ハセガワの本気が詰まった「ミニ クーパー 1.3i 1997」手のひらサイズの可愛いクラシックカーを仕上げる
2023.01.17ミニ クーパー 1.3i [1997]
イギリスが生んだ大衆車の傑作、ミニ クーパーをハセガワが完全新金型でキット化。今やBMWの新型ミニを見慣れてしまった感もあるものの、やはりミニといえばクラシックなこのスタイル、という読者も多いのではないだろうか。今回はそんな待望の新作キットをベテランカーモデラー一ノ戸晃治が製作。手のひらサイズのボディにハセガワの本気が詰まった一台をご覧いただこう。
今回はハセガワのニューキット、ミニ クーパー1.3iを製作しています。最初のミニがブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)から発売されたのはもう60年以上も前の1959年。販売会社の名称はいくつか変わりましたが、発売当初のデザインをほぼ変えずに2000年まで生産されていました。このキットは1997年に最後のマイナーチェンジを受けた最終型ということになります。2001年以降はBMWがブランドを引き継ぎ、オリジナルのデザインを踏襲しながらもサイズがかなり拡大された現行のミニが販売されています。
ではシャシーから進めていきます。前後4輪独立のサスペンションとフロントにはミッションとエンジンが再現されています。エンジンは完成するとメッキのグリルに隠されて全く見えなくなりますが指示通りに塗り分けました。シャシー全体はボディ色で塗装、細いパイピングのモールドがあるのでここもしっかり塗り分けましょう(省略してもいいかもですが……)。
次はインテリア。ダッシュボードはウッドでメーターとグローブボックスの部分はデカールで再現しますが、センターのエアコンとラジオの部分は塗装で再現しなくてはいけません。ここはブラウンを塗って薄く溶いたエナメル塗料のブラックをちょんちょんしてやると自然に繋がります。メーターリムのメタルシールがアクセントになっていいですね。オプションでセンターメーターのパーツも付属しているのでお好みで使い分けてください。シートとヘッドレストの白い細線はデカールが付属しています。ソフターなどを使ってしまうと収拾が付かなくなるので位置を合わせたらお湯につけたコットンや綿棒などで慎重に押さえましょう。ルームミラーはウインドウパーツへの接着です。きれいに接着するのが難しいところですが、マスキングテープで位置決めをしておいて少し浮かせたところにエポキシ接着剤を点付けして固めればうまくいきますよ。
ボディカラーは赤と緑の完成写真が既出だったので、タヒチブルーをチョイス。ボンネットのホワイトラインはデカールを使わずに塗り分けています。細かいメッキパーツやウインカーなどかなり小さいパーツもあるので無くさないようにしましょう(サイドマーカーは2個予備が付いています)。意外だったのは前後の窓枠がクリアーパーツ側にモールドされていたこと。付属のマスキングシートを貼ってツヤ有りの黒を塗装、凹モールドになっている部分にエナメル塗料のクロームシルバーを流して拭き取り最後にフラットクリアーでツヤを抑えると簡単に塗り分けられます。普通は凸モールドだと思い込んでしまいますがうまく考えましたね、教えてもらうまで気付きませんでしたし。
このキットが出たことで今後ラリー仕様などのバリエーションもあるのかどうか、ホビーショーで質問してみたのですが、年代的に微妙に形が違うとのことでちょっと難しいとのことでした、残念。でもパッケージの仕様だけではなくキットに付属する丸いフェンダーミラーを使ったりオーバーフェンダーを付けない仕様など自由にカスタマイズして作ってみるのも楽しそうです。完成すると手のひらサイズで可愛いですよ。
ハセガワ 1/24スケール プラスチックキット
ミニ クーパー 1.3i[1997]
製作・文/一ノ戸晃治
ミニクーパー 1.3I[1997]
●発売元/ハセガワ●3190円、発売中●1/24、約12.8cm●プラキット
一ノ戸晃治(イチノへコウジ)
カーモデルやバイクモデルをメインに活躍するベテランモデラー。ラリージャパンのマシンのキット化はないんでしょうか?