エアブラシ塗装をするために知っておきたい3原則!!!【すべて見せます! エアブラシの教科書】
2023.04.01エアブラシ塗装の3原則!!! 月刊ホビージャパン2023年5月号(3月25日発売)
基本を覚えれば応用も余裕!!
この記事ではエアブラシ塗装で絶対に知ってほしい「3原則」をご紹介します。月刊ホビージャパンで活躍するモデラーも、この基本を覚えてから、自分の好みを見つけて塗装しています。大事な「塗料の濃度」、「エア圧」、「吹き付ける距離」について、この記事でしっかりと学んでくださいね。
私が解説します!
解説/けんたろう
エアブラシ塗装においてこちらのトライアングルはどれもが密接な関係で。どこかがずれるときれいに塗料を吹き付けることができません。そんなふうに聞くと難しそうですが、大丈夫! それぞれ難しい作業はありません。
1.エアブラシ塗料における塗料の濃度調整
買ったばかりの新鮮な塗料ですら、エアブラシにとっては濃すぎます。吹けるのは塗料とうすめ液が1:1ぐらいからで、それも強いエア圧あってこそ。溶剤を多くすると1回の塗膜こそ薄くなりますが、数回重ねて塗ることできれいに仕上げやすくなります。ただし、塗料は薄くしすぎるとかえって色が出なくなる性能のガケがあります。ここではラッカー系を例に、それぞれの濃度と吹いたときの調子を見ていきます。
ビン生と呼ばれたりします
濃度の違いによる塗装例
\ まとめ /
塗料の濃度は吹く回数などを規定するパラメーターで、濃ければ濃いほど早く発色します。ただし飛沫の出方や吹き幅など、メリットもあればデメリットもあります。また新鮮な瓶の中身を前提に比率を書きましたが、揮発してドロドロになっている場合はそれを考慮して希釈してください。液の粘度をみたり、試し吹きをしてチェックするのも大事です。自分にとって吹きやすくきれいな塗膜を作れる濃度調整を見つけましょう。
2.エア圧を調整するとどうなるの?
エア圧はエアブラシから塗料を出す力のパラメーターで、強ければ濃い塗料でも出すことができます。強ければそのぶん幅広に吹くこともでき、こってり塗料を載せることもできます。ただし、エアブラシの流路を通れる空気圧には限りがあるので、最終的には圧力の上限はあります。また高圧だと塗料の消費量も増えることになります。
各エア圧での塗装例
\ まとめ /
エアの圧力は塗料をどれぐらい吹きたいかということに直結します。圧力が多くなればなるほど出る塗料も増えるので、より広く、より濃い塗料を吹きたいなら圧力を上げていきます。が、強すぎても塗膜の厚みや表面の仕上がりが悪くなるので、実用の上限はあります(0.2もややオーバーぎみ)。また迷彩塗装やグラデーションなら、0.05や0.03へと下げると扱いやすく、塗料の飛沫も小さくなります。もちろん、圧力を下げたら塗料の濃度も薄くして吹きやすく調整していきましょう。
3.吹き付ける距離をマスターしよう!
塗料濃度やエア圧は吹く前に調整するパラメーターですが、今度は吹くときのパラメーターになります。エアブラシは塗料を飛ばして吹くツールなので、対象との距離が遠すぎれば塗料は乗らず、近すぎればかえって乗せすぎて塗料の偏りが生じます。適切な距離を意識して、一度に塗料を乗せすぎないように吹くことできれいな塗膜ができます。
各距離の塗装例
\ まとめ /
塗料の濃度やエア圧を調整したら、あとは吹くだけですが、どの距離で吹くかによって変わります。測ると塗れる距離は意外や近く、6cm前後ということになりました。また手の動かす速度によっても塗料が乗る量が変わるので、一箇所に吹きすぎないように遅すぎず、しっかり塗料を乗せるように速すぎずで動かしていきましょう。また塗りたい場所や塗料の濃度、圧力などでも変化をするので、臨機応変に、吹く前はしっかりとテストしてから吹いていきたいところです。