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『機神幻想ルーンマスカー』誕生秘話!誕生のきっかけとなった“海洋堂”主催のイベントとは!?

2023.01.12

『機神幻想ルーンマスカー』はこうして生まれた! 渋谷で開催された「Masquerade」とは?

 出渕裕が描いたことで大きな話題を呼んだファンタジーコミックス『機神幻想ルーンマスカー』。作品を代表する存在でもある、機械神スレイプニールが海洋堂が贈るARTPLAブランドにてインジェクションキット化されることが発表され、大きな注目を集めている。唐突とも思える今回の商品化だが、実は『機神幻想ルーンマスカー』の企画の誕生に海洋堂が深く関わっており、このキット化への動きはある意味必然であったともいえるのだ。 そこで今回から、ARTPLA 機械神・スレイプニールの発売を記念して、海洋堂と『機神幻想ルーンマスカー』の関わりを深掘りする短期連載をスタート。第1回目は、『機神幻想ルーンマスカー』の誕生のきっかけとなった、海洋堂が主催したイベントについて紐解いていきたい。

Masquerade 出渕裕の世界のパンフレット表紙画像
▲「Masquerade-出渕裕の世界- 」パンフレット表紙

 『機神幻想ルーンマスカー』の連載が富士見書房の月刊ドラゴンマガジンの誌上にてスタートしたのは、1988年。それから遡ること約1年前の1987年7月、当時、渋谷の円山町にあった海洋堂の直売店舗「海洋堂ギャラリー」にて、あるイベントが開催された。
 「Masquerade -出渕裕の世界-」と名付けられたそのイベントは、アニメや特撮に登場するメカやキャラクターのデザイナーとして注目を集め、イラストレーターとしても活躍することで大きな注目を集めていたクリエイター出渕裕の初の個展的な展覧会であった。
 1980年代中盤頃、出渕は『聖戦士ダンバイン』に登場するオーラバトラーのデザインをよりリアリティのある解釈でイラスト化する「オーラファンタズム」を連載し、『機甲界ガリアン』のアナザーストーリーとして制作されたOVA『機甲界ガリアン 鉄の紋章』に登場する鉄巨人や邪神兵をはじめとする機甲兵のデザインを担当。その生物的なデザインは、当時隆盛を極めていたガレージキットの原型師たちに大きな影響を与えていた。
 その一方で、出渕はアニメに留まらず、特撮番組のデザインにも進出。東映が送る戦隊シリーズの『科学戦隊ダイナマン』、『超電子バイオマン』、『電撃戦隊チェンジマン』、『超新星フラッシュマン』で敵キャラクターのデザインを担当していた。こちらも独創性のある表現力が大きな話題となり、子ども向け番組にハイティーンのファンを取り込むきっかけを作った。
 当時の海洋堂もそうした出渕のデザインやイラスト表現に注目し、自社で展開するガレージキットで出渕デザインのメカやキャラクターを次々と立体化。有機的なディテールを取り入れ、大胆なポージングで造型されたオーラバトラーや機甲兵のキットをリリースし、ガレージキット業界において大きな影響を与える存在であった。

当時の写真 その1
当時の写真 その2
当時の写真 その2

 こうした繋がりを経て、出渕のデザイナーとしての活動開始から10周年を迎える直前のタイミングと、海洋堂ギャラリー初の本格的な展示イベントとして、それまで手掛けたデザイン画やイラスト画といった出渕の自身が手掛けた作品と、ガレージキットや撮影に使われたプロップなどの立体物を同時に展示するという構成で、出渕の個展である「Masquerade」が開催される運びとなった。
 イベントでは、出渕がデザインを描き下ろし、出渕の盟友である特撮の撮影用着ぐるみなどを制作する特殊技術造形家の品田冬樹が手掛けた、大型の造形物なども展示されていた。

会場展示物用の描き下ろしデザインの画像
▲ パンフレットに掲載された会場展示物用描き下ろしデザイン
当時の写真 その4
当時の写真 その5
▲ イベント内覧日の記念写真。会場には衣装やプロップなどが多数展示されていた。
当時の写真 その6
出渕裕氏の写真
▲ イベント内覧日に会場に訪れた出渕裕氏。

 そして、このイベントの大きな目玉として発表されたのが、出渕のオリジナルデザインを海洋堂の原型師による立体造型で見せていく連動企画「ルーンマスカー」だった。その企画始動を印象づけるように、出渕が描いた人魚型の機械神・ネーレードのデザイン画と海洋堂所属の造形家の今池芳章による立体物が展示された。
 「神に近い存在である創造主が、自分たちの代弁者として機械神を各地に点在させている世界を描く」。こうしたコンセプトをもとに、まずは出渕の描いたデザインを具現化するようなイメージで造型されたネーレードは、展示の中でも大きな存在感を示していた。
 その後、この企画とイメージは出渕自身が手掛ける「漫画」という形に継承され、『機神幻想ルーンマスカー』へと発展していくのだった。
 海洋堂が新たな試みとして踏み込んだ、ARTPLAというインジェクションキットの世界。その中で、『機神幻想ルーンマスカー』を題材として選び、現代のクオリティで再び立体化に挑むのは、企画の誕生という原点に携わったという理由があるからこそなのだ。

パンフレット掲載のルーンマスカーの解説ページの画像
▲ パンフレットに掲載された『ルーンマスカー』の解説ページ。ここから全てが始まった。
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Ⓒ出渕裕/徳間書店

TEXT/構成:石井 誠

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