HOME記事ガンダムクリアカラー版「MG ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」を“全塗装しない”で美しく作る!

クリアカラー版「MG ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」を“全塗装しない”で美しく作る!

2023.03.01

クリアーのプラモはデカールでもっと美しくなる!/ガンダムベース限定 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka[クリアカラー]【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年4月号(2月25日発売)

クリアカラー版「MG ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」を“全塗装しない”で美しく作る!

クリアーカラーの透け感を活かしながら艶やかさと情報量をUP!!

 今回のお題は「クリアーカラー」のプラキット。組み立てるだけで透明感のある美しい仕上がりになり、MGやRGとなれば外装越しに透ける内部フレームが特に魅力的なプラキット。限定品をお土産として買ったことがある人も多いのではないだろうか。今回はクリアーカラーの透け感を最大限に活かした、全塗装しない仕上げ方をご紹介する。製作は、月刊ホビージャパン連載「月刊工具」でも活躍中のけんたろうが担当。ゲートカットからデカールのきれいな貼り方まで今日から真似したくなる技をたくさん解説してもらった。

製作・解説/けんたろう

◎ゲートの処理はいつも以上に丁寧に!
◎パールコートで一気に質感UP!
◎デカール貼りで、ゲート跡隠しと情報量UPの一石二鳥!


①主に使用した工具・素材など

▲ブレードワンニッパーを使用。クリアーパーツに限らず、切れ味の良いニッパーを使ったほうが断面がきれいになるため後処理がラクになる。クリアーカラーキットはまさに使い時だ!
▲今回使ったエナメル系塗料。ツインアイの周囲に塗ったブラック、薄めてスミ入れに使った蛍光色、そしてタッチアップや裏側の透け隠しに使ったタミヤエナメルの2色。拭うのに使用した綿棒とフィニッシュマスター

▲塗装に使った工具。筆はタミヤのモデリングブラシPROII。少し高価だが、筆塗りがうまくなった気になれる良い筆だ。エアブラシはパール吹きと一部のデカール下地、保護のためのクリアーを吹くときに使用した
▲デカールを貼る際に使う工具。ピンセットはパーツやデカールを傷つけにくい先が丸いもがオススメ。デカールを柔らかくする成分とのり成分が入ったマークセッターと、のり成分を足すデカールのりそれぞれがあるとデカールをより密着させやすくなる。水を入れる容器はデカールが浸るならなんでもよいため、私はずっとみつ豆のフタを使用している

②クリアーカラーキットの特徴

▲透明感と鮮やかさが両立した素晴らしいランナー。昔から全体がクリアーで成型されたキットは特別な限定アイテムとして存在している

▲翼も乳白色のクリアーで美しい。この透け感、本家のキットにも移植したくなる!?

③ゲートの二度切りが効果抜群!

▲クリアー含め特別な成型色はゲートカットになるべく気を使いたいところ。そのために何度だって言いたい二度切りの大切さ。特にクリアー系は後処理もしづらいので、ゲートカットで失敗するとその後の展開が良くない。なるべく良い刃を使い、まずはパーツから離れたところでゲートを残してカットする
▲そしてニッパーをパーツに寄せてカット。片刃ニッパーを使っている場合は、パーツの外側にまな板刃を当てて切るときれいにゲートをカットできる
▲そもそも乳白色の成型なので、やや切断面が白化しても目立たない。写真ぐらい目立たなければよい仕上がりになるのではないだろうか

④アンダーゲートの切り方

▲パーツの断面にゲートが来るアンダーゲート方式が一部のパーツでは採用されている。ニッパーがやや入りづらく、切り残しが出るとパーツ同士が合わなくなるので、ここも丁寧に処理したい部分だ
▲通常の位置でゲートカットをしても、パーツ表面にゲートが少し残る。残ったゲートは、ニッパーを90度倒して切除しにかかろう
▲表面をさらうようにニッパーで切る。これである程度ゲートは切除できるが、今回はまだ少しゲートが残っている。見映えに影響が出てしまうため、この少しのゲートも見逃さない!
▲デザインナイフで残りを切除し、きれいな平面にする。アンダーゲートは最後の部分を切るときにニッパーやデザインナイフでパーツに余計な傷をつけないように注意しよう

⑤太いゲートは三度切り!

▲アンダーゲートとは別に、パーツに大きなゲートがついていることがある。これを何気なく切るとパーツがえぐれることがあるので、こういうときは二度切りを超えた三度切りをおススメする
▲まずパーツをランナーから切り出すのは同じ。そのあとさらにゲートの部分だけを切って、パーツにつくゲートを小さくする
▲最後はしっかりと刃を当てて、いつものようにゲートをカットする。バチンと切ってしまうより、ゆっくりと刃を入れることを意識すると断面がきれいになる。丁寧にゲートを削ごう
▲ぐわーっ。やってしまった…。よりによって胸の中央部でゲートカットに伴う白化が起きてしまった。しかし記事の後半ではリカバリー方法を伝授するので、ここであきらめずに製作を続けよう

⑥パールコートで一気に質感を変える

▲翼部分をパールでコートすればもっとスペシャル感が出るのではと思い、手持ちのパールで色味を検討してみた。ここでは、曲面の反射を見るために、プラのスプーンにMr.クリスタルカラーの01、03、08を吹き付けて検討している

▲キットに吹き付ける前に、ランナーでもテストを行った。画像は08ムーンストーンパール。キメ細かいパール感がちょうどよく感じた
▲ということでムーンストーンパールをランナーに付けたままザッと塗布する。ランナーが持ち手代わりになるのでガンガン吹けるのだが、横合いからしっかり吹くのもお忘れなく。ゲート付近は油断すると塗料が乗らないので注意
▲塗料が乾燥すると反射した光がパールとしてきれいに輝く。翼はどの角度から見ても曲面があるため、とても良い効果を得ることができる

⑦翼へのスミ入れ

▲本体にはほとんどスミ入れをしていないが、翼には色分けが少なく、パネルラインの境界がわかりにくいためスミ入れを施す。使ったのはガイアノーツのエナメル蛍光カラーで、レッドとブルーを1:1で混ぜて赤紫を作っている
▲スミを流し込み、拭うときはキムワイプでどんどんふき取る。強く擦ってパール地を剥がさないように注意だ!

▲スミ入れなし(画像右)と比べると、全体に赤い色を纏わせつつ印象が引き締まっていることがわかる

⑧頭部をカッコよく仕上げる

▲顔のモールドに先ほどのエナメル塗料でスミ入れを施した。なるべく少しずつ流し、はみ出さないように注意した
▲よく顔を見ると、顔の中央にアゴパーツのダボが赤く透けている。クリアーキットはインナーが透けてこうした色の変化を起こすことがあるため、これも対処したい
▲やることは単純。マスクの裏に組み込まれている赤い部分に銀を塗って光を遮断するだけ
▲先端の赤い部分は塗りつぶさないように注意しつつ、マスクにかかる部分だけを銀色で塗装する。パーツの裏側を塗ったら一度はめて確かめてみるとよい。赤が表面に出なくなったのが見て取れる
▲カメラアイも簡単に塗装してみる。クリアーパーツにエナメル塗料のブラックを塗布する。段差より上は塗らないようにするのが理想だが、多少はみ出しても大丈夫
▲カメラアイに乗った塗料は、エナメル系溶剤を含ませた綿棒などで拭うことができる。今回使ったフィニッシュマスターは平面がしっかり出ているため、カメラアイの天面だけをきれいに拭き取ることができる優れもの。これでカメラアイの周りを黒く塗る作業は完了だ
▲クリアーパーツはハセガワのフィニッシュシートで対応する。左はクリアーブルーで右がクリアーグリーン。台紙があるため写真では透けが無く色も少し違って見える。実際にクリアーパーツに使って確認してみる
▲カメラアイにはクリアーグリーンを、頭頂部にはクリアーブルーを貼ってみた。自分でシートをカットする必要はあるが、クリアーパーツに均一にクリアーカラーを重ねることができるのは非常にありがたい
▲カメラアイはグリーン、頭頂部はブルー、アンテナ中央部はブルーの上にグリーンを重ねて仕上げた。それぞれいい感じのクリアーカラーになったのではないだろうか

⑨フィニッシュシートでリッチに仕上げる

▲胸の中央部などいくつかの部分はキットに同梱されたシールを使う仕様になっている。が、今回はキットのクリアー感を活かしたかったため、フィニッシュシートを使用する
▲フィニッシュシートはクリアーカラーのほかにも豊富に種類がある。その中でも今回はホログラムフィニッシュを胸の中央部に貼り、シールの代わりにしている。薄いシートで下地の影響を受けるため、ヤスリがけをして中央部を平らにならしてから使用した
▲シールの上から球状のクリアーパーツを重ねることで、虹色に輝く表現ができた。このような特殊な表現もフィニッシュシートを使えば簡単にできる

⑩フレームを金属色で塗ろう

▲画像にある金と銀の塗料を用意して、パーツの表面にディテールとして露出するメカパーツを金属色に塗る

▲シルバーはスーパーステンレス2を使用。明るいグレー系のシルバーで、メカ部分を強調する。一度組んだときに、あらかじめどこが露出するか確認しておいたので、表面をサッと塗るだけでOK
▲ゴールドはスーパーリッチゴールドを使用。キメ細かい粒子が特徴で、筆塗りでもきれいなサラッとした金色になる
▲金と銀は組み合わせで塗っていく。真ん中あたりに金を塗ったら、その隣は銀、ぐらいの気軽さでどんどん表面に出るディテールを塗っていくとよい

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”

ガンダムベース限定 ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka[クリアカラー]

製作/けんたろう


 前半はここまで!
 後半は完成編! ゲート跡をごまかす方法や水転写式デカールのきれいな貼り方についてお届けします!

\続きはコチラ/

 公開は本日(2023年3月1日)の20時から!

 情報量UPの一石二鳥!な完成編!! 

全塗装しないクリアカラー版「MG ウイングガンダムゼロEW Ver.Ka」秘儀“ゲート跡隠し”&デカールの綺麗な貼り方を伝授!

前回は、フレームを金属色で塗るところまで解説! クリアーカラーの透け感を活かしながら艶やかさと情報量をUP!! 今回のお題は[…]

この記事が気に入ったらシェアしてください!

Ⓒ創通・サンライズ

けんたろう

オススメの書籍

月刊ホビージャパン2023年4月号

ご購入はこちら

ガンダムウェポンズ 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光編

ご購入はこちら

ガンダムフォワードVol.6

ご購入はこちら
PAGE TOP
メニュー