HOME記事ガンダム「ガンダムアストレイ アウトフレームD」がMG化!機体のストーリーをディテールワークと塗装で表現

「ガンダムアストレイ アウトフレームD」がMG化!機体のストーリーをディテールワークと塗装で表現

2023.06.19

ZGMF-X12D ガンダムアストレイ アウトフレームD【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年7月号(5月25日発売)

MG ZGMF-X12D ガンダムアストレイ アウトフレームD イメージカット

戦場カメラマンのMSを実機考証しながら製作

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』主役機「ガンダムアストレイ アウトフレームD」が待望のMGでリリース! MGテスタメントガンダム発売から待ちわびていたファンも少なくないことだろう。キットは本体形状のほかに、クレーンアーム付きのバックジョイントやトレードマークのガンカメラを新規造形で再現している。寝太郎23の作例では、テスタメントの予備パーツを組み上げて製造され、民間機として稼動し、途中で戦闘用に改装されたという一連の設定を採り入れて製作。ディテールワークと塗装による質感表現にこだわって仕上げている。ただの戦闘用MSではない機体ならではの、模型的楽しみ方の一例としてご覧いただきたい。

MG ZGMF-X12D ガンダムアストレイ アウトフレームD 全身正面画像
▲ザフト製MSテスタメントガンダムの予備パーツを、ロウ・ギュールが作業用MSとして組み上げたのがアウトフレームである。ロウと意気投合した戦場カメラマンのジェス・リブルに譲られるが、テスタメントとの戦闘で中破。修理の際に民間機としてかけられていたリミッターを外し、腕と下半身をテスタメントと同型にすることで戦闘用へと改装したのがアウトフレームDとなる。ちなみに基があくまで予備パーツのためか、装甲はVPS装甲ではなく発泡金属となっており、軽量な代わりに防御力は低い。このように複雑な出自と経緯を持つMSであり、作例はこれらを踏まえながら製作している
正面上から見下ろした画像
タイツでマスキングしている画像
塗装後のひざメカ
比嘉画像
ヒザ内装パーツ画像

▲建造時はあくまで作業用として組み立てられたという設定を踏まえて、肩基部とヒザのメカ部分は、塗装によるカーボン地を追加。民間機らしい印象を強めている。マスキングにタイツを利用した。また首周りのメカパーツは暗い白の塗り分けを施し、多重装甲風に仕上げている

片部分アップ画像
腰部分パーツ

▲戦闘用への改装に伴い、貧弱な装甲を補強しているのでは? という考証のもと、増加装甲板をイメージさせるようなスジ彫りを追加し、さらに白の明暗やツヤの変化で、装甲の重なりや異素材を使っているようなイメージを付加。劇中での経緯を模型的に表現している

全身 背面画像
MS用ガンカメラを構えた上半身 正面画像
MS用ガンカメラを構えた上半身 斜め上画像

▲ジェス愛用のMS用ガンカメラ。本機を象徴する装備である。作中でもたびたび重要な役割を担っている

ガンカメラ組み立て途中画像
ガンカメラ レンズ取り付け前と取り付け後の画像

▲メインのレンズがビデオレンズ、下部の筒はカメラレンズと想定して、実際のカメラのようなカバーディテールをプラ板で追加。ビデオレンズは中に2重レンズを追加し、反射防止加工風の塗装により、実機に近い構造と質感を再現している

ガンカメラ ビームライフルの画像
▲ガンカメラにハイキューパーツの銀箔デカールを追加。キット付属の「PRESS」デカールも表面を光沢仕上げにして「後から貼ったステッカー」として再現。兵器である護身用ビームライフルと異なる雰囲気が加わっている
ビームライフルを持った画像
アーマーシュナイダーを構えた画像
武装パーツ画像

▲背中のバックジョイントには作業用ナイフのアーマーシュナイダーを格納。グリップを白で塗ることで武器というよりもツール的なイメージを加えている

バックジョイント クレーンアームの装着画像
バックジョイント クレーンアームでガンカメラを構えている画像

▲バックジョイントのクレーンアームは展開が可能で、各装備を保持することもできる。作例は節々のモールドを塗り分けてメカニカルな印象にしている

ビームサーベルを構えた画像
頭部アップ画像
メインカメラパーツアップ画像
ツノのアップ画像

▲カメラアイはメタルシール、額のメインカメラはホログラム塗装で再現。またかなり細かいが、赤いツノはわずかに見える付け根を黄色で塗って外観を損なわないようにしている。頭部は改装後に複座用のコクピットになっているので、腕に覚えがあるなら再現にチャレンジしてもいいかも?

腕部画像
脚部画像

▲四肢はフレームにシルバーやライトグレーで塗り分けを追加してディテールアップ

ビームライフルを構えた全身画像

 ハイこんにちは、寝太郎23です! MGテスタメントが発売された際にアウトフレームのキット化を待ち望んでいた方も多いのではないでしょうか? この機体はテスタメントの予備パーツから作られた作業用MSを再度、戦闘用のMSに改修した設定となっています。今回はそんなアウトフレームDを改修の経緯が感じ取れるように製作してみました。
 まずは全体の面出し、シャープ化と基本工作を行います。その後の追加工作として、戦闘用にするなら防御に難のある装甲を多少なりとも補強したのでは? と妄想し、胸部を中心に装甲の層をイメージしてスジ彫りをしています。
 ガンカメラはアウトフレームのアイコン的なアイテムなので、レンズ部分を中心にディテールアップをしています。レンズ部をくりぬき、ビルダーズパーツHDのMSサイトレンズを2枚重ねて入れることで覗き込んだ際によりリアルに見えるようにしてみました。またレンズには実際のカメラ同様に反射防止コートがされていると仮定し、うっすらと緑色に塗装しています。
 塗装の工程では塗り分けを意図的に増やすことで、装甲が層になっているのを表現しています。特に胸部、首周りは細かくマスキングを繰り返して塗り分けることで、ディテールを追加せずに情報量をコントロールしています。また肩の付け根のフレームはベースカラーを塗装後、タイツを被せ上からパール塗装を行いカーボン調にしています。その際、1パーツの中で柄の有無、ツヤの有無と差を付けることで単調にならないようにしています。
 仕上げのデカールはフレーバー的な要素として、コーションマークは直角並行で規則的に貼り兵器感を、「PRESS」は斜めにすることで機体受領後にステッカーを貼っている雰囲気を出してみました。ガンカメラはコーションマークを貼らず箔押しのデカールを貼り民生機器感を演出しています。
 今回はディテールアップ、塗り分け、デカールで機体にまつわるストーリーを表現してみましたが、いかがだったでしょうか? どれも大がかりな作業ではなく、ほんのちょっとの工夫で成り立っています。皆さんもぜひ、テーマを決めて作品作りをやってみるのはいかがでしょうか? それではまたね~!
塗装レシピ
白=CM-01ホワイト
青=ウォーカーブルー2
赤=ローズブライトレッド90%+クールホワイト10%
黄=キアライエロー90%+コーラルオレンジ10%
黒=メカサフヘヴィ
灰=ニュートラルグレーII

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”

ZGMF-X12D ガンダムアストレイ アウトフレームD

製作・文/寝太郎23

MG ガンダムアストレイ アウトフレームD
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●6380円、2次受注中、7月〜発送予定●1/100、約18cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

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プレミアム バンダイ

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寝太郎23(ネタロウニーサン)

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