HOME記事キャラクターモデル『機神幻想ルーンマスカー』誕生秘話!【第2回】「月刊ドラゴンマガジン」の創刊と海洋堂との立体連動企画

『機神幻想ルーンマスカー』誕生秘話!【第2回】「月刊ドラゴンマガジン」の創刊と海洋堂との立体連動企画

2023.11.25

 そして、35年前に誌面を飾ったこのスレイプニールの造形物は、今も現存している。
 滋賀県長浜市にある「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁 龍遊館」内の海洋堂の歴史を知ることができる「海洋堂ヒストリー」のコーナーにて、一部破損はしてしまっているがほぼ当時のままの姿を見ることができる。
 造型は撮影に使用することを前提に前方のみが完成した状態で、背中側は細部まで作り込まれておらず、商品としてではなく、誌面展開用の素材として造型されていることを実物を見ることで味わうことができるだろう。

スレイプニールの立体物の正面全体画像 その2
スレイプニールの立体物の左下からの全体画像
▲ 現存するスレイプニールの立体物。左腕の先や装甲の一部が欠けているが、掲載時にもここはフレームに入っていないため、当時から造型されていなかった可能性も高い
スレイプニールのバストアップ画像
▲ 左耳や馬顔の一部が欠けるなどしているが、保存状態は悪くない。製品ではなく、撮影用のワンメイクものらしい荒々しい仕上げなのもよくわかる
スレイプニールの背面全体画像
▲ 背面から見ると、正面から見えない部分は造型されておらず、素材となった石粉粘土がそのままとなっている。こうした状態を見ることができるのもある意味貴重だ

 こうした立体物と連動したページ企画を経て、月刊ドラゴンマガジン6月号より出渕裕自身が描いたコミックス『機神幻想ルーンマスカー』の連載がスタート。こうして、『Masquerade-出渕裕の世界-』での企画発表から約1年後に、物語は待ちわびていた読者に無事披露され、作品世界はさらに広がっていった。そして、そこに至るまで海洋堂がプロデュースした造型物が読者のイメージを広げるきっかけとなり、『機神幻想ルーンマスカー』の盛り上げに大きく貢献したことは間違いない。


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Ⓒ出渕裕/徳間書店
Ⓒ出渕裕/富士見書房 1988

出典
月刊ドラゴンマガジン創刊号 昭和63年3月1日発行
月刊ドラゴンマガジン創刊2号 昭和63年4月1日発行

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TEXT/構成:石井 誠

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