HOME記事工具・マテリアル“水性塗料”筆塗りの新アイテム! 模型用「水筆ペン」で効率UP&塗装スペースを最小化【月刊工具】

“水性塗料”筆塗りの新アイテム! 模型用「水筆ペン」で効率UP&塗装スペースを最小化【月刊工具】

2023.04.10

月刊工具 模型の入り口はいつの時代も工具から。  月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)

Mr.タンク付き筆ペンセットのメイン画像

塗料を充填!“模型用水筆ペン”でサクサク塗装!

 毎回工具&マテリアルをピックアップしてお届けする 好評連載「月刊工具」。今回はGSIクレオスの新商品 「Mr.タンク付き筆ペンセット」をピックアップ! いわゆる “水筆ペン”と呼ばれる柄のタンク部分に水や水彩絵の具などを入れて使用されるもので、今回書道用具メ ーカーの呉竹と手を組み、模型製作用にチューンナッ プした“模型用水筆ペン”が登場しました。実際に使用 してその特徴を確かめていきます。

解説/けんたろう、月刊工具スタッフ
088 Product_name Mr.Water Brush


▼実際に使用している動画もチェック!


模型用「水筆ペン」とは? 特徴と使い方をチェック!

Mr.タンク付き筆ペンセットの画像
Mr.タンク付き筆ペンセットを分解した画像
▲ 筆先とタンクに分かれ、それぞれにキャップがあります。平筆は中間パーツを外して穂先をより広く使用することもできます
Mr.タンク付き筆ペンセットの細筆と平筆の穂先の比較画像
▲ 筆がまとまった細筆と広い範囲の塗装に向いた平筆の2種セット

Mr.タンク付き筆ペンセット

●発売元/GSIクレオス●990円、発売中

Impression

水筆の使い方の画像 その1
水筆の使い方の画像 その2
水筆の使い方の画像 その3

▲ タンクにはアクリジョン、水性ホビーカラーを入れることができ、塗料を充填することで好きなカラーの筆ペンを作ることができます。まずは塗料をタンク側に充填します。タンクの口が細いので流し入れやすい濃度まで希釈しておくと簡単です。充填したらキャップをつけ、筆先パーツを取り付けて準備完了

水筆の使い方の画像 その4
▲ タンクの中央部分を押します。すると塗料がタンクから押し出され筆先が色づいていきます
水筆の使い方の画像 その5
▲ 筆先が染まったらティッシュやパレット等で筆先についた余分に出た塗料を整えます
水筆の使い方の画像 その6
▲ あとは筆塗りするだけ。塗料が乗らなくなったなと感じたら再度タンクから筆に塗料を補充することで同じ希釈の塗料をずっと使い続けることができます。使用後は筆にキャップをしておけばOK


使用できる塗料と注意を覚えておこう

・アクリジョン(水性塗料) 
水性のマテリアルなので保存も問題なし

・水性ホビーカラー(水性アクリル塗料) 
・Mr.ウェザリングカラー(油彩塗料) 

それぞれ問題なく使用可能。水性ホビーカラーのうすめ液は弱いが溶解力があるため長期間入れっぱなしにするのは避けよう

・Mr.カラー(ラッカー系塗料) ×
・エナメル塗料 ×

溶解力や揮発性の高い溶剤を含んだ塗料は使用できないので注意!

塗料を使い終わったら洗浄しよう

水筆を洗浄している画像 その1
▲ まずはタンクから洗浄します。水を入れた紙コップにキャップをしたタンクを突っ込み、押して離すを繰り返します。するとスポイトの要領で水の吸込み、排出が繰り返されてタンク内が洗浄できます
水筆を洗浄している画像 その2
▲ タンクがキレイになったら筆先のパーツを付けて同じ要領で洗浄します。水が筆の奥までめぐって塗料が落ちていきます。これで洗浄完了です
水筆を洗浄している画像 その3
▲ 筆先に残った色が気になる場合は通常の筆と同じく最後に各種うすめ液やクリーナーで洗浄しましょう。「Mr.フデピカリキッド」(660円)もおすすめ

水orうすめ液を充填しておくと即洗浄が可能!

水筆を即洗浄している画像 その1
水筆を即洗浄している画像 その2

▲ 水、またはうすめ液を充填しておくことで、タンクから水を出して筆先に付いた塗料をすぐに洗い落とすことができます。この方法では通常の筆塗り同様に塗料ビンから塗料を取って使用しますが、筆先に程よい水分を保っておけるのでパレット上で塗料を伸ばしながら感覚的に希釈することができます。筆を離さずに塗料の希釈、塗装後の洗浄のふたつを簡単かつスムーズ行うことができます

水筆ペン×水性ホビーカラーで「ARTPLA」を塗装!

海洋堂ARTPLAの動物キットの画像

観光客とアフリカゾウセット
飼育員とシロサイセット
観光客とキリンセット

●発売元/海洋堂●4290円(ゾウ、サイ)、3300円(キリン)、発売中

How to use

アフリカゾウを塗装している画像 その1
▲ 今回は「ARTPLA」シリーズの中からアフリカゾウとEV軽トラックをピックアップして製作。まず水性ブラックサーフェイサー1000で黒下地を塗装。サンディブラウンを平筆に充填して、筆先に塗料を補充しながら全体に塗っていきます
アフリカゾウを塗装している画像 その2
▲ シワの中など奥まった部分の黒色はこの段階では残っていても大丈夫です。塗り重ねていくと徐々になじみ、いい具合の影になっていきます
アフリカゾウを塗装している画像 その3
▲ 次に明灰白色を塗ります。最初に塗ったサンディブラウンを塗りつぶさないように出っ張った面の中心をめがけて塗っていきます。この時は塗料を出しすぎず少しドライな状態で塗るのがベスト
サディブラウンと明灰色を塗り終えたアフリカゾウの画像
▲ 2色を塗った状態。色をキレイに塗るというよりは、手前に塗った色を残しながら塗装をしています

ウェザリングカラー筆&うすめ液筆で簡単ウェザリング!

アメリカゾウをウェザリング塗装している画像 その1
▲ 続いてウェザリングカラーを塗っていきます。細筆にウェザリングカラーのサンディウォッシュ、平筆にウェザリングカラー専用うすめ液を充填した2本を用意します

アメリカゾウをウェザリング塗装している画像 その2
▲ まずは細筆でサンディウォッシュを全体的にを塗布していきます
アメリカゾウをウェザリング塗装している画像 その3
▲ 生乾きになったところで、うすめ液を入れた平筆で上から下に掃いていきます。余分なウェザリングカラーを拭いながら表面にうっすら砂埃をがついたイメージを目指します
アメリカゾウをウェザリング塗装している画像 その4
▲ サンディウォッシュが筆先に溜まってきたら都度タンクからうすめ液を出しながらティッシュで拭き取ります。筆先をキレイなまま作業を進めることができます
アメリカゾウをウェザリング塗装している画像 その5
▲ 足元やおなか、耳の後ろや端など、影になる部分には同様の方法でシェイドブラウンを塗布します。複数のウェザリングカラーを重ねることでより深みやグラデーションがついていきます

うすめ液を充填した筆でトラックを塗装!

EV軽トラックを塗装している画像 その1
EV軽トラックを塗装している画像 その2

▲ 今度は水性ホビーカラーのうすめ液を充填した筆で塗装していきます。筆先をうすめ液で湿らせて整えたらガルグレーを塗料ビンから出して塗布します。1回目は薄く下地を作るように塗り、しっかり乾燥させてから2回目を塗れば色がつき、3回も塗ればしっかりと発色します

EV軽トラックを塗装している画像 その3
▲ タイヤはツヤ消しブラック、ホイールはシルバーで部分塗装します。タンクのうすめ液で筆先を洗浄できるのですぐに色を取り替えられます
EV軽トラックを塗装している画像 その4
EV軽トラックを塗装している画像 その5

▲ 残りはゾウと同じようにウェザリングカラーの細筆とうすめ液の平筆でウェザリングを施していきます。シェイドブラウンを使用して雨だれをイメージに上から下に落ちるような汚れにしていきます

EV軽トラックを塗装している画像 その6
▲ 最後に足周りや最下部にサンディウォッシュをつけて、土埃を表現します

完成!

完成したアフリカゾウとEV軽トラックと飼育員の画像
▲ アフリカゾウ、EV軽トラックと完成です。平筆はかなり幅広なので、このサイズであれば簡単に塗装できました。もう少し大きなサイズでもキレイに塗り重ねることができるでしょう。特にゾウはいい感じに味が出て筆塗りの楽しさを実感できましたね。ついでに飼育員も塗装してディスプレイしています

まとめ

 水筆ペンは中身に塗料を詰めれば単色を勢いよく塗るモード、水やうすめ液を詰めれば丁寧に複数色を塗るモードという感覚で、タンクの使い方で使い勝手が変わります。広く塗装できる平筆、部分的に使う細筆とバランスもとれたセットになっています。お好みの塗料を入れて水筆ペンの筆塗りを楽しんでみてください。

©KAIYODO

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