Ⅱ号戦車の原点「a2型」がキット化! 青木周太郎のディオラマでドイツ車輌の魅力と、SDkfz232との対比を見よ!
2023.05.22ドイツ軽戦車 II号戦車a2型【IBGモデルス 1/35】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)
電撃戦の立役者として活躍したII号戦車の原点といえる初期型II号戦車、a2型をポーランドのプラキットメーカー、IBGモデルズがキット化。III号戦車、IV号戦車の登場まで主力戦車として活躍したA〜C型に比べるとキット化の機会に恵まれない車両だけに、ドイツ車両好きは注目のキットといえるだろう。製作は青木周太郎。脇役と呼ぶにはもったいないほど見ごたえ満点の8輪装甲車 SDkfz232とともにお楽しみいただこう。
今回はポーランドIBGモデルズより発売されたII号戦車a2型をメインに製作してみました。
筆者の知る範囲では初期II号戦車のリーフサスペンションボギーと小転輪を有するこのタイプのa2型、b型のキットは、レジンキットメーカーのクロムウェルからだけだった気がします(間違っていたらスミマセン)。どのみちインジェクションキットとして発売されるのは、今回が初と思われます。今後発売が予定されているb型も楽しみにしています。
実際完成させてみると、手のひらサイズで一般的なC型やE型のイメージとは、また違った雰囲気が楽しめます。
■製作
さほどパーツ数は多いわけではないので、筆者は2日もあれば組むことは可能です。ただ、履帯の切削跡の処理、塗装に時間を要したため、完成までは4日ほどかかりました。
ディテールアップは車載工具のクランプ部分のコの字型のフック部分を手持ちのエッチングパーツから流用したほかは、真鍮線のアンテナを紙ヤスリで削り込んでシャープ化したくらいです。
塗装はタミヤアクリルのジャーマングレイ、フラットブルー、フラットホワイト、クリヤーグリーンの混色。グラデーションは基本色にフラットホワイトを混色し、明るめにしたものをエアブラシでモジュレーションっぽく全体に塗装しました。迷彩のブラウンはレッドブラウン、フラットイエローと少量のフラットレッドを混色して塗装しています。
■ディオラマ
おまけとしてタミヤのSDkfz232を製作してみました。
長く発売され続けている愛蔵キットだと思います。こちらはパッションモデルとエデュアルドのエッチングパーツでディテールを加え、工具箱などの特徴的な留め具は友人、上篠将彦氏(KNTMonAen)に3Dプリントで製作していただきました。筆者のように老眼でエッチングパーツが面倒な方には重宝します。特に古いキットでは再現されていないパーツですし、パンターやタイガーの工具箱には欠かせないのでかなり重宝します。Boothで購入可能です。
アンテナ先端もピンバイスに0.5mmの真鍮線を挟み、削って再現しました。溶接跡はいつもの0.3mmの細切りプラ材とヒートペンでそれらしく加工しました。
フィギュアはドラゴンをベースにレジンキットやエポパテで造形してそれらしく加工。ホーネットのヘッドや3Dプリンターの手のパーツを使用して緊張感を演出してみました。ディオラマは時間の関係もあり、ベースは壁補修材をメインに製作後、タミヤの情景テクスチャーペイント(土、ダークアース)で製作。その上からエアブラシでデザートイエロー、レッドブラウン等でランダムに塗装しています。簡単にそれらしくできて便利です。木の柵はいつも建物の窓でお世話になっているアスナロウモデルの新製品で、薄い木の板をレーザーカットしたものです。塗装後、紙ヤスリで劣化した部分を削ってやるだけで塗装がはがれて木肌が露出した状態を手軽に再現することができます。
IBGモデルズ 1/35スケール プラスチックキット
ドイツ軽戦車 II号戦車a2型
製作・文/青木周太郎
ドイツ II号戦車a2型 砲塔インテリア付
●発売元/IBGモデルズ、販売元/バウマン●9680円、発売中●1/35、約13cm●プラキット
青木周太郎(アオキシュウタロウ)
月刊ホビージャパンが誇るベテランAFVモデラーのひとり。2023年も恒例の大型ディオラマを準備中とのこと。