・キャノンを大型化させた頭部の画像
▲額のハイメガ・キャノンもランナータグをかなり多めに貼り付けて大型化
トサカ大型化の画像
▲合わせてトサカも大型化します。トサカの形状に合わせて切り出したプラ板を貼っていきます
トサカを装着、脱着の画像
▲大型化したハイメガ・キャノンからトサカへの流れがきれいにまとまりました(リーゼントに見える?)
胴体パーツの画像
▲あとは全身にディテールを追加していきます。延長した胴体部はランナー丸出しのままですが、埋めてきれいにするのではなく…
胴体パーツ正面、側面の画像
▲延長跡をディテール的に活かす方向でうまいこと手を抜きました(笑)
胴体パーツと、組み立て時の胴体画像
▲元々延長しているわけですから、それをディテールで強調して表現するのはアリかなぁと言い訳してみたり(笑)
完成画像正面 背面
▲というわけで一瞬で全身へのディテール追加工作が完了しました(泣)
胸部から上のアップ画像
▲ディテール追加工作についてはまた別の機会にしっかり解説したいですね
手に取ってみた画像
▲色は陸戦兵器感を出したくて珍しく全体的に色を塗ってみて検討。最終的にはもう少し違う色で塗り直しました…

MSZ-010 ZZ GUNDAM Ver.W.G.P.N.

 キットのランナーを使用してプロポーション変更を行ったHGダブルゼータガンダムが完成しました。Vol.1&2のRX-78-2 ガンダムと同様にキットの箱の中の材料のみで製作していますが、カラーリングのアレンジも含めてかなり雰囲気を変えることができました。

MSZ-010 ZZガンダム Ver.W.G.P.N. イメージカット
MSZ-010 ZZガンダム Ver.W.G.P.N. 素組みとの比較画像
▲キット素組み(左)との比較。HGダブルゼータガンダムは全体的に整ったプロポーションになっているが、腹部と太モモロール部の延長、股幅の拡大、頭部ハイメガ・キャノンと靴部の大型化で、ZZガンダムが持つ大型MS的な印象を視覚的に表現している
MSZ-010 ZZガンダム Ver.W.G.P.N. 正面 背面画像
▲基本的にはZZガンダムであることは変えずに、各部延長やボリュームアップによって大幅に雰囲気を変えている。頭部ハイメガ・キャノンや靴部など末端の大型化でシルエットもひとまわり大きくなり、彩度を落とした塗装と相俟って陸戦兵器感が強まっている
MSZ-010 ZZガンダム Ver.W.G.P.N. 変形画像
▲各部プロポーションに手を加えてはいるが、変形機構に関わる部分は活かしているのでGフォートレスをはじめ各形態に変形が可能
ビームサーベルを構えたMSZ-010 ZZガンダム Ver.W.G.P.N.の画像

おわりに

 今回はあえて設定無視でいかに大きくするかのトライになりましたが、意外とうまくまとまったような気がしています。個人的にはZZガンダムはこのくらい大きくても違和感がないと思っているのですが、いかがでしょうか?
“材料をキットのランナーですべて賄う”というのはあくまで手法の一例なので、普通にプラ板などを使用する際の参考になってくれればよいのですが。キットの不要ランナーだけでもこれくらい好きに遊べるということが、“プラモデルって何でもできて楽しそう”という感じにつながっていってくれたら嬉しいですね。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレードユニバーサルセンチュリー”ダブルゼータガンダム 使用

MSZ-010 ZZガンダム Ver.W.G.P.N.

製作・解説/セイラマスオ

HG ダブルゼータガンダム
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2530円、2010年6月発売●1/144、約13cm●プラキット

©創通・サンライズ

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