SFメカ模型の魅力たっぷり! HG「ティックバラン」を徹底的にディテールアップ【水星の魔女】
2023.05.07ティックバラン【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)
徹底的なディテールアップで高解像度化
HGザウォートと同時期に発売されたHGティックバラン。本編中でこれを使用していたザウォート・ヘヴィとともに、こちらも単独で作例をお見せしよう。キットは組みやすいパーツ構成で、立体的な構造のデザインを再現。収納可能な着陸脚、フットレストなど各部の可動ギミックもあり、SFメカ模型としての魅力がたっぷり詰まったキットとなっている。かいんによる作例では、ディテール工作やフィニッシュシートの貼り込みなどにより、「MSを搭載して飛行するメカ」としての説得力をアップ。模型的な見どころが満載のモデルに仕上げている。
ども、かいんです。めでたく『水星の魔女』の作例に参戦です。今回は飛行メカですので、航空機っぽさを追加していく方向性で製作しました。
着陸脚の展開や、フットレスト、ハンドルの可動など見どころも満載ですが、可動部はポリキャップを使用しないタイプですので、ヤスリなどで少し摺り合わせをしたほうがよいでしょう。特に着陸脚ハッチの開閉は、ハッチ側の軸と本体側の壁面との摩擦で成り立っています。作例では軸のほうを軽くヤスリながらスムーズに動くように調整しました。
■スジ彫り
翼を含め、面が大きいためスジ彫りで情報量を追加しました。翼のモールドはトムキャットを参考に。スジ彫りするとケバ立ちやすい柔らかめの素材ですが、気持ち深めに彫って、600番のペーパーで表層を少し削り落とします。微細な削りカスは流し込み接着剤をサッと一塗りして落ち着かせました。
■翼端灯
キットのモールドで削り落として、アクリル板で作り直し。芯にハンダ線の先端を丸く整形および光沢を出したものを差し込んで、翼とアクリル板を固定して整形しました。ハンダ線の先端が透けて見えた際に、翼端灯の発光部に見えることを狙いました。
■上面パネル
特徴的な黄色と白のマーキングですが、それに意味を持たせるべく「MSの滑り止め」が施されていると想定し、紙ヤスリを塗装したものを貼り付けています。またグリップにも滑り止め加工がされている雰囲気を出すため、キットの物をカットし、ガラスチューブに芯材を通したものに置き換えました。
■下部ハンドル
少し可動が固めですので、特に塗装派の方は入念に摺り合わせをしたほうがいいでしょう。可動軸が露出するのでカバーをプラ材で製作し、ディテールとしてフタを加えました。
■着陸脚
非常に出来がいいです。作例は繋がったタイヤパーツを切り離して整形。ホイールのセンターには「あすぱら模型」のディテールアップパーツを配置。塗り分け、デカール、フィニッシュシートの貼り込みで情報量を増やしました。
■各種スラスター
キットのパーツの底面にはしっかりディテールが入っているのですが、少し奥のほうなので見えにくく塗装もしにくい状態です。作例ではプラ材などで内部パーツを製作し配置しました。
■塗装
本体=ダークゴーストグレイ
上面パネル=ダークブルーイッシュパープル
ノズル類金属色=パーカーガンメタリック
デカールは「kaine@store」の物と、作例用に自作した物を使用しました。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード”
ティックバラン
製作・文/かいん(First Age)
HG ティックバラン
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●1430円、発売中●1/144●プラキット
Ⓒ創通・サンライズ・MBS
かいん
模型サークル「firstAGE」所属。堅実な工作でレビューからセミスクラッチまでこなすベテラン。