HOME記事キャラクターモデルARTPLAで実践!ドライブラシでお手軽に立体感を出す方法【水性塗料ペインティングLAB.】

ARTPLAで実践!ドライブラシでお手軽に立体感を出す方法【水性塗料ペインティングLAB.】

2023.05.18

水性塗料ペインティングLAB. 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)

ARTPLAで実践!ドライブラシでお手軽に立体感を出す方法【水性塗料ペインティングLAB.】
飼育員とシロサイセット イメージカット

ARTPLA

飼育員とシロサイセット

製作・文/むっちょ

 安全、安心、環境にも優しくて高性能だけどまだまだ認知度が低く使っている人も少ない「水性塗料」の可能性をお届けするコーナー。水性塗料に熟知した“水性アクリルボーイ”むっちょがさまざまなジャンルのキットを水性塗料で仕上げます。
 今回は水性エマルジョンのメインストリーム「シタデルカラー」で、海洋堂のARTPLAから1/35のスケール動物をピックアップ。ここでは大きすぎず、小さすぎず手のひらサイズのシロサイをドライブラシで仕上げてみました。キットの造形を活かしてお手軽かつ、見映えが良くなるドライブラシテクニックを見ていきましょう。

今回使用している塗料

ライノックス・ハイド、スケイヴンブライト・ディンジ、ストームヴァーミン・ファー、アドミニストラタム・グレイ(すべてシタデルカラー)

 こんにちは! むっちょです! 今回は1/35スケールのARTPLA「飼育員とシロサイセット」から、シロサイのペイントにチャレンジしました! ほどよいサイズ感で超本格的な造形のこのキットの良さをがっつり活かす、シタデルカラー&ドライブラシのペイント方法をご紹介します!

■シロサイは別に白くない
 サイ、と言われて思い浮かべるのは「すごい大きくて、強そうな草食動物」です。でも実は、僕の記憶にあるはずの上野動物園で見たサイはクロサイで、尖った口が特徴だそう。これが「強そう」なイメージに繋がってたらしく、シロサイはこのクロサイよりもさらに大きいらしいです。
 キットを組み立てて思った「なんだか優しそうな顔してるなぁ」っていうのが、シロサイの特徴である四角い口元からくる印象だったんです。そして、一番驚いた事実がシロサイもクロサイも、別に白いからとか黒いからってわけで、そう呼ばれているんじゃないということでした。

イノックス・ハイド 塗料
▲主役のライノックス・ハイド。下地のケイオス・ブラックから、グレーに立ちあげる際の中間色、影の色として、これをベースにしていく
ドライブラシでサイに塗装している画像1
塗装したサイの画像1

▲筆ムラは気にせず、塗料も薄めず、湿らせたドライブラシの水分だけで、ガツガツとたたき塗り。ツルツルした表面の部分に細かいテクスチャーがつくので、このあとに重ねる明るいカラーのアクセントになる

ライノックス・ハイドとスケイヴンブライト・ディンジを混色している画像
▲ライノックス・ハイドとスケイヴンブライト・ディンジを混色し、中間色を作る
ドライブラシでサイに塗装している画像2
▲同じ要領でたたき塗り。陰影が付きやすいあばらや関節部分の奥まった所だけはほんのり残す意識だけして、全体に豪快にドライブラシ

■絶対に使うと決めていた色
 サイを塗りましょう! ということになった瞬間、これだけは外せないな、となったカラーがありました。シタデルカラーの「ライノックス・ハイド」です。
 色の名前で何色なのかイメージしにくいシタデルカラーですが、この「ライノックス・ハイド(Rhinox Hide)」には、僕らが知っている動物の名前が入っています。RHINO、そうサイです。
 さぞかしサイっぽい、グレーとかそんな感じの色なんだろうと思って手に取ると、この「ライノックス・ハイド」、茶色だったのです。僕はこの色を絶対にサイに使うと決めました。

塗装したサイの画像2
スケイヴンブライト・ディンジをサイにたたき塗り1
スケイヴンブライト・ディンジをサイにたたき塗り2

▲スケイヴンブライト・ディンジをたたき塗り。これをメインカラーとし、先ほどの手順で塗った中間色を塗りつぶさないよう、ぼんやりと明るくしていきます

塗装したサイの画像3
▲ストームヴァーミン・ファー、アドミニストラタム・グレイでハイライト部分をドライブラシ。一番明るくしたい箇所を意識しながら、筆で擦る面積を小さくしていくことで、自然なグラデーションがかかる
角にドライブラシで塗装している画像1
▲爪、角は肌とは違う色に見えるよう、コントラストのスケルトンホードで着色。肌と一緒にグラデーションをかけておくと見映えが良くなる
角にドライブラシで塗装している画像
▲スクリーミング・スカルで軽くハイライトを追加。同じくドライブラシを行うことで、質感の違いを表現できる

■黒から茶、そしてグレーに立ちあげ
 ディテールの細かい生物系のペイントには、その凹凸を活かしたウォッシングがとにかく便利なのです。が、今回くらいの大きさのキットの場合、塗料の溜まり具合をかなり上手いこと調節しないと、しっとり感が出てしまいます。
 なので今回は黒サフから、細かく色の段階を踏んで、しっかりと、どっしりと、かつ僕の中のサイの特徴である「かさついたグレー」っぽさを丁寧に出せるよう、ほぼすべてドライブラシにてペイントしました。ゴールデンウィークにはシロサイを見に行こうと思います。

完成したサイ 正面
 飼育員とシロサイ
▲これで完成。飼育員は、ケイオス・ブラックスプレーとホワイト・スカースプレーでダブルコートし、シタデルコントラストのみを使ってお手軽塗装

ARTPLA 飼育員とシロサイセット

●発売元/海洋堂●4290円、発売中●1/35●プラキット

ⒸKAIYODO

この記事が気に入ったらシェアしてください!

むっちょ

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2023年6月号

ご購入はこちら

水性塗料筆塗りの教科書

ご購入はこちら

模型作りが楽しくなる工具&マテリアルガイド

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー