【本日発売】「アメトイブームはどこへ行ったのか 90年代フィギュアブーム、熱狂の舞台裏」【エッセイ】
2024.10.25「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」
待望の書籍化!!
「月刊ホビージャパン」にて2018年から5年余りにわたって連載されたコラム「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」がついに書籍化!
90年代後半の日本で巻き起こったアメトイブーム。今となっては遠い記憶になってしまった空前のブームがいかにして始まり、どこへ行ってしまったのか。著者の溢れるアメトイ愛と、メーカー、フィギュアの輸入代理店、専門誌編集者、ショップオーナー、コレクター等、当時を知る関係者の証言でアメトイブームのあの頃を振り返りつつ失われたブームの行方を探っていきます!
CONTENTS
第1章 生粋の玩具コレクターが語る、90年代アメトイブーム 高井近志
第2章 アメコミを愛し続けた翻訳者が見た、90年代翻訳コミック事情 石川裕人
第3章 『スポーン』の輸入代理店、レッズの最盛期とその消滅 石井瑞穂
第4章 アメトイブームを方向付けた「アメイジングキャラクターズ」はいかにして生まれたのか 飯田昭雄
第5章 アメトイブームの震源地、裏原宿「BOUNTY HUNTER」の実像 岩永ヒカル
第6章 地方のトイショップから見たアメトイブーム、そしてそれから 城宝 賢
第7章 まさにブームの徒花、『ヘリーナ』とホビージャパンの顛末記 所 学
第8章 老舗ガレージキットメーカーが切り開いた、国産キャラによるアクションフィギュアへの道 宮脇修一
第9章 アメトイブームの話を聞き続けて
第10章 参考文献
試し読み
第1章
生粋の玩具コレクターが語る、
90年代アメトイブーム
高井近志
ブーム以前のアメトイ事情
日本におけるアメトイの販売は、ブームを受けて突発的に始まったものではない。そもそも、日本とアメリカの玩具は相互に影響を与え合う関係にあった。いわゆる「激ヤバ即ゲット」的なブームはその長い歴史の中に現れた特異点のひとつであり、その前にも後にも日本におけるアメリカ製玩具流通のヒストリーは存在している。
『月刊ホビージャパン』で「DANGAN EXPRESS」を連載するライターの高井近志は、長年にわたって幅広いジャンルのオモチャを収集・研究してきた人物である。そんな高井がアメリカ製アクションフィギュアを意識するようになったのは、朝日ソノラマから刊行されていた『宇宙船』の編集に携わっていた、聖咲奇の影響であった。
「自分は元々、怪獣ソフビとか絶版プラモとか変身サイボーグ1号とか日本の玩具が好きだったんです。1982年に聖さんの家に遊びにいって、そこでMCU(魔界伝説ヒーマンの戦い)とG.I.ジョー(3 3/4インチ版)を教えてもらったんですよ。これが自分にとっての初のアメトイ体験だったと思います。ヒーマンは刺さりましたね。G.I.ジョーはこんなにちっちゃくなっちゃったんだと思いました。自分はその後にG.I.ジョーにはずぶずぶとハマっていくんですけど(笑)。その時はG.I.ジョーよりもヒーマンの方が鮮烈でした。ヒーマンの新しさにはしびれました。ヒロイックファンタジーの主人公をハルク・ホーガンみたいなボディビルダーなスタイリングでまとめあげるセンスに脱帽した感じです」
高井は1970年代中盤から現在に至るまで、およそ40年以上にわたってオモチャの世界に身を起き続けた生き証人でもある。もちろん90年代後半からのアメトイブームも体験している。そんな彼は、そもそも日本におけるアメリカ製アクションフィギュアはどのように受け入れられ、アメトイブームへとつながっていったと考えているのか。アメトイブームへとつながる長い道のりには何があったのか、高井の視点から語ってもらった。
続きが気になるところですが、試し読みはここまで!
続きが気になる方は、ぜひお手に取って続きをご覧になっていただければと思います。
失われたブームの行方を探る「アメトイブームはどこへ行ったのか 90年代フィギュアブーム、熱狂の舞台裏」。ぜひ一読ください。