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「RX-78-2ガンダム Ver.ka」をキット開発用画稿に近づけるべく徹底改造!

2023.05.06

RX-78-2 ガンダム【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年6月号(4月25日発売)

「RX-78-2ガンダム Ver.ka」をキット開発用画稿に近づけるべく徹底改造!

キットを活かした徹底改造で開発用画稿のイメージに近づける

 シリーズ第1弾「RX-78-2 ガンダム Ver.Ka」の作例をご覧いただこう。キットは2002年12月に発売された20年以上前のものながら洗練されたパッケージ、簡略化されたパーツ分割による組みやすさ、改造のしやすさなど、今もなお人気の逸品である。作例はキット開発用にカトキハジメ氏により新たに描き起こされたキット開発用画稿をベースに徹底改造。よりイラストのバランスに近づけるべく各部に大幅な改修を施して完成させた。

▲記念すべきMG Ver.Ka第1弾。1999年12月発売のジム・カスタムや2002年6月発売のジム改をベースに開発が進められ、新たなVer.Ka版のRX-78-2 ガンダムとしてリリースされた。白を基調としたパッケージ、透過光を使った完成見本写真、そして美しい装丁の組立説明書など、今も続くVer.Kaのスタンダードを作ったメモリアルなマスターピースといえる

MG RX-78-2 ガンダム Ver.Ka

●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●3520円、2002年12月発売●1/100、約18cm●プラキット

▲キット素組み(写真左)とのツーショット。キットは先に発売されたジム・カスタムやジム改のパーツを一部流用しているため、やや開発用画稿とは異なる印象。そこで作例では全身細部にわたり徹底改修を施し、理想とする画稿のイメージに近づけている
▲バックショット。腰のウェポンラックはキットのギミックを活かしているので、ハイパー・バズーカを懸架可能。シールド裏の細やかなデカールワークにも注目してほしい
▲頭部はトサカを切り詰め高さを抑え、ヒサシの角度を削り込み小型化かつなだらかなラインに。マスクはアゴに向かって鋭角なアウトラインに修正しつつ丸みのある面構成に。クマドリ部分は平坦なラインに修正。ツインアイも形状修正。アゴは細く小さく削り込み、V字アンテナは中央の五角形も含めて小型化している

▲胴体は左右で二分割してフレーム含めて幅詰め。胸部ダクト取り付け部分は張り出しを抑えつつ取り付け角度を鋭角に調整。ダクトの上下幅を狭くして正面を上部に延長して角度をなだらかに。センターブロック天面は胸部正面に合わせて面を立たせ、コクピットハッチ面の横幅を拡張。襟は写真のように一度切り離して奥へ移設。首周りの面の位置も高過ぎるので切り離して下方へ落としている

▲股関節はMGジム・スナイパーIIのものを移植し横ロール回転を追加。股間センターブロックは縦横方向に大型化。フロントアーマーは上、外のアウトラインを修正、ヘリウム・コアは取り付け角度を正位置に近い角度に修正。サイドアーマーは取り付けフレームを短くカットして本体に近づけるが、太モモに干渉する外装下側をカットしている

▲肩アーマーは縦横方向に大型化。前後幅は上腕に干渉しないギリギリまで薄く加工。上腕は上面で1mm延長。前腕は3mm延長している

▲ハンドは、作者の友人であるモデラーのken16w氏プロデュースの出力品パーツを使用。武器持ち手は真鍮線での接続とし、武器を持ち替えられるようにした

▲太モモ外装は上方へ延長。側面もプラ板を貼った後に削り込み、ボリュームを持たせつつ膨らみのある面に修正。ヒザの正面形状は削り込んで修正。スネはフレームともども2mmほど延長。靴部は横幅を大幅に削り込みつつ前部分の形状を修正。足甲は前方は角度を寝かせ後方は立たせ気味にしてライン修正。足首のボールジョイント部はフレームで2mm延長。アンクルガードの取り付け位置もフレームを加工して上方に移設している

▲サフ吹き前の状態。改造ポイントが分かりやすいカットだ
▲武装はキット付属のビーム・ライフル、ハイパー・バズーカ、シールドを用意。丁寧に塗り分け水転写式デカールを配して仕上げている

 さて今回はVer.Ka特集ということで、超超久しぶりにRX-78-2 ガンダム Ver.Kaを製作する機会をいただきました。世代的に御多分に洩れず『ガンダム・センチネル』を通ってきた自分にとって、センチネル0079版ガンダムは衝撃的だったと同時に、理想が高すぎてなかなか完成まで漕ぎ着けられなかったモチーフでもあります。そのプラモが発売される! とあって当時めちゃくちゃ舞い上がったものです。が、実際に発売されたキットは新たなイラストに準じたバランスになっており戸惑ったものの、そのイラストも0079版とは違った魅力がありました。誤解を恐れずに言えば、センチネル0079版はインディーズ時代の尖ったアレンジ、MG Ver.Kaは成熟したメジャーのアレンジという趣でしょうか。結局どっちも魅力的でどっちを目指したら良いか翻弄される日々の始まりで、なかなか完成に漕ぎ着けず点……そんなキットの発売が2002年! 20年も経ってました!
 そんなタイミングでいただいた今回は、インストに掲載されたイラスト版をチョイス。なのでマイルールとしてパーツの新造禁止、ミキシング禁止、イラストにない余計なディテールも入れない、あくまでMG Ver.Kaのキットをベースにバランス調整や形状修正を施して、イラストを基にキットが目指したかったもの、みたいな着地点を妄想しながら製作してみました。全体的に手を入れているのでどこをどうしたというのはナンセンスな気もするのですが、備忘録的に覚えている部分を書き出してみたいと思います。

■頭部
 トサカが高いのでいったん切り離して高さを抑えた形状に。ヒサシが鋭角で目つきが悪く見えるので張り出しを抑えて丸みのある形状にしつつ小型化。頬当ては上部はヒサシに合わせて前に出し、下端は角度がきついので削り込んで平坦な角度に。襟のアウトラインは下方向に延長。マスクはアゴに向かって鋭角なアウトラインに修正しつつ丸みのある面構成にしつつ小型化。クマドリ部分は角度がきついので平坦なラインに修正しています。

■胴体
 胸部ボリュームを抑えるため、左右で二分割後フレームともども幅詰め。胸部ダクト取り付け部分は張り出しを抑えつつ取り付け角度を鋭角に調整。上部ダクト面と正面の角度がありすぎて正面角度が寝過ぎているので、ダクトの上下幅を狭くして正面を上部に延長して角度をなだらかに。センターブロック天面は胸部正面に合わせて面を立たせ、コクピットハッチ面の横幅を拡張しています。
 腹部は上下幅を詰めたいものの形状的には問題ないので、腰部ブロックとの接続をボールジョイントから回転軸に変更しつつクリアランスを詰めて腰部を上げることで解消。
 股間部取り付けをMGジム・スナイパーIIのものに変更。ここのみ他キットを使用してしまいました(汗)。可動範囲の拡大というよりは、イラストの立ちポーズを再現するための横ロールが欲しかったためです。
 カラーリングは自身のプロデュースブランド、NAZCAカラーを使用。
白=ニュートラルホワイト
青=コバルトバイオレット
赤=フレイムレッド
黄色=マンダリンイエロー
フレーム=メカサフ ヘヴィ
武器=フロストマットブラック
 というわけで今回超超久しぶりに完成させましたが、またしばらくしたらチャレンジしてみたくなるんだろうなぁ(笑)。そんな魅力的なモチーフです!

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”RX-78-2 ガンダム Ver.Ka 使用

RX-78-2 ガンダム

製作・文/NAOKI

ⓒ創通・サンライズ

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NAOKI(ナオキ)

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